英語で「その他」はetc.だけじゃない!? 使い分けたい5つの表現
その他という言葉、日本語では使う場面や伝えたいニュアンスによって、~など・~とかのように微妙に変わりますよね。実はこうしたニュアンスによる表現の違いは、英語であっても同じです。
では、英語でその他はどう表現するのでしょうか?
今回はその他の英語表現を、使う場面やニュアンスごとにまとめました。学校や職場、メールなど、さまざまな場面で使われる表現ですので、ぜひ使い分けをマスターしてくださいね。
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英語の「その他」は、etc.だけじゃない?
学校での英語の授業や英検の勉強で、その他という意味の単語を覚えた、という人も多いかと思います。
その覚えた単語は、主にこの5つだったのではないでしょうか。
- etc.
- other(s)
- another
- and so on
- else
どれも同じでは?と言いたくなりますが、実は微妙にニュアンスが違うのです。
ではこれから、この5つの単語を使った表現について、ニュアンスを中心に詳しく見ていきましょう。
発音記号と目安のカタカナ表記、辞書での意味も併せて紹介しますので、覚えるときの参考にしてください。
etc.(et cetera)の使い方
日本語でもエトセトラとして馴染みのあるetc.は、et ceteraの略語です。
et cetera
発音記号:etsétərə
カタカナ表記:エトゥセタラァ
意味:その他、~など、種々のもの(人)
et ceteraはラテン語起源のthe rest(残り)を意味する言葉です。
〜など・~とかとして、話し言葉よりも書き言葉でよく使われます。メモをする際に、列挙の最後に書くことで、~などというニュアンスを加えてくれます。
まだまだあるけど書くのが面倒だから省略した!というときに使うと覚えておけば、分かりやすいかも知れません。
例:ライオン、トラ、パンダなど
lions, tigers, pandas, etc.
略語なので、書くときには語尾にピリオドを忘れないことと、列挙の場合は直前に必ずコンマをつけることがポイントです。
ちなみにラテン語のetは英語のandの意味なので、and etc.とは書きません。気をつけましょう。
other(s)の使い方
other
発音記号:ʌ’ðər
カタカナ表記:アザァ
意味:他の(もの、人)、(3つ以上のうちで)残りの・あとの
このotherはその他にあたるもの(人)が複数の場合に使い、使う場面は大きく分けて2つあります。
other+名詞の複数形、others
その他にあたる対象や数が具体的に決まっていない場面で使います。
other+名詞の複数形は、(何かは決まっていないけど)他のものという表現です。
ショッピングに行ってすすめられた商品が気に入らず、何か他のものを見せてというシーンを思い浮かべてみてください。このときに使うのがotherです。
例文:(何か)その他のコートはありますか?
Do you have other coats?
一方othersは、基本的にはotherと同じですが、こちらは残りのというニュアンスが強くなります。対話者が何についての残り(その他)を指すのかが分かっているときなどに、単独で使う表現です。
例文:私はこの人形が大好きです。あなたは(このような)その他の人形を持っていますか?
I love this doll. Do you have others like it?
the other、the others
残りのというニュアンスのなかでも、もの(人)を特定するtheと一緒に使うため、対象や数が明確になっている場面で使われます。
the otherは2つのうちでそれ以外のもう1つ、the othersは3つ以上のうちでそれ以外のすべてというニュアンスです。
たとえばケーキが2つある場合なら、最初(1つ目)に選ぶのがone、残りのもう1つをthe otherと表現します。3つある場合なら、最初に1つを選んだ後、残りの2つをまとめてthe othersと表現します。
例文1:もう1つの目を閉じなさい。
Shut the other eye.
例文2:彼らのうち1人は残り、他は全員出かけました。
One of them remained and the others went out.
「see you」以外にネイティブが使っている去り際の挨拶ならこちらの記事もおすすめ。
anotherの使い方
発音記号:ənʌ’ðər
カタカナ表記:アナザァ
意味:もう1つ(1人)の、別の、他のもの(人)
その他のもの(人)が複数存在しているなかでの1つを指すときに使います。
どれでもいいから、残りのうちのどれか1つ!というニュアンスです。
そのためanotherを複数形にして使うことはできません。
たくさんあるうちの1つ1つを指してその他と伝えたいときには、another+数字か、another+数字+複数名詞の形で使います。
例文1:これは気に入らないな。他のを(もう1つ) 見せてください。
I don’t like this. Please show me another.
例文2:あなたの村は、もう10年もすれば変わるでしょう。
Your village will change in another ten years.
and so onの使い方
発音記号:ənd sóu ɑn(ɔn)
カタカナ表記:アンドゥ・ソゥ・アン(オン)
意味:~など、その他
話し言葉として、同類のものを列挙するときによく使われます。実は、これをラテン語にするとet ceteraになります。
and so on=et cetera
そのため論文などの改まった文章などでは、etc.と略すことが多いのです。また、and so forthと表現することもあります。
例:ライオン、トラ、パンダなど
lions, tigers, pandas and so on
上記の例では同類(動物)を列挙しているので、and so onを使っています。
しかし、日本語では何の問題もない本やかばん、猫、コップなどという表現。このような同類ではないものを並べて英訳するときには、and so onは使えません。
そしてand so on、and so forth、etc.は、すべて人には使えないということに注意してください。文法的には間違いでなくとも、人に使うと失礼な感じになってしまいます。
人に対しては、and othersという表現の方が良いでしょう。
elseの使い方
発音記号:éls
カタカナ表記:エルス
意味:その他の(に)、別の(に)
疑問詞にelseが付くと、たいていは日本語の他にといった意味になります。他に何か?と言いたいときには、anything elseを使うことも多くあります。
例文1:誰か他に、私の質問に答えられる人はいますか?
Who else can answer my question?
例文2:他に何を買うつもりですか?
What else are you going to buy?
例文3:他に何か話すことがあますか?
Do you have anything else to say?
「〜まで」の英語「until」と「by」を使いこなすならこちらの記事もおすすめ。
まとめ
その他という言葉にも、ニュアンスによっていろいろな表現があることをお分かりいただけたでしょうか。
日本語にはない細かい使い方のルールや注意点があることにも気をつけながら、使い分けの練習をしてください。単語がスムーズに浮かぶようになったら、スピーキング能力の向上に移ると効率よく習得できるはずです。
また、時間があればフランス語やドイツ語、イタリア語、スペイン語、中国語など、世界ではどう表現しているのかを調べてみるのはいかがでしょうか。
今は翻訳・対訳による文章表示、例文検索や英和辞典、まとめサイトや現地ブログなど、無料で情報を提供してくれるWebページがたくさんあります。生きた語学力を身につけるのにも有用ですので、ぜひ活用してみてください。
このように、英語はもちろんさまざまな言語への知見を広めることは、多くの文化に触れるとともに自分の世界をも広げてくれます。
たくさんの人たちとより楽しくコミュニケーションを取れるよう、あなたの英語力に磨きをかけてくださいね!