オーストラリア英語のリスニングがなかなか聞き取れない3つの理由
ひとことに英語といっても、異なる発音や表現方法がたくさんあり、世界各国それぞれの地域特有の英語が発達しているといっても過言ではありません。
日本語にも方言があるように、英語にもさまざまなスタイルとして認められており、オーストラリア英語もそのうちのひとつです。
すでにご存じのように、イギリス英語とアメリカ英語には違いがありますが、オーストラリア英語にもまた別の特徴があります。
会話が成り立たないということはほとんどありませんが、違いについてあらかじめ知っておくととても役に立ちます。
今回は、アメリカ英語とオーストラリア英語との違いについて紹介します。
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アメリカ英語とオーストラリア英語の決定的な違い
オーストラリア英語とアメリカ英語には、主に以下の3点に違いがあります。
- スペリング
- 発音
- 表現
それぞれの特徴がわかりやすい例を用いて説明していきます。
①スペリング
オーストラリアは元々イギリスの統治領だったこともあり、スペリングはイギリス英語にとても近いです。
よって、アメリカ英語とはスペルの異なる単語がいくつかあります。
以下はその一例です。
rとeが逆になるパターン
アメリカ英語:
center
オーストラリア英語:
centre
他の単語に関しても、rとeが逆になる場合がいくつか存在します。
rの前にuが付くパターン
アメリカ英語:
color
オーストラリア英語:
colour
このように一部の単語でオーストラリア英語とアメリカ英語にはスペルの違いがあることを覚えておきましょう。
②発音
オーストラリア英語ならではの発音は、スペルよりも違いが大きく慣れが必要かもしれません。
G’ day
オーストラリア英語でG’ dayと書かれたもの、これはアメリカ英語でいうところのgood dayです。
gがgoodの省略形になっていて、綴りだけでなく発音も異なります。
アメリカ英語:
Good day(グッディ)
オーストラリア英語
G’ day(グダァイ)
mate
スペリングはオーストラリア英語もアメリカ英語も一緒です。しかし、発音の仕方が異なります。
アメリカ英語:
mate(メイト)
オーストラリア英語:
mate(マイト)
day
前述のG’ dayでも登場したdayですが、単体で読むと以下のような違いがあります。
アメリカ英語:
day(ディ)
オーストラリア英語:
day(ダイ)
発音の違いを頭に置きながら、以下の例文を見てみましょう。
We’re going today.
文脈にもよりますが、アメリカ英語だと「今日行くつもりです」のような意味合いになります。
では、実際にオーストラリアのネイティブがこのフレーズを発音すると、どのように聞こえるでしょうか?
オーストラリア英語ではdayを(ダイ)と読むので、そのことを知らない人には以下のように聞こえてしまう可能性があります。
We’re going to die.
「私たちは死ぬつもりです」という意味になってしまいます。
もちろん、前後の文脈から意味は理解でき、まさか死ぬという意味でとらえることはないでしょう。
感覚的にいうと、このような発音の違いは、日本語の方言にみられるなまりのようなもの。
ですので、アメリカ英語がある程度わかる人であれば、都市部のオーストラリア英語はだいたい理解できるでしょう。
ただ、同じオーストラリア英語のネイティブの発音であっても、都市部の人と田舎の人の英語には大きな違いがあります。
アメリカ英語を理解して、都市部のオーストラリア人との会話にもついていくことができたとしても、オーストラリアの田舎の方との日常会話はスムーズにできない、ということもあるかもしれません。
例えば日本語でも、東京の人が沖縄のおばあちゃんとの会話をするとうまく聞き取れなかったり意味が通じなかったりすることがありますよね。
そのようなことが英語でも起こるのです。
③表現
アメリカ英語とオーストラリア英語とでは、表現の仕方が異なることもしばしばあります。
Good on you
アメリカ英語では、good on you.はあなたに似合ってるね、といったニュアンスの表現です。
オーストラリア人もこの同じフレーズを使いますが、意味合いが異なります。
オーストラ英語のgood on you. は、
アメリカ人のいうgood for you.と同じ意味で使われることが多いのです。
(それは良かったね、あなたにとってよかったね)
アメリカ英語:
Good for you.
(良かったね)
オーストラリア英語:
Good on you.
(あなたに似合っているね)
アメリカ英語:
Good on you.
となります。
Sheila
これは少し方言的な表現になりますが、sheilaはオーストラリア英語で女性を意味します。
アメリカ英語:
Woman
オーストラリア英語:
Sheila
オーストラリアでwomanでも意味は通じるのですが、
sheilaと使う人が多いようです。
違いはあってもコミュニケーションは成り立つ
オーストラリア英語とアメリカ英語には、スペルや発音、表現に違いがあることをわかっていただけたと思います。
それらの違いはありますが、実際この差によってコミュニケーションが不可能になるケースは少ないです。
東京と大阪の人が会話している場面を想像してみてください。
例えば、大阪の人が話す関西弁を、東京の人が理解できないことがあったとします。
イントネーションが違うとかではなく、使う表現そのものが違うと、当然理解できないこともあるでしょう。
そのような場合であっても、根本的には同じ言語であるため、意味がわからなかったり聞き取ることができなかった部分さえきちんと確認し合えば、コミュニケーションをとることができますよね。
また、大阪の人は、東京の人でも分かるように、気を遣ってあえて表現をかえて話すことがあると思います。
オーストラリア英語を話す人も同様。大阪の人と同じように少し気を遣って、話し方をかえて会話することがあります。
家族や地元の友人と話す時はその地域の表現や発音で、アメリカ英語を話す人には、そちらに寄せた話し方をする、といった具合です。
また、アメリカ英語を話す側も、オーストラリア英語の発音や表現の違いを認知しているので、文脈に沿って考えてみたり発音の傾向に意識を向けたりすることからニュアンスを理解できます。
また、地元の人はアメリカ英語との発音や表現の違いを理解していますので、観光や留学で訪れている人が素直に発音やスラングが理解できなかったことを伝えれば、快く教えてくれるでしょう。
あまり心配しないで、オーストラリアの土地を楽しんでほしいと思います。
まとめ
アメリカ英語とオーストラリア英語の違いは、日本語の方言のなまりのようなものだと考えておけばOKです。
発音や表現の違いはありますが、アメリカ英語がある程度わかっていれば、十分にコミュニケーションは成り立ちます。
もしオーストラリア英語を詳しく学びたいのであれば、実際現地に行き、体験して習得していくのがベストです。
それぞれの英語の違いを知ることは、国の文化の違いを知ることにもつながります。
英語の勉強をきっかけに、グローバルな視点を持てるようになるかもしれませんね。
動画でおさらい
オーストラリア英語のリスニングがなかなか聞き取れない3つの理由を、もう一度、動画でおさらいしてみましょう。