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受験勉強と同じ方法では英語は上達できない!英語を簡単に習得するコツは?

仕事や留学などで英語が必要になったり、海外旅行先でも不自由なく会話を楽しみたい、などという理由から、英語を勉強するぞ!と一念発起しても、なかなか上達しない人が多いのは、なぜでしょうか。

英会話教室のレッスンに通ったり、無料アプリやオンライン英会話などでいろいろな練習法を試したりしているのに…。

その原因に、日本語と英語の言葉の特徴の違いと、学校での英語教育の方法があります。

日本語と英語は言語としての起源も全く異なるため、改めて英語をマスターするためには、勉強の仕方を工夫してあげる必要があります。

また、特に学校で指導される英語の勉強法は、主に受験のための勉強であり、ビジネスや日常英会話における英語力を上達させるものではありません。

ですので、社会人になってからもう一度英語を勉強しようと思ったとき、慣れ親しんだ受験英語と同じ方法で勉強していては、実際に使える英語力を上達させることが難しいのです。

今回は、日本語と英語の言葉の特徴の違いと、学校での英語教育の問題点についてみていきましょう。

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英語と日本語の違い1:文字が違う外国人からみて、日本語は習得が難しい言語の一つ

外国人にとって、日本語は習得が難しい言語の一つ言われています。それはなぜなのでしょうか。

英語のネイティブが日本語を勉強する場合で考えてみましょう。英語がA~Zまでの26文字で構成されているのに対し、日本語はひらがな・カタカタ・漢字といった3種類の文字を組み合せており、その数は膨大です。

まずはこの文字の種類と数の多さが、外国人にとって日本語の理解を難しいものにしているのでしょう。

では、難しいといわれる日本語を自由に操ることができるのに、日本人はなぜ英語の習得に苦労するのでしょうか?

それは、アルファベットとひらがな・カタカタ・漢字の表記方法が違いすぎるからなのです。

表意文字と表音文字の違い

文字にはその性質から2つのグループがあります。日本語と英語の違いに入る前に、まずはこのことをしっかり頭に置いておいてください。

表意文字
文字のひとつひとつが意味を持つもの

表音文字
ひとつひとつの文字が音の要素だけを持ち、個々には意味がないもの

日本語で使う文字は3種類ありますが、①が漢字で、②がひらがな・カタカナになります。

つまり日本語は、表意文字と表音文字の2つを併用する言語といえます。

これに対して英語で使うアルファベットは、ひらがな・カタカナと同じ表音文字、②になります。

アルファベットのみを使う英語は、②の表音文字だけで表現する言語だということです。

つまり、日本語には表意文字があるのに、英語にはそれがありません。ここが2つの言語の大きな違いです。

違いから生まれる習得の壁

表意文字を使って言葉を表現する日本語は、多少読み方が分からなくても、字面からその言葉の意味を推測することができることがあります。

例えば、厚顔無恥(こうがんむち)という熟語の読み方が分からなかったとします。

その場合でも、文字を見れば、厚顔から厚かましそうな感じが、無恥からそれでいて恥知らずな感じが想像できますね。このように、個々の漢字の意味から全体の意味を推測することができます。

しかし英語では表意文字が存在しないため、そうはいきません。

音(発音)がすべてで、音のかたまりで意味を表現する言語であるため、ちょっとした発音の違いで意味が通じなくなってしまいます。例を挙げてみましょう。

例:
タクシーに乗って、theatre(劇場)に行きたいと言ったが通じなかった。

原因:
カタカナをイメージしてシアターと発音したため。theatreの最初の音となるthは、舌の先を上の前歯の裏に軽く当て、歯のすき間からスと息を出さねばなりません。しかしカタカナ発音のでは、sの音となってしまうのです。

日本語には文字の形に意味があり、英語には音(のかたまり)に意味がある。このことが、日本人の発音に対する意識の薄さ、ひいては苦手意識をも生んでいます。

英語は、文字についている音を正確に発声することが重要です。

それなのにカタカナやローマ字読みで英語を覚えてしまうと、日本語を勉強するときと同じように音への意識が薄れてしまいます。結果として、いつまでたっても通じる会話ができないという状況に陥ってしまいます。

日本の学校教育では、未知の単語をスムーズに覚えられるようにと、辞書やテキストにカタカナで発音を表記することが増えました。

そして今までの受験勉強ではスピーキングの力が重要視されていなかったため、多くの学生がカタカナで英語の発音を覚えて発声する傾向にあります。

こういったことが、社会人になっても通じる英会話ができない、改めて勉強し直そうと思っても学生時代と同じ勉強方法では習得が難しい、という壁を作ってしまうのです。

短期間で英会話力を向上させるコツ

今まで無意識に持っていた言語学習における概念を、文字の形=意味から変えること、すなわち英語は音=意味の言語である、という意識を持って、正確な発音を心がけることがとても大切です。

英語と日本語の違い2:音が違う


英語では発音が非常に重要であることがわかりました。では、日本語の音に慣れ親しんでいる日本人が英語の音を正確に発音するためにはどうすればいいのでしょうか?

次は、英語と日本語の違いを、音の違いから考えてみましょう。

日本語は母音で終わる言葉です。例えば語学という言葉をローマ字で書くと、GO・GA・KUと母音で3つの音節に分かれ、個々の音節は子音+母音の構造になっています。

対して英語は、子音で終わる言葉がほとんどです。例えばpenは、子音+母音+子音の構造になっています。

この構造の違いが、音の違いにつながっています。

違い①発声法

先述の通り、言葉が母音で終わる日本語に対し、英語は子音で終わるものがほとんどです。

母音は声帯が震える有声音のためはっきりした音になりますが、子音で終わる無声音は声帯が震えず音素がはっきりしない、フッと息を吐き出したような音になります。

日本語が喉を使う声の音であるのに対し、英語は息を使う風の音なのです。

違い②音のつながり

子音で終わる単語が多い英語では、次にくる単語が母音で始まる場合、前の単語の最後の子音と後ろの単語の最初の母音がつながることが一般的です。

これをリエゾンと言います。このため知っているはずの言葉も別の言葉のように聞こえてしまい、聞き取りが難しくなることがあります。

例えばこんな感じです。
(少々強引にカタカナで発音を表現していますので、あくまで参考例として見てください)

サンク・ユゥ→センキュゥ
Thank you.

グッド・アフタヌーン→グダフタヌーン
Good afternoon.

ゲット・アウト→ゲラウッ!
Get out!

違い③音の高さや速さ

日本語は母音で終わり、英語は子音(息を出す)で終わるものが多いため、声の振動が違い、それが周波数の差となって現れます。

日本語の主音域は低めで比較的ゆったり(はっきり)しているのに対し、英語の主音域は高めで速い(すぐに音が切れる)言語となっています。

違い④アクセント

アクセントとは、1語の音節の間で高低/強弱をつけて発音する部分であり、日本語にも英語にも存在します。

英語は子音である息を出す音で終わることが多いため、息の強弱でアクセントをつけます。一方日本語は、母音で終わる言葉のため音の高低でアクセントをつけます。

違いから生まれる言語習得の壁

①発声法と③音の高さや速さの壁

母音と子音、どちらで終わる言葉が多いかの差が非常に大きく影響します。

比較的低くてはっきりした声の音を聞き慣れている日本人にとって、英語の子音、つまり息の音の音域が聞き取り辛いのは当然でしょう。

日本語の環境に慣れた脳は、母音の低い音域だけを言葉の音として認識し、子音の高い音は雑音と判断して拾おうとしないと考えられています。

脳は使わないと徐々に退化したり、環境に適した状態で機能を固定してしまいます。

これが日本人にとって英語の聞き取りを困難にしている一因と言われています。

②音のつながりの壁

上記の例のように、知っている単語の組み合わせであってもリエゾンによって未知の言葉に聞こえてしまいます。日本語なら、ありがとうございますあざーすになるような感覚でしょうか。

知っている言葉でも音が異なるために、初めて聞いたときにはえ?何て言ったの?と困惑するのに近いと言えます。

このリエゾンは、ネイティブの子ども達でさえも、最初は音から単語を認識出来ないそうです。英語に対しては、日本人の多くの大人が、このネイティブの子ども達と同じ状況にあると言えるでしょう。

④アクセントの壁

日本人は声の高低でアクセントを判断します。つまり、無意識にどこが高い声になるかで意味を聞き分けているのです。

しかし、英語は息の強弱でアクセントを入れるため、音の高低はあまり生じず一定です。

学生時代、リスニングで英語の文章があっという間に耳から通り過ぎてしまい、焦った記憶を持つ人は多いのではないでしょうか。

これは声の高低で意味を聞き分けようとする日本人が、どの音に注目してよいか分らなくなってしまうためなのです。

短期間で英会話力を向上させるコツ

①発声法と③音の高さや速さについては、現状では聞き取れない、もしくは聞き逃しやすい音があることを認識し、リスニングの際には集中して言葉を聞くようにしましょう。

息の音を言葉として探すような聞き方は、脳に今までにない刺激を与えることになり、英語習得にとって大切なプロセスです。

②音のつながりについては、音のバリエーションを理解して習得するには、聞いて話す、読んで書くという過程が必要だということを理解すること。音と文字の繋がりを意識して勉強を進めないと、会話力の向上は難しいでしょう。

④アクセントについては、英語は習うより慣れろと良く言いますが、その通りです。

英語と日本語には聞き方に差がありますし、話す時にもアクセントの位置が1つ違うだけで言葉が通じなかったり意味が異なってしまう場合があります。

単語を覚えるときには、音の高低ではなく、息の強弱の使い分けを意識して覚えるようにしましょう。

英語と日本語の違い3:語順が違う

これは学校で学んでご存知の方も多いと思いますので、簡単に解説します。

どんな違いなのか

日本語には、て・に・を・は等の助詞があるお陰で、語順がどのようになっても同じ意味を伝えることができます。

でも英語は、語順が違うと意味が変わるか通じないことが殆どです。主語と動詞(述語)に着目すると、日本語は文頭に主語、文末に述語がくることが多くあります。誰が・何を・どうした、という順序です。

しかし英語では明確に主語・動詞の順に文章が構成されます。誰が・どうした・何を、の順序になります。

違いから生まれる習得の壁

英語の意味を把握しようとする際、語順を気にしなくても良いことが多い日本人は、個々の単語の意味をきちんと拾ってから全体の意味をつかもうとします。

一方英語を母国語とする人の場合は、語順を重視して前から意味をつかんでいきます。

そのため文章の途中で意味が分からない単語が出てくると、日本人は一旦思考が止まってしまいます。このため、ネイティブとの会話についていけない・理解できないという事態が起こりやすいのです。

短期間で英会話力を向上させるコツ

英語を覚えるときには、まず単語に集中するのではなく、文章表現の一部(フレーズ)として単語を覚えて行く方が効果的です。

またこうする事で、脳の中の日本語の引き出しとは別の場所に、英語の引き出しができあがります。これを続けて行けば、英語で考える英語脳を作ることができます。

受験勉強ではない勉強法のコツ

日本語と英語の言語としての違いやそこからくる習得の壁、壁に対抗して英語力を向上させるコツについて解説しました。

ここでは、慣れ親しんだ受験勉強の方法から脱し、真の英語力向上を目指せる新しい概念とおすすめの勉強法についてご紹介します。

赤ちゃんは言語を勉強しない

英語の知識を増やす=英語力の向上ではありません!

日本語と英語に大きな違いがあるからといって、英語の勉強法が特別というわけではありません。

赤ちゃんが成長して言葉を話したり文章を読んだりできるようになるまで、どのよう方法で言語を習得するのかを想像してみてください。赤ちゃんは文法や単語を勉強したりしませんよね。

私たちは日本語を勉強して習得したという感覚はなく、自然に母国語として慣れ親しみながら話したり書いたりする能力を身につけてきたはずです。

言語習得の自然な流れは以下のようになります。

  1. 聞く
  2. 話す
  3. 読む
  4. 書く

これは全ての言語に共通する流れで、英語だから特別というわけではありません。

でもやはり、読んだり書いたりする時点で、英語の知識を頭に詰め込むことが必要なのでは?と思うかも知れません。

残念ながら、英文法や語彙を一生懸命に覚えるような受験勉強と同じ方法では、知識は増えても英語が上達したことにはならないのです。

学生時代にどんなにテストの成績が良くても、英語を話せない人が多いのは、知識があっても活用できていない証拠です。また頭が良いからといって英語ができるわけでもありません。

英語の知識を増やす=英語力の向上、という概念は捨て去りましょう。

学校の勉強法では英語運用に直結できない

勉強法の間違い1:英文法

本来の言語を習得する土台ができあがっていない状態のまま、過去の勉強法を踏襲してどれだけ頑張っても、時間と労力がかかるばかりで英語力向上は期待できません。

日本の学校では、英語の授業でまず文法を教えますが、英語の上達のために英文法を勉強する必要はありません。その理由を理解するために、次のことを考えてみてください。

  • 私たち日本人は日本語の文法を外国人に説明できますか?
  • 日本語の文法を詳しく知っていますか?
  • 日本語の文法について、どのくらい勉強しましたか?
  • 日本語で話している時に、日本語の文法が頭に浮かびますか?

日本語講師や言語学者などの専門家でもない限り、ほとんどの人がこれらのことを説明できないでしょう。

前述したとおり、赤ちゃんは文法を勉強しなくても、成長と共にしっかりと母国語を習得していきます。

この言語習得における基礎として、英文法の授業で登場するSVO=主語・動詞・目的語という用語や、受動態や前置詞などの英作文の仕組みを覚えるのではなく、語順感覚を身につければよいのです。

つまり、文法を学ぶ前に語順感覚を身につけることが大切なのです。このことを、次の例文で検証してみましょう。

I ate lunch at my desk because I had no time today.
今日は時間がなかったので自分のデスクでランチを食べました。

英語はまず、私は食べたという結論から述べるのに対し、日本語では最後の単語まで読まないと食べたのか食べなかったのかがわかりません。

日本語は、時間がなくて・デスクで・ランチをという修飾的な周りの情報から徐々に結論に近づくという語順ですが、英語は中心となる事実をまず先に述べるというまったく違う語順です。

日本語と英語の順番は逆なので最初は戸惑うかもしれません。

しかし語順を自由に変えられる日本語と違い、英語の語順はほぼ決まっています。英語の語順はシンプルで明確なので、語順感覚をきちんと身につけておけば、今までなかなか進まなかった英文法のマスターも効率良くできるようになりますよ。

勉強法の間違い2:聞き流し法

英語は絶対に聞き流してはいけません。

最近の英語教材の広告で、聞き流すだけでリスニング力がアップ!〇〇日で口から自然に英語がでてくる!といった内容をよく見かけます。通勤や通学の合間に聞くだけで簡単に英語が上達できたら、確かに嬉しいですよね。

ところが体験者には、ほとんど効果がなかったと感じている人も多いようです。それはなぜでしょうか。

実際、長い期間聞き流していると、少しは上達してリスニング力がアップした気がします。でもそれは、初級レベルでは中学校で習った単語が多く出てくるため、なんとなく聞き取れた気持ちになるからです。

内容を理解しないで中級・上級コースに進むと、途端に挫折してしまいます。聞いたことがない・知らない単語が多く出てくるので、聞くのと並行して意味をつかむことができず、英語が雑音にしか聞こえなくなってしまうのです。

また、話すというアウトプットがない限り、口からすらすらと自然に英語がでてくるということはありません。

勉強法の間違い3:サイレント・ピリオドがない

学校の授業や英会話スクールでは、インプット(聞く)とアウトプット(話す)を同時に行うのが普通です。

しかし、赤ちゃんが生まれてから言葉を話すまでには、しゃべらない期間が存在します。これを言語学ではサイレント・ピリオドと言います。

一定のインプットをする期間=言葉を発しない期間(サイレント・ピリオド)を経て、自然に話し始める(アウトプット)のが言語習得の自然な流れなのです。

赤ちゃんはこの沈黙の期間に、周りの大人の会話や自分に向けられる言葉をじっと聞いています。

つまり、英語を習得する際もインプット(英語を聞く)→サイレント・ピリオド→アウトプット(英語を話す)という過程が必ず必要になります。

インプットの期間が十分でない内にアウトプットを繰り返しても、英語は上達しません。サイレント・ピリオドの重要性を認識し、言語習得の自然な工程を経ることにより英語ができる人になるのです。

短期間で英語力を向上させるコツ:英語をイメージでとらえる

学校での勉強法に慣れてしまった日本人は、英語の文字をすぐに和訳する癖がついています。

日本語は文字情報からその意味を想像することができますが、アルファベットの配列である英単語からはそれが出来ないため、自分で頭の中でイメージ化(映像化)することが重要になります。

例えば、I’m tired.という英語を聞いた時、すぐに和訳せずに、ソファーに横たわってぐったりしている様子などと、自分なりの疲れた状態のイメージ映像を思い浮かべるのです

この英語をイメージ化する意識付けが、英語を聞いたとき徐々に英語を英語として理解できるようになる重要なコツです。

まとめ

これまでの英語の勉強法が、本来の言語習得の流れに反した間違ったものであることがおわかりいただけたでしょうか。

スポーツや楽器の演奏でも、基礎ができていなければ、いくら一生懸命練習しても、かけた時間や労力と上達スピードが上手くリンクしません。

逆に基礎をしっかり学んで固めておけば、練習したことを加速度的に身につけることができます。

英語を習得するための一番の近道は、まず言語習得の流れに沿って英語の基礎を作ること。そして、英語の言語的要素を理解した上で繰り返し試してみることです。

アウトプットをするときは、間違える心配なんかせず、どんどん書いてしゃべって実践していきましょうね!失敗から学べることが何よりも大きいのです。

効果のある正しい英語の勉強法を実践し、楽しく上達できるようにしましょう。







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1件のコメントがあります

  1. 荒木桂子

    公民館の英会話教室から始めて20年近くになります。家庭の事情により本日付で辞めざるを
    得なくなり、この日にこの講座に出会えたことに感謝です。
     コメント全てに納得です。アウトプットも無意識に出来るようになりましたが、この状態を維持したくて申込みました。よろしくお願いいたします