「改善する」は英語で何と言う?改善活動に役立つ関連表現と使える例文
ビジネスシーンでは改善に関する話題が度々出ますが、実はカイゼンという日本語が海外でも使われていることをご存知ですか?
今回の記事は改善するがテーマです。あらゆる改善活動に役立つ関連表現と使える例文をご紹介します。
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「改善する」は英語で何?類語は?読み方も
改善するという場合、英語ではどのような単語を使えばいいのでしょうか。
まず、よく使われる英語表現を見ていきすよ。
①improve
改善するはimproveと習った方も多いのではないでしょうか。
improveは実際によく使われる単語で、悪い箇所を改善する場合だけでなく、より良く改善するという場合にも使うことができます。発音記号はɪmprúːvで、カタカナ表記するとインプルゥーヴとなります。
improve
②enhance
improve同様、enhanceも物事をより良くするという場合に使われます。さらに高める、より魅力的にするといったニュアンスで使われる単語です。
発音記号はinhǽns、またはinhɑ’ːnsで、前者の発音はインハァンス、後者の場合はインハァーンスが近いです。
enhance
③refine
refineも改善するという意味で使います。新たに、再びといった意味を持つ接頭辞re-と、すばらしい、見事なという意味のfineを合成したものと考えると覚えやすいでしょう。もっとすばらしいものにするのですから、改善の意味になるわけですね。
日本語でいうリファインは、洗練するという意味で使われます。
refineの発音記号はrifáinです。カタカナで表記するとリィファィンが近く、最後のンは軽い発声で、ヌに近い発音になります。
refine
④brush up
より良くするという意味で使われるフレーズにはbrush upもあります。
brushとは、ブラシをかけるという意味です。ブラシをかけてさらに磨きをかけるわけですね。カタカナ表記のブラッシュアップは日本語でも見聞きすることが増えてきました。
brush up
ビジネス用語PDCAは何の略?改善はact
ビジネス用語にPDCAという言葉がありますが、何の略かご存知でしょうか。
実はこれ、Plan Do Check Actの頭文字を取ったものなんです。
アメリカの物理学者ウォルター・シューハート博士と統計学者エドワーズ・デミング博士によって提唱された理論で、計画(Plan)・実行(Do)・点検(Check)・改善(Act)を継続しておこなうことでマネジメントの品質を高めようというものです。
この場合、改善という意味でactが使われています。
製造業界では海外でもkaizenで通じることも
Tsunami(津波)やNinja(忍者)のように海外で通じる日本語はいくつかありますが、改善もそのままkaizenで通じる場合があります。kaizenは主に製造業界で使われているのですが、海外でも通用するようになったきっかけは、日本企業のトヨタです。
製造業界の企業は世界各地に工場を建設し、現地の人材を多く雇用してきましたが、国や言葉が違う従業員に日本国内の工場同様に作業してもらうためには企業の考え方やシステムを理解してもらうことが大切でした。円滑な工場管理のために管理者たちは工夫を凝らして指導をおこなう必要があったのです。
中でもトヨタ自動車株式会社が確立した生産管理における理念や運用方式は、Toyota Production System(トヨタ生産方式)、略称TPSとして知られています。
そのTPSの中心となる考え方として掲げられたのがKaizenでした。
英語にもimproveをはじめ、同様の意味を持つ単語はありましたが、製造現場で継続的におこなう具体的な活動や戦略を表す言葉として、日本語のKaizenはそのまま使われるようになりました。
kaizenは英語化しているため、名詞で使う際、複数形ではkaizensとsがつき、動詞で使う際は現在分詞kaizening、過去分詞kaizenedと変化します。
もっとも主に工場生産の場で使われてきた言葉なので、製造業界にいなければ聞いたことがないというケースも珍しくありません。専門分野を対象とした言葉だけにプライベートでの使用は避けた方がいいかもしれませんね。
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改善活動に役立つ関連表現
ビジネスシーンで使用される言葉の多くは専門性が高いため、とっさに英語表現が思いつかないことも少なくありません。ここではビジネスの改善活動に役立つ表現を例文をもとにご紹介します。
1.改善とは、より効率的に、より速く、またはより正確に仕事をするために手段を継続的に変えていくことを意味します。
“Kaizen” describes a continuously changing process to streamline work while also improving the speed and accuracy of tasks.
この例文では日常英会話であまり見かけない単語がいくつか使われています。streamlineには、~を流線形にする、~を合理化する、~を能率的にするといった意味があります。日本語でもストリームラインという言葉を見たことがあるかもしれません。accuracyは名詞で、正確さ、的確さを表します。
2.この工程を止めることで大幅にスピード改善ができるはずです。
We should be able to improve speed widely by removing these processes.
improve speedという表現から、作業速度が話題であることがわかります。widelyは大幅にです。ワイドといえば日本でもおなじみの言葉ですね。
3.手作業をやめることで処理時間を1分45秒減らしました。
We reduced the processing time by 1 minute and 45 seconds by stopping manual labor.
processing timeとあるので、処理時間が話題であることがわかります。reduceは減らす、減少させるという意味です。manualとは手作業を意味します。日本語でも操作が手動変速式の車をマニュアル車といいますよね。
4.業務効率化によって、生産性が7%アップし、1ヶ月50,000円の無駄なコストを削減できた。
As a result of improving efficiency, we were able to increase productivity by 7% and cut wasted costs by 50,000 yen per month.
こちらも日常英会話ではあまり出てこない単語がいくつか使われています。
efficiencyは能率や効率を意味し、resultは結果という意味です。increaseは増える、増加する、そしてproductivityは生産性を意味します。wastedは動詞wasteの過去分詞で、浪費する、むだにするという意味があります。
per monthは1カ月につき、1カ月ごとに、という意味です。perはビジネスシーンでは便利に使える前置詞なので覚えておきましょう。per weekといえば週ごとに、 per manは一人当たりといった意味になります。
5.先日展示会で見た新しい機械を使用することで正確性を上げられるかもしれません。
We may be able to improve accuracy by using a new machine that I saw on exhibition the other day.
accuracyは先にご紹介したとおり、正確さを意味します。exhibitionは展覧会や展示会のことです。the other dayは先日、この間といった意味になります。
today(今日)やyesterday(昨日)はすぐに思いついても、先日は何だっけ?と考え込んでしまうことは多いのではないでしょうか。the other dayは結構使うので覚えておきましょう。
改善を含む使える英語例文
改善に関する英語表現はほかにもいろいろあります。
改善を含む、使える英語例文をいくつか見てみましょう。
1.漢方薬は父の健康改善に役立った。
Chinese medicine helped improve my father’s health.
improveは健康改善と言う際にも使えます。漢方薬はChinese medicine。中国の薬というわけですね。a herbal medicineともいいます。herbalは薬草の、という意味の形容詞です。
2.会社のイメージを向上させるために、社内規則を改訂した。
We revised our internal rules for enhancing a company’s image.
enhance a company’s imageで、企業イメージを高めるという意味になります。
reviseは改訂する,訂正する、internal rulesは社内規則です。internalは内部の、rulesはルールの複数形で、社内のルールというわけですね。
3.結婚式の余興で披露する友人のダンスが洗練されてきた。
My friend has refined his dance for the wedding performance.
この例文ではrefineが使われています。ダンスがより良くなってきたというわけで、洗練されてきたという和訳になっています。
4.新しいビジネスをはじめるためアメリカに行くので、英語に磨きをかけなければならない。
I need to brush up on my English because I will go to USA to start a new business.
brush upを使った例文です。アメリカでの新ビジネスのために英語をもっと上達させる必要があるというわけですね。
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まとめ
ビジネス英語では専門性の高い言葉が数多く飛び交います。
そのため中学校や高等学校などの学校教育で習った英単語では間に合わないことも珍しくありません。
ビジネスに関する情報や専門知識を身につけると同時に、それぞれの言葉の英語表現もわからないものはWeb辞書で検索し、意識してマスターしていくと、少しずつ語彙を増やすことができるでしょう。
英和辞典や和英辞典をはじめ、英日専門用語集や英和専門語辞典、法令用語日英標準対訳辞書なども参考に、英語表現をチェックしておくのがおすすめですよ。辞書に表示されているものの中で使えそうな表現はあらかじめピックアップして例文帳を作っておけば、いざ翻訳が必要な時などに役立ちます。
日英対訳ニュースも専門用語の英語表現に慣れるにはもってこいです。メールマガジン登録をするなどして、専門ジャンルの英訳に接する機会をもうけましょう。
丸暗記できれば、それに越したことはありませんが、なかなか覚えられない時は意味を考えたり、何かと関連付けて覚えたりすることで記憶に残りやすくなります。
わからないところがあったら、英語関連のサイトで調べたり、参考書の解説を読んだり、英会話教室の指導者に質問したりして、できるだけ早い段階での解消を心がけましょう。
最近はオンライン学習ツールも充実しているので、初めての英語学習者でも自分に合った教材や勉強方法を見つけられるはずです。まずは英語学習ができる無料アプリからはじめてみるのもよいでしょう。
このページで紹介した、カイゼンを世界に広めたトヨタ生産方式のように、何事も継続して繰り返しおこなうことはとても大切です。英語の勉強も同じです。
なかなか覚えられなくても、何度も見聞きすることで次第に記憶は定着していくもの。
英語に接する機会を増やして表現力のブラッシュアップに挑戦していきましょう!