前置詞ofの使い方|イメージを覚えて正しい意味を導き出す!例文あり
英語を学ぶ上でつまずきやすいのが前置詞。中でもofはどういう場面で使うべきか迷うことも多いでしょう。
全体の一部や所属を表す際に使われることが多いですが、基本的にはどんなイメージを持っているのでしょうか。
今回のテーマは前置詞ofです。
ofが持つイメージや使い分けを覚えて正しい使い方をマスターしましょう!
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中学で習う~のを表す英語ofの使い方
中学で習った英語ofの使い方は覚えていますか?
丸暗記したという方も多いかもしれませんね。
ofが持つイメージとともにその意味と使い方について改めておさらいしてみましょう。
一部が分離、~の出もと、原因を表すof
ofの基本イメージを理解する手がかりはその語源にあります。
ofと同じ語源を持つといわれているのが、off。スペルもとてもよく似ていますね。
offには~から離れてという意味があり、同語源のofも同じイメージを持ちます。
対象Aとそこから分離したaの関係を表しているのがofです。aはAの一部であり、Aから分かれて出てきたというイメージで、そのためofは分離や原因、出もとを表す際に用いられます。
ofの使い方を理解する際は、常にAと分離したaの2つをイメージしてみてくださいね。
すべての一部に所属、所有物を表すof
もっともよく使われるのが所属や所有物を表す所有格のofでしょう。
この場合も分離同様、aはAの一部です。そのためAに所属しているという意味になり、所有を表す際にも用いられます。
~の部分、分量のof
ofは全体の一部を表す際にも用いられます。
全体のどの程度かを表しているのが分量の表現です。a cup of Aならコップ一杯にあたる部分や分量ということになります。
~の行為者のof
It is+形容詞+of+名詞(または代名詞)+to doというフレーズがありますが、この場合のofは行為者を表し、行為に対する評価を導く表現です。
その人がしたこと(to do)が評価対象で、人間の性質を表すkindやwise、foolish、goodといった形容詞で評価されます。
説明すると難しく感じるかもしれませんが使い方は簡単です。例文を見てみましょう。
そんなことをするあなたは馬鹿だ。
It is foolish of you to do so.
youが行為者で、to do soに対してfoolishと評価が下されていますね。
助けてくれて有難う。
It is kind of you to help me.
こちらの例文は直訳すれば、私を助けたあなたは親切ですという意味になりますが、Thank youと同じように感謝を述べる際によく使われます。
なぜ行為者に対する評価にofが使われるのかといえば、その行為がどこから来たか、何によってもたらされたかという点が意識されているからです。
イメージとしては出どころや原因と同じ考え方になります。
性質を表すof
性質を表す際にもofを使います。名詞+of~で名詞に対する形容詞句になります。
a boy of fiveといえば、5歳の少年です。
面白いことにan angel of girlで、天使のような少女という表現もあります。
一見するとangelとgirlが逆ではないかと思いますよね。けれどもこの場合、girlからangelとしての性質が引き出されているイメージなので間違いではないのです。
同格の、~のような、~というof
ofには同格を表す用法もあります。名詞of名詞で表現され、aとAの関係は、a=Aです。
例えばthe city of Tokyoは同格で、the city=Tokyoとなります。
主題を表すof
主題のofは、~の点についてや~に関すると訳されます。
a map of the townといえば、町に関する地図です。think of itならば、それについて考えるということになります。
ofの後ろの名詞が意味的に主語or目的語になる場合も
of+名詞の場合、名詞が主語や目的語になることがあります。これを主格のof、目的語のofといいます。具体的な使い方とともにそれぞれの違いを見てみましょう。
主格のof
例えば、the arrival of the busはバスの到着です。バスが到着するわけですから、ofの後ろの名詞the busは主語的な意味を持っていることになります。これが主格のofです。
目的格のof
例えば、the discovery of Americaはアメリカ発見です。アメリカを発見したわけですから、ofの後ろのAmericaは目的語の意味を持ちますよね。そのため、この場合は目的格のofとなるわけです。
ofの前にある名詞の種類でも簡単に見分けられる
主格か目的格かは、ofの前に置かれている名詞でも見分けることができます。
ofの後の名詞が主語や目的語になるには、ofの前には動作を表す動作名詞か動名詞が来る必要があります。
the arrival of the busであれば、arrivalは到着するという動作を表しています。動詞にするとarriveですね。
the discovery of Americaであれば、discoveryは発見するという動作を表しています。こちらも動詞に置き換えるとdiscoverになります。
それぞれの動作を動詞に置き換えた時、その動詞が目的語を必要とするか否かで主格のofか目的格のofかは判断できます。目的語を必要とする他動詞であれば目的格ですし、目的語が不要な自動詞であれば主格ということになります。
arriveは何かが到着するという意味なので主語は必要ですが目的語は必要としません。よって自動詞とわかります。
discoverは発見すべき目的語を必要とする他動詞です。よって前者は主格のof、後者は目的格のofと見分けることができます。
文頭にofがあるのはどうして?
たまに文頭にofが来ることがありますが、これはどうしてでしょうか?
あまり多く使われる表現ではありませんが、使い方を理解していないと意味がわからないこともあります。ここで基本をマスターしておきましょう。
最上級のof~が前に来た
ofが文頭に来るパターンで最も多いのは、最上級が使われている場合です。
中学で習ったという方も多いでしょうが、最上級は、the+最上級+of+複数名詞という形をとります。ちなみに単数名詞の場合はofの代わりにinが来ます。
~の中で最も~だという意味をもつのが最上級ですが、of以降を強調したい時などに文頭に置かれることがあります。
そのため文頭にofが来ていたら、文中に最上級がないか探してみましょう。もしも使われていれば、文頭のofは~の中でという意味だとわかります。
of+抽象名詞の倒置
of+抽象名詞で形容詞の役割をすることがあります。抽象名詞とは、目に見えない概念上の物を表す名詞です。例えば、名詞importanceは重要性という意味ですが、of improtanceとすることで形容詞importantと同じ使い方ができます。
とはいえ、形容詞になったからといって文法的にofが文頭には来ませんよね。文頭のofを理解するには、さらに文章構成を意識する必要があります。
形容詞が使われる際の文型は第2文型のSVC、つまり主語+述語動詞+補語です。
補語となる形容詞にあたるのがof+抽象名詞で、これを文頭に持ってくる場合、SVCがCVSとなり語順が変わります。これを倒置といいます。このパターンは主語に修飾語句がつくなどして、文頭の主語部分が長くなってしまうのを避けるために使用されます。
of+抽象名詞が文頭に来ていたら倒置の可能性があることを覚えておきましょう。
ofを使った例文
さまざまな使い方があるofですが、実際にはどのように使われているのでしょうか。例文とともにそれぞれの用法について見てみましょう。
あのタキシードを着ている男性は誰?
Who’s the guy in the tuxedo?
ケンです。ケンはカレンの友達の一人です。彼は生まれつきの才能を持つ人です。
Ken. Ken is a friend of Cullen’s. He is a man of natural talent.
a friend of~で友達の中の一人であることが表現されており、a man of natural talentでは性質を表す用法ofが使われています。talentは才能という意味で、特に芸術面での天賦の才を表します。ここではnaturalを使って、生まれながらの才能であることが明言されていますね。
荷物を運んでいただきありがとうございます。
It is kind of you to carry my luggage.
お礼にコーヒーをおごらせてください。
I’ll treat you to a cup of coffee.
行為者を評価するofで説明した通り、It is kind of you to doが使われていますね。a cup of coffeeのofは分量を表すofです。どちらも使う機会の多い表現なので、このまま覚えておきましょう。
treatは取り扱うや治療する、もてなすなど広い意味を持つ単語で、おごるというときにもよく使われます。ハロウィンのtrick or treat!のtreatも同じで、お菓子でもてなしてほしいとおねだりしているわけですね。
私の恩師は脳卒中で亡くなりました。
My former teacher died of a stroke.
最近、彼のことをずっと考えています。
I’ve thought of him lately.
died of a strokeのofは原因を表すofですね。strokeはストロークとして日本ではスポーツ関連でお馴染みの言葉ですが、英語では脳卒中の意味でも使われます。
thought ofは主題を表すofで、何について考えているかが表現されています。
あのずんぐり体型の男が私のバッグを盗ったの!
That stocky man robbed me of my bag!
あのバッグ、牛革なのよ…。
The bag is made of cowhide….
robは奪う、強奪するです。似た意味の単語にstealがありますが、stealはこっそり盗むイメージで、robは脅したり暴力的に奪うことを意味します。
人の持ち物を奪うというのは人と物を引き離すことですから、この場合のofは分離を表します。
ただ語順に違和感を覚える人もいるかもしれませんね。バッグを奪うならrob my bagとなりそうですが、正しい英語はrob me of my bagです。
これはrobという単語が人に強盗を働くイメージがあることを意識するとわかりやすいかもしれません。強盗を働く相手は私であってバッグではありませんよね。
強奪によって分離(off)したものがmy bagですから、of my bagとなっているのです。
日本語に訳して考えると違和感を覚える表現もありますが、その場合は英単語が本来持つイメージを意識することで理解しやすくなります。
be made ofは素材を表す際に用いられるフレーズです。完成品を見れば素材がわかる場合はof、見るだけではわからない場合はfromが使われます。
cowhideは牛革です。見た目で牛革とわかるため、made of cowhideとなっているわけですね。
私は問題集を解くことが難しいと感じたことはまったくない。
I have never felt the difficulty of the solving problems in the workbook.
名詞difficultyの説明のために同格のofが使われています。neverで否定されていますから、the solving problems=the difficultyではない、という意味になるわけですね。
solveは解く、解決するです。problemは問題で、the workbookは問題集です。solve a problemで問題を解決するという意味です。よく使われる表現なのでこの機会に覚えておきましょう。
まとめ
英単語には基本的なイメージがあります。イメージを意識することでわかりにくい用法も間違えにくくなるため、フルに活用していきましょう。
数ある用法をマスターするには英語と接する機会をできるだけ多く設けることが大切です。
英語勉強会や英会話教室に参加できれば、わからないことはすぐに質問できますし、専門家から的確な回答が得られるため、理想的な英語勉強法といえます。
しかし忙しくてなかなか時間が取れないという方も多いでしょう。そんな場合はネットの利用がおすすめです。
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単語や英語フレーズが持つ意味をより詳しく知りたい時には英英辞典が便利です。英語で説明されているため、日本語では伝わりにくい微妙なニュアンスも知ることができます。
単語同士の関係を表す前置詞はイメージを描くことが大切です。inが中、onが上のイメージを持つように、ofが持つ所属から分離するイメージを意識すると、正しい用法が身につきやすくなるでしょう。
より豊かな英語表現をマスターするために、単語のイメージを思い描きながら英語と接してみてくださいね。