書籍レビュー:マヤ・バーダマン|人を動かす、気配りの英語表現

マヤ・バーダマン 人を動かす、気配りの英語表現 書籍レビュー
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グローバル化が進む中、ビジネス英語は必要不可欠なスキルの一つになりました。しかし、「英語力」があるからといって、それだけでグローバル社会を生き延びるのは難しいことを忘れてはいけません。

ビジネス英語と同じくらい大切なスキル、それは処世術です。

同僚に「この仕事お願い」と言っただけで、「上司じゃないんだから」とムスッとされたり、取引先の話が長くて会議に遅れそうなのに、切り上げ方がわからなかったり…。
ビジネスシーンでは、対応の仕方が難しく、逃げ出したくなるような出来事は日々発生するものです。

日本語での対応ですら難しいのに、それを英語で、さらに異文化の人に対してとなると、どうすればいいのか悩んでしまいますよね。

そこでおすすめの1冊が、「人を動かす、気配りの英語表現」。
この本では、ビジネスシーンにおける対応の仕方に困るような難局シーンの切り抜け方を、具体的な言葉選びからアプローチ方法まで丁寧にわかりやすく教えてくれます。
言葉や行動は、職場の人間関係やビジネスの進み方、結果にまで影響を及ぼします。つまり、スマートな言葉選びやアプローチができれば、職場の難局シーンは乗り越えられる、もう悩まされないということです。

著者は、マヤ・バーダマンさん。外資系企業で異文化の人と一緒に仕事をしながら英語力を磨き上げた経験をもとに、ビジネスシーンにおける役立つ英会話表現やマナーを紹介する書籍を多く出版してます。

本書の構成

この本は、「会話を切り上げる」「謝罪する」「注意する」など、職場で対応が難しい26のシーンを4章にわけて紹介しています。

Capter1:ビジネスで日々直面するシーン
Capter2:問題解決
Capter3:フィードバック
Capter4:人間関係

あらゆる難局シーンをカバーしているので、こういうとき自分もあるある!と共感すること多々。順を追って学習していくタイプの教材本ではないので、まずは自分が一番気になっているシジャンルから読み始められます。

各項目の構成

1つのシーンに対して、5つの構成で丁寧に解説。これがわかりやすいポイント!

①前説:場面の概要
②アプローチ:その場面を切り抜けるためのアプローチ方法をいくつか列挙
③アプローチの解説:各アプローチの詳しい説明
④フレーズ:「成功フレーズ」と「避けた方がよいフレーズ」の紹介
⑤ビジネスシーン:具体的な職場でのシーンを想定した実際の会話例

このような構成で、まずはシーンの概要があり、そこから上手く切り抜けるためのアプローチ方法と役立つフレーズを解説。

1つのシーンに対していくつかのアプローチ別に例文をあげているので、状況に応じて、対応する相手に応じて、というように使い分けがわかりやすい!NG例もあるので気を付けなくてはいけないポイントもまるわかりです。

最後にまとめとして、実際のビジネスシーンでの実践的な英会話例まで紹介されています。

本書の魅力

なぜこの本がおすすめなのか?この本の6つの魅力はこちらです。

1. 対応の仕方に困るビジネスシーンを具体的に26個収録
2. 困難なシーンを切り抜けるためのアプローチをわかりやすく説明
3. 「成功フレーズ」と「避けた方がよいフレーズ」を紹介することで、何を言えばOKということだけでなく、何を言うとNGな影響が出てしまうかも学べる
4. 実際に使われているフレーズばかりなので実践的
5. 会話例が収録されているので、実際にどんな文脈で使われているのかがわかる
6. ワンクリックでダウンロードできる音声ファイル(MP3)、アプリOTO Navi対応

 

Capter1:ビジネスで日々直面するシーン

Capter1では「ビジネスで日々直面するシーン」として12個のシーンでの対応方法が掲載されています。
「効果的に自己アピールする」では、上司とのミーティングで成果をアピールする方法とフレーズが紹介されています。
具体的な数字や結果を用いることと、謙遜しすぎずポジティブに話すこと、といったポイントがまとめられているので、英語フレーズを丸暗記する必要はありません。

「催促する」も、なかなか対応が難しいシーン!「上司にリマインドする」という実際の現場を想定した英会話例文では、上司との雑談を通してリマインダーを与え、状況をやんわりと確認するという流れがとてもスムーズに表現されています。

他にも、「ミーティングを終わりに向かわせる」「仕事の依頼や誘いを断る」「反対意見を述べる/反論する」など、知っておきたい対処方法を多数紹介。英文に限らず、日本語の解説文もためになることばかりです。

Capter2:問題解決

Capter2では、5つの「問題解決」に関するシーンの対応方法が紹介されています。

「謝罪する」場面はあまりないことが理想ですが、仕事に謝罪はつきもの?
このパートでは、「すみません=sorryではない」と教えてくれます。
英語と日本語では感覚が違うため、場合によっては誠実性が下がり不真面目に聞こえてしまうケースもあるそうですよ。

また、「間違いや問題を指摘する」のパートでは、「マネージャーが提示した資料に間違いがあった」シーンでの実践的な英会話例が紹介されています。
ストレスなく上司の間違いを指摘できるなんて、是非参考にしたいですね。

他には、「交渉の基本」や「無理な条件の提示に対応する」「こちらの譲れない条件に同意してもらう」シーンでの処世術が紹介されています。

Capter3:フィードバック

Capter3では「フィードバック」に関して取り上げられています。グローバルな企業の場合、人事評価などの機会だけでなく、プロジェクトの成功などその都度フィードバックをする文化があるので、このパートも必読です。

「注意する」では、親が子に注意するシーンの会話が例に。
ビジネスシーンでの例えだけでなく、より身近な日常生活でのシーンも例に挙げることで納得度があがります。

Capter4:人間関係

最後のCapter4では「人間関係」をピックアップしています。
「答えたくない質問をかわす」や「不適切な発言や失礼なコメントに対応する」は、セクハラやパワハラ問題にも対応できそうです。

interestedといえば「面白い」という意味がパッと出てくるかと思いますが、実際によく使われる意味合いは「関心がある」という意味。「答えたくないと伝える」パートでは、I’m not interested in discussing that.(そのことについては話したくありません)のように使われています。
また、話題を変えようと提案する時の例文は、Let’s change the subject.(話題を変えましょう)。
このように、使われている単語自体は中学英語レベルのものばかり。「ビジネス英語」と肩に力を入れすぎる必要がない点も本書の魅力のひとつです。

まとめ

グローバル社会で通用する処世術を教えてくれる「人を動かす、気配りの英語表現」。
なにかと気難しい上司や、繊細な同僚、陽気すぎる取引先担当者など、面倒な人間関係の中で、巧みに世渡りする方法を知っておくことは大切です。ストレスなく生きてゆくために、そしてよりよい関係を構築するための処世術。
その根底には「人」と接する際の「気配り」がちりばめられています。

仕事で英語を使う人はもちろん、社会人であれば読んで損はない1冊です。

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