no moreの意味は主に3つ!使い方がわかる例文とno longerとの違い
no moreというフレーズは、ボブ・ディランのAin’t No More Cane on the BrazosやAAAのNo cry No more、TWICEのUP NO MOREなどの曲名で知られていますね。Faith No Moreというバンドもいます。
今回の記事ではno moreの意味や類似表現no longerとの違いを説明します。
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英語no more意味は主に3つ
楽曲タイトルやバンド名など、音楽シーンでは見聞きする機会の多いno moreですが、どのような意味で使われているのでしょうか。
no moreの意味は主に3つあります。まずは基本をおさえておきましょう。
①それ以上~ない
no moreの意味の1つ目は、それ以上〜ないです。
noが否定で、moreがmanyあるいはmuchの比較級ですから、もうこれ以上ないという意味になるわけですね。
②死んで
存在に関してno moreが使われている場合、死んでいる状態を表す慣用表現になります。
She is no moreといえば、彼女はもう存在しない、つまり死んでしまったという意味です。
③(否定節につなげて)~もまた~ない
否定節とともに使われるno moreは、〜もまた〜ないという意味になります。
否定が重なるので、Aは〜しないしBもまた〜しないといった具合になるわけです。
注意したいのは語順で、no moreの後は倒置が起こります。
ジョンは行かなかったしメアリーもまた行かなかった。
John didn’t go and no more did Mary.
このように、did(動詞)+Mary(主語)の順になります。
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no longerとの違い
no moreと類似した意味を持つフレーズにno longerがあります。
どちらももはや〜ないという意味で使いますが、両者の違いは文字通り、moreとlongerの違いです。
moreは程度や数量、longerは期間を示す際に用いられます。
例えばケーキ屋さんに行ってお気に入りのケーキがないとき、お店の人がno moreといえば売り切れですが、no longerといえば販売期間外あるいはもう販売されていないという意味になります。
逆からいえば、数量や期間によって意味が変わる場合でなければ、どちらを使ってもOKです。ただ、no moreの後ろに一般動詞が来ることはあまりありません。
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no moreの使い方がわかる例文
比較級を使った表現は日本人には難しく感じられるかもしれませんが、基本を押さえて一つずつ攻略していきましょう。
最後に、no moreをどのように使うかがわかる例文を紹介します。
日常で使える表現をピックアップしましたので、ぜひネイティブとの会話で使ってみてくださいね。
no more, thanks.
カフェオレのおかわりはいかがですか?
もう十分です。ありがとう。
Would you like another cafe au lait?
No more. Thanks.
英語圏でカフェを利用したことがある人には聞き覚えのあるフレーズかもしれませんね。
初めて聞くとlikeがあるので、好きかどうか聞かれてる?と思ってしまう人もいるでしょう。ですが、Would you like〜はお客様のほしいものを尋ねる際によく使われるフレーズです。
例文ではおかわりがほしいかと尋ねています。anotherはもう1つという意味です。もう1ついるかと訊かれているので、答えがno moreになるわけです。もうこれ以上はいらないよというわけですね。
say no more fam
おまえの彼女がケンと一緒にいるのを見たぞ。
それ以上言うな親友よ。
I saw your girlfriend with Ken.
Say no more fam.
say no moreでそれ以上言うなと訳されています。これはわかりやすい英文ですね。
ただ、say no moreという場合、2つのシチュエーションが考えられます。
1つは例文のように、相手が言おうとするのを押しとどめる場合です。言わなくてもわかっているからそれ以上言うなというわけですね。
この場合は相手が説明する面倒をカットできるので、好意的な意味でも使われます。事情はわかっているから説明しなくても大丈夫だよといったニュアンスです。
逆にもう1つ考えられるのは、さんざん聞かされてもう聞き飽きたからそれ以上言うなという場合です。こちらは否定的なニュアンスで使われることがほとんどです。売り言葉に買い言葉的な強い言い方なので、よほど親しい相手でなければ使わない方が無難です。
famはfamilyの略で、家族のように親しい相手への呼びかけとして使われます。親しい男友達への呼びかけにbrotherを略したbroが使われるなど、英語ではこの手の表現は多いですね。
There is no more
ルールについてそれ以上の説明はない。
There is no more explanation about the rule.
There is〜で〜があるです。これは覚えている人も多いでしょう。There is no more〜ですから、それ以上〜はないとなるわけです。応用が利く便利な表現なのでこのまま覚えてしまいましょう。
no more cry
あなたを傷つけるつもりはなかったんだ。お願い、もう泣かないで。
I didn’t mean to hurt you.Please no more cry.
no more cryは歌の歌詞などによく登場するフレーズですね。もう泣かないでという意味です。例文を見て、あれ?と思った方もいるのではないでしょうか。
先ほど例文でご紹介したsay no moreは、sayがno moreの前に来ています。
しかし、no more cryはno moreの後ろにcryです。これはなぜなのでしょうか?
実はsay no moreとno more cryでは品詞が違うのです。
say no moreは動詞+副詞であるのに対し、no more cryは形容詞+名詞です。
この場合cryは泣くことという名詞の意味で使われているわけですね。もちろんcryを動詞で使用してcry no moreとすることもできます。語順によって品詞がわかり、それによって意味が特定できる可能性もあるので、ぜひ英文を見るときは気にしてみてくださいね。
meanは意味すると覚えている人が多いかもしれませんが、〜するつもりといった行動の意図を表す際にも使われます。
no more than
私は300円しかもっていない。
I have no more than 300 yen.
no more than〜はたった〜、わずか〜です。
私が持っているのはたったの300円だ、つまり、300円しかもっていないというニュアンスになるわけです。たったこれしかないと、主観が入った表現になります。
注意したいのは、no more thanとnot more thanは違うという点です。noとnotではニュアンスが異なります。not more than〜の意味は、多くても〜です。
私が持っているのは多くても300円だ。
I have not more than 300 yen.
このようにnotになると、たったこれっぽっちといった強い否定的なニュアンスは含まず、ただ事実を述べる表現になります。基本的に否定のニュアンスが強いのはnoの方です。notからtを引くとニュアンスが強くなるのは面白いですね。
ちなみに、moreをlessに変えたno less than、not less thanという表現もあります。
no less than〜は、〜もという意味です。
私は300円も持っている。
I have no less than 300 yen.
このようにmoreとは逆のポジティブな捉え方になるわけですね。
また、not less than〜だと、少なくとも〜という意味になります。
私は少なくとも300円は持っている。
I have not less than 300 yen.
こちらも、多くても〜と訳すmoreの場合とは逆ですね。
なお、英文契約書用語としてnot more thanが使われることがあります。たとえばnot more than 20の場合は、20を超えることはないという意味から20以下と翻訳されます。
逆にnot less than 20の場合は20より下ということはない、つまり20以上という意味です。
まとめ
no moreは曲タイトルやキャッチコピーなどによく使われていますし、no more 広島といったキャッチフレーズで覚えている人も多いでしょう。
何となく意味はわかっているけれど、具体的な用法がわからない英語表現はいろいろあり、no moreもそのひとつです。
言語としてもmoreのような比較級は日本語にありませんし、さらに否定語noのデリケートさが加わるとさらに難しく感じられてしまいます。しかし、使いこなせるようになれば表現の幅は大きく広がるので、この機会にぜひマスターしてくださいね。
単語は基本イメージをおさえておくと、さまざまな用法も覚えやすくなります。語彙力に不安がある人は英和辞典を引くことから始めましょう。高校科目の英文法や英会話などの英語学習ために使っていた研究社などの辞書があるなら、早速引いてみてください。受験勉強用に買った英文解釈教室などの参考書も、今見ても参考になる部分はたくさんあるはずです。
普段スマホを使う機会が多い人には、英辞郎on the WEB Proなどの辞書アプリがおすすめです。通勤時間や出先でもスマホさえあれば検索できますし、覚えにくい単語は単語リストを作ってまとめておけば、効率よく復習できます。
学生時代は英語部に入っていたという人でも普段から英語を使う習慣がないと、一般動詞やbe動詞、目的語といった基本的な言葉さえ忘れてしまうかもしれません。もしもno more thanと聞いてクジラ構文というコアな名称を思い出したとしても、いざ具体例を挙げて…となると、なかなか説明できないこともあるでしょう。英語学習は忘れないよう繰り返し復習する習慣を持つことが大事です。
とはいえ、英語や文法を覚えるだけでは英語力アップには繋がりません。
覚えた言葉は実際に使ってみるのが英語学習のポイントです。
英語に限らず、フランス語でも中国語でも外国語はネイティブに通じなければ意味がありません。
英会話教室やオンライン英会話など無料体験コースを用意しているところも少なくないので、自分の英語は通じるのかまずは挑戦してみましょう。