アメリカの名門大学アイビーリーグとは?留学に必要な学費・条件は?
アメリカ名門大学といえばアイビーリーグ。
2015年の合格率は5~15%と世界屈指の難関校でもあり、アメリカ留学を目指す人にとっては憧れでもあります。
今回の記事ではアイビーリーグをテーマに、その成り立ちや名の由来、大学留学の際に必要な費用や条件などについて詳しくご紹介します。
将来的に受験を考えている方はぜひ参考にしてくださいね。
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アイビーリーグとは?
アイビーリーグがアメリカの教育機関ということは知っていても、その実態まではよくわからないという方もいるかもしれません。
アイビーリーグとは何か、そのなりたちと特徴について詳しく見ていきましょう。
アメリカ北東部にある名門私立大学8校の総称
アイビーリーグとは、アメリカ北東部に位置する名門私立大学8校の総称です。
アイビーリーグという大学があるわけではなく、8つの名門校をまとめてそう呼んでいるのです。
もともと8大学で構成されるスポーツリーグをアイビーリーグと呼んでおり、それが大学自体の総称として定着しました。
アイビーという名の由来には諸説あり、8校のいずれも歴史が古く、伝統的なレンガ造りの校舎が植物のツタ(ivy)で覆われていることにちなむともいわれています。
また、大学間の催しをinter varsityと呼ぶことから、これを略してIVYとなったのではないかとする説もあります。varsityには大学などの代表チームの意味もあるので、大学間で行われる代表チーム戦の名称としてはふさわしいかもしれないですね。
創立はハーバード大学がもっとも早く、1636年に開校しています。
イギリスから清教徒がメイフラワー号に乗ってアメリカへやってきたのが1620年です。また、明治維新が1868年ですから、日本が江戸時代の頃にはすでにアイビーリーグの歴史は始まっていたことになります。
大学の立地が北東部に集中しているのは、ヨーロッパから渡ってきた人々の上陸地点がニューヨークやボストンだったためです。
創立以来、優秀な人材を数多く輩出しており、これまでに8大学で合計250名以上の卒業生がノーベル賞を受賞しています。
それぞれの大学、大学院の特徴、留学にかかる学費など
アメリカ名門私立大学のなかでもアイビーリーグと称されるのは、ダートマス大学、ハーバード大学、ブラウン大学、イェール大学、コロンビア大学、プリンストン大学、ペンシルバニア大学、コーネル大学の8校です。
それぞれの特徴と留学にかかる学費を見ていきましょう。
※学生数以下の情報は年度によって異なる場合があります
①ダートマス大学|Dartmouth College
創立:1769年
所在地:ニューハンプシャー州ハノーバー市
学生数:約5,700人(学部・大学院)
学費:約$26,700(秋・春学期ともに同額)
部屋代:約$4,000(秋・春学期ともに同額)
食事代:約$3,100(秋・春学期ともに同額)
ダートマス大学はアメリカ先住民の教育を目的として設立されました。アイビーリーグの中ではもっとも学生数が少ない小規模校で、学士課程を重視した教育方針のため、大学院生より学部生の比率が大きくなっています。
大学院教育ではTuck Business Schoolが世界的に知られており、トップビジネススクールのひとつに数えられています。
②ハーバード大学|Harvard University
創立:1636年
所在地:マサチューセッツ州ケンブリッジ市
学生数:約19,000人(学部・大学院)
学費:約$23,100(秋・春学期ともに同額)
部屋代:約$5,300(秋・春学期ともに同額)
食事代:約$3,200(秋・春学期ともに同額)
世界のあらゆる大学ランキングで1位を独占し続けているハーバード大学は、アメリカ最古の歴史を持つ教育機関です。Harvard Universityという英語名は総称で、Harvard Collegeと11の大学院研究科とに分かれています。
学費はアイビーリーグの中では比較的安め。奨学金制度も充実しています。
③ブラウン大学|Brown University
創立:1764年
所在地:ロードアイランド州プロビデンス市
学生数:約8,000人(学部・大学院)
学費:約$27,100(秋・春学期ともに同額)
部屋代:約$4,500(秋・春学期ともに同額)
食事代:約$2,700(秋・春学期ともに同額)
約60ヘクタールにおよぶ自然豊かなキャンパスが広がるブラウン大学。学生の満足度ランキングでは常に全米1位を獲得するほどの人気があります。
複数の必修科目や履修条件を設けた選択必修制度をとらず、自由に科目を選べるオープンカリキュラムを採用。学生自身が興味のある科目に集中できるという特徴があります。
④イェール大学|Yale University
創立:1701年
所在地:コネチカット州ニューヘイブン市
学生数:約11,000人(学部・大学院)
学費:約$26,700(秋・春学期ともに同額)
部屋代:約$4,500(秋・春学期ともに同額)
食事代:約$3,500(秋・春学期ともに同額)
ハーバードと並ぶエリート校として知られるイェール大学はアメリカで3番目に古い歴史を持ち、アメリカ初の大学院を創設したことでも知られています。
政治学は全米トップと評されており、これまでに数多くの政治家を政治の表舞台へと送り出してきました。ロースクールは全米最難関といわれています。
⑤コロンビア大学|Columbia University
創立:1754年
所在地:ニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタン区
学生数:約28,000人(学部・大学院)
学費:約$28,300(秋・春学期ともに同額)
部屋代:不定(プラン等によって変わる)
食事代:不定(プラン等によって変わる)
大都市ニューヨークに位置するコロンビア大学は、数多くのノーベル賞受賞者を輩出してきたことで知られ、その数は世界最多ともいわれています。
多くの学生が学ぶマンモス校ですが、大学院生の割合が大きいのが特徴で、ジャーナリズム大学院にはピューリッツアー賞選考委員会が設置されています。
留学生の割合も多く、アメリカの市民権がなくても利用できる奨学金制度があります。
⑥プリンストン大学|Princeton University
創立:1746年
所在地:ニュージャージー州プリンストン市
学生数:約6,800人(学部・大学院)
学費:約$25,900(秋・春学期ともに同額)
部屋代:約$5,000(秋・春学期ともに同額)
食事代:約$3,500(秋・春学期ともに同額)
ハーバード、イェールとともにBIG3と並び称されるプリンストン大学。研究機関も充実しており、学生の満足度が高いことで知られています。やや保守的な学風ながら、アイビーリーグ初の女性学長が選出されるなど革新的な取り組みも行われています。
学費はリーグの中では比較的安く、リーグ初となるノーローンシステムも導入。奨学金や学費補助制度も充実しています。
⑦ペンシルバニア大学|University of Pennsylvania
創立:1740年
所在地:.ペンシルバニア州フィラデルフィア市
学生数:約21,000人(学部・大学院)
学費:$24,600(秋・春学期ともに同額)
部屋代:$5,100(秋・春学期ともに同額)
食事代:$2,700(秋・春学期ともに同額)
ペンシルバニア大学は、避雷針の発明で知られるベンジャミン・フランクリンによって創設されました。アメリカ初のビジネススクール、メディカルスクールを開設したことでも知られています。
大学院ウォートン・スクールはMBAランキングで約10年にわたり1位に選ばれた実績を持ち、世界的にも最高ランクの評価を得ています。日本語ではペンシルベニア大学と表記されることもあります。
⑧コーネル大学|Cornell University
創立:1865年
所在地:ニューヨーク州イサカ市
学生数:約21,000人(学部・大学院)
学費:$27,400(秋・春学期ともに同額)
部屋代:$4,000(秋・春学期ともに同額)
食事代:$2,400(秋・春学期ともに同額)
アイビーリーグの中で一番新しいコーネル大学は、私立ながら学部の一部が州によって運営されているという半官半民のユニークな大学です。
リーグでも最多といわれる多様な教育プログラムが用意されており、中でも農学や建築学、機械工学、物理学、ホテル経営学などの分野が高い評価を得ています。美しい自然に囲まれた広大なキャンパスも魅力です。
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アイビーリーグの入学に必要な条件とは?
世界に名だたる名門アイビーリーグへの入学にはどのような条件があるのでしょうか。入学に必要な条件について見てみましょう。
一斉入試はなく、書類審査が中心
アメリカでは一般的な日本の受験のように大学入学のための試験が一斉に行われ、それで合格が決まるわけではありません。
それはアイビーリーグでも同様で、入学の判定は書類審査を中心に行われます。書類と面接の結果を総合的に判断して合否判定がなされます。
必要になる主な提出書類は以下の通りです。
【入学時に必要な提出書類】
- 高校在学中の全科目の成績
- 小論文(エッセイ)
- 推薦状
- スポーツやボランティア、芸術、スポーツなど課外活動の実績
- SAT®テストスコアまたはACTテストスコア
- TOEFL®テストスコア(外国人の場合)
※大学によって異なる場合があります。
もっとも重視されるのが高校での成績です。
高校生活をいかに過ごしたかがアイビーリーグ入学にはとても重要になります。判断基準には美術や体育といった技能科目も含まれるため、主要5科目に限らず全ての科目で優秀な成績を収めておく必要があります。
小論文は、問題意識を持ち、自らの体験や考えを自分の言葉で表現することが求められます。
推薦状は2、3通必要で学校の先生に書いてもらいます。先生が推薦できないような生徒では入学を申し込むこともできないわけですね。
学力だけでなく、スポーツへの参加も評価基準となります。長く続けることも評価されますから、何か一つ長続きしそうなスポーツに参加しておくといいでしょう。
スポーツ以外にも、ボランティアや芸術関連の課外活動などにも参加した実績があれば、それも評価の対象となります。
このように大学側は、自分の頭で考えて自発的に行動できる人材を求めていると推察されます。
学力の判断にはSAT®テストかACTテストの結果が必要です。非英語圏からの入学希望者の場合はTOEFL®テストのスコアの提出も必要です。
それぞれのテストについては次の章でより詳しく説明します。
SAT®テストとは
SAT®テストは、アメリカの大学への進学希望者が対象の学力試験です。
SATはScholastic Assessment Testの略で、Scholasticは学校教育の、Assessmentは評価という意味を持ちます。国外だけでなく、アメリカの高校生の多くが受験します。ACTテストはAmerican College Testing Programの略です。SATほど知られてはいませんが、SATの代わりにACTテストスコアを提出しても問題ありません。
SATは米国内では年7回行われ、複数回の受験が可能です。国外では通常年6回実施されます。
SATのスコアに有効期限は設けられていませんが、通常5年以上経ったものは有効性が低くなるといわれています。
TOEFL®テストの平均スコアは?
TOEFL®テストはご存知の方も多いでしょう。
英語能力測定試験として世界の多くの大学で入学基準として採用されています。非英語圏からアメリカの大学への入学を希望する場合、TOEFL®テストの結果提出を求められることが多いため、あらかじめ受験してスコアを取得しておく必要があります。
入学に必要なスコアは大学ごとに異なりますが、「米国主要大学41校 海外留学に必要なTOEFLスコア調査2013」によると、アイビーリーグの平均スコアは101.5とのことです。
調査対象41校の平均スコア95.76と比べると、アイビーリーグではより高い語学力が求められていることがわかります。
行くからには留学を成功させたい! その秘訣についてはこちら!
TOEFL®対策に使えるアプリ
ここではTOEFL®テスト対策に使えるアプリをいくつかご紹介します。
アメリカ留学では大学入学のためだけでなく、大学の講義内容をしっかり理解するためにも高い水準の英語力が必要です。
入学以降のことも視野に入れて日頃から英語力を身につけておきましょう。
TOEFL®Official App
TOEFL®対策をするなら公式アプリはおさえておきたいところです。
テストのスケジュールや受験のための登録、スコアレポートの閲覧など必要な情報がいつでもどこでもチェックできます。
Lingvist
Lingvistは英語速習アプリです。
独自のAIが記憶パターンを解析し、一人ひとりの忘却曲線に合わせて、忘れそうなタイミングで対象の単語を出題してくれます。そのため英単語を効率よくマスターできます。
ビッグデータに基づいてよく使われる単語を出題。単語帳作成機能を使えば自分だけの単語帳も作れます。
TOEFLテスト英単語3000 LITE
TOEFLで高得点を取るには語彙力をつけることが大切です。
TOEFLテスト英単語3000 LITEを使えば、TOEFL受験に必要な3000語を効率よく学べます。
間違えた単語は単語帳に記録して繰り返し復習できます。
※現在、配信が停止されています
にゃんこ英単語の星
にゃんこ英単語の星は、ゲームで遊びながら英語を学べるアプリです。
ゲームモードも多彩で、ランキング機能で友達と競争すれば、飽きることなく楽しく英語学習を続けることができます。
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mikan
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覚えた単語と覚えていない単語を分けることもできるので苦手克服に役立ちます。何より正解できたらめちゃくちゃ褒めてくれるので前向きに頑張れます。
まとめ
世界的な大学ランキングでも常に上位に位置する有名大学の集まりであるアイビーリーグ。
私立だけに授業料も決して安くはありませんが、奨学金給付制度を利用して大学生活を送る学生たちも数多くいます。返済不要の給付型奨学金が利用できる場合もあるので、事前に情報を集めて調べてみましょう。
日本人がアイビーリーグに限らず、カリフォルニア工科大学やワシントン大学、スタンフォード大学など、アメリカの一流大学を目指す際、障害となってくるのはやはり英語力です。
インターナショナルスクールの学生でもない限り、日本で日常的に英会話に親しむ機会はさほど多くありません。そのため、どれだけ意識的に英語学習に取り組めるかはとても重要になってきます。
辞書を片手に教材に取り組むだけではなく、アプリなども活用してリスニング力をつけるようにしましょう。
世界最高峰の教育機関で学ぶアイビーリーガーは遠い存在のように思えるかもしれませんが、決して届かない目標ではありません。
日々の努力が結果につながるよう、できることから始めましょう!