「I don’t know」だけはネイティブに失礼?「わからない」を丁寧に伝える18個の英語表現
あなたは英語で話をしていて、相手から質問をされたとき、その答えが「わからない」場合はどのように「わからない」と表現していますか?
おそらくそれは、
”I don’t know”
という言葉ではないでしょうか?
この言葉は誰しもが学校で習ったことがあると思います。
英語を習いたてで、英会話に挑戦しているときは、相手の言っていることが分からなかった場合や、思ったことを英語で伝えられないときに、ついついこの”I don’t know”を使ってしまいますよね。
特に日本人にとって、英語で会話をしている最中は”I don’t know”の連発ですし、そもそも、日常的な会話で相手に対する答えが分からない事は、よくあることだと思います。
また、”I don’t know”と同じぐらい使われているのが、これもまた学校で教わった、
“I don’t understand”
ではないでしょうか?
この2つのフレーズはもちろん同じ意味です。
しかし、実はこのように私たちが習っていた英語は文法的には正解でも、実際には失礼な英語表現になってしまうケースもよくあります。
この2つのフレーズだけでは微妙なニュアンスの違いを伝えることは難しいのです。
そこで今回は「わからない」のさまざまなフレーズをシチュエーションに分けてご紹介していきます。
シチュエーションに合わせた丁寧な英語表現をマスターしてよりスムーズでワンランク上の英会話を楽しめるようになりましょう。
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そもそもなぜ”I don’t know”は失礼にあたるのか?
まず、上記でも説明したように、定番フレーズである”I don’t know”はなぜ失礼な英語表現になってしまう場合もあるかという事を説明していきます。
例えば、
・すみません。どうやって品川に行くか教えてくれませんか?
Excuse me, could you tell me how to get Shinagawa?
・知らないです
I don’t know.
このように、街中で外国人に目的地への行き方を尋ねられたとします。
しかし自分でもその行き方が分からず、”I don’t know”と返事をしたとします。
一見なんの問題もないような会話ですが、一体相手にはどんな印象を与えてしまうのでしょうか?
もちろん、発音や言い方にもよるのですが、この”I don’t know”は日本語で言う「知るかよ」「そんなこと知るか」というような少し攻撃的な素っ気ない言い方になってしまい、どうやらネイティブスピーカーにとっては不愉快に聞こえてしまうようなのです。
悪気はないのに、相手に不愉快に思われて、嫌な印象を与えてしまうのでは悲しいですよね。
友人同士や家族などカジュアルな会話の中でなら問題はありませんが、特に初対面の人や目上の相手に対してはこの”I don’t know”は危険にあたります。
では、「わからない」と丁寧に、状況に合わせて伝えるにはどうすれば良いのでしょうか?
シンプルで簡単に使える失礼のない「わからない」とは
先程も説明した通り、”I don’t know”や”I don’t understand”だけで返事をしてしまうと、ネイティブスピーカーにとっては不愉快に捉えられていてしまいます。
どうしても言葉がうまく見つからず、”I don’t know”や”I don’t understand”以外の言葉が浮かばないときは、
その前に”I’m sorry ~”
や”I’m afraid ~”
を付け足すようにしましょう。
・すみませんが知りません
I’m sorry I don’t know
・残念ながらわからないです
I’m afraid I don’t know
こうすることで、「知るか」というニュアンスが「すみませんが知りません」や「残念ながら分かりません」という少し柔らかい印象に代わり、失礼なく伝えることができるのです。
相手の言うことに対して、「わからない」と思ったとき
単純に相手の言うことに対しての答えが「わからない・把握していない」ときは、何が分からないのかと明確に伝えることが大切。
その伝え方としては、いつも使う”I don’t know”に疑問詞を足して、対象をしっかり特定させたフレーズを作ってあげるのです。そうすることで、とても分かりやすく伝えることができます。
例えば、
・彼女がどこに行ったかわかりません。
I don’t know where she went.
・いつ彼が戻ってくるかわかりません。
I don’t know when he will be back.
・理由は知りません。
I don’t know why.
このように、”I don’t know”のあとに何が分からないのかしっかり説明できています。
また、会話をしていて相手の単語やフレーズを聞き取れず、その言葉自体が分からないときってありますよね。これは、英語が初心者の方から上級者の方まで問わずよくあることです。
では、もし相手の言った単語そのものが聞き取れなかった場合、聞き取れたとしてもその言葉自体を知らなかった場合はどうしますか?
そんなときも “I don’t know” のあとに少しフレーズを付け足し、別の言い回しを使うことで対応できるのです。
・あなたがたった今言った言葉を知りません・わかりません
I don’t know the word you just told me.
このようにフレーズを付け足すことで「知るか」という表現ではなくなり、何に対して分からないかをしっかり伝えることができるのです。
ちなみに、”I don’t understand〜” は単語の意味がわからないときよりも、文章を理解できなかったときに使うほうが正解となります。
“understand”は「理解する」という動詞になりますが、これを否定形として使う場合は、言語として相手の言っていることは分かるけど、まとまりがない内容だったり、うまく理解できなかったときに、“I don’t understand〜” という表現にして伝えることができます。
例えば、
・なんで彼女は分かりやすい言い訳をし続けるのでしょうか?
わからないよ
Why does she keep making an obvious excuse?
I don’t understand it.
・君が何を言おうとしているか、わからない
I don’t understand what you’re trying to say.
このように理解できないことに対して活用するととてもシンプルで伝わりやすいのです。
では相手の言うことが理解できたとして、その質問に英語でどうやって返したら良いかわからないときの表現方法はどうでしょうか?
こちらも英語を勉強したての人や会話に慣れていない人は多く起こりうる状況なのではないかと思います。
こちらも “I don’t know” にフレーズを付け足すことで上手に対応できます。
例えば、
・英語でなんて言っていいかわかりません
I don’t know what to say in English.
・英語でどうやって説明したらいいかわかりません
I don’t know how to explain it in English.
“I don’t know”と “I don’t understand〜”の後に言葉を付け足せば良いだけなのでとても分かりやすく便利ですよね。
どの状況でも理解できないとき、把握していないとき、その言葉自体か分からないとき、聞き取れなかった時は必ず「わからない」の対象となる事を付け足し説明していくことが基本となります。
区別が付かず、どちらかわからないとき
では次に、「どっちがどっちか分からない」ときにはどのように表現すれば良いのでしょうか?
状況としては、例えば同じ色、同じ種類のペンがあってどちらが自分のか分からないときや、双子の姉妹の区別がつかないときなどです。
例えばここで “I don’t know~” と言えなくもありませんが、これだと「区別が付かない」というニュアンスは含まれず、「~のこと自体を知らない」と捉えられてしまいます。
「区別が付かない」ときは、 “tell”
を使って「わからない」を表現すると良いでしょう。
“tell” といえば「話す・教える・伝える」といった意味を持ちますが、それ以外にも実は「わかる・判断できる」といった意味を持っているのです。
・私にはどっちがどっちかわからない
I can’t tell which is which.
・私にはどちらがKevinかわからない
I can’t tell which Kevin is.
“I can’t tell~”の意味としては「分からない・判断できない」という”I don’t know~”と同じ意味を持っていますが、使い分けるポイントとしては、「複数のもの・事に対して区別がつかないこと」に対してこの“I can’t tell~”を活用してあげると、ワンランク上の英会話になりますね。
多少は知っているけど、自信がない時
自分の答えや発言に自信がないとき、正確には分からないときには
”I’m not sure.“
という言葉を活用すると良いでしょう。
この”I’m not sure.“自体は「確信がない」という意味合いになりますので、”I don’t know~”のような純粋に「知らない」という意味よりは知っている状況にあるということが分かります。
・なんで彼女仕事辞めたか知っている?
Do you know why she quit her job?
→なんだろうね、でも誰かが言っていたけれど、彼女は心の病にかかっていたらしいよ。
I’m not sure, but someone told me that she has a mental disorder.
このように言い方にもよりますが、I’m not sure.は、断言を避けつつも「ちゃんと考えている」という印象を与えられるので、あまり失礼にあたりません。
もちろんI don’t know.と同様に、こんな言い換えができます。
・これが正しいかは定かではない。
I’m not sure if this is right.
・なんで彼が僕にあんなことを言ったかわからないよ。
I’m not sure why he said that to me.
・何時に彼が姿を現したかはわかりません。
I’m not sure what time he showed up.
覚えてしまえばとても便利ですよね。
まとめ
“I don’t know” や “I don’t understand” の後に付ける言葉の工夫、状況や確信の度合いに合わせた伝え方、いろんな「わからない」の言葉が出てきたと思います。
日本語から逐語的に考えて英語を使ってしまうと、そこに隠れた微妙なニュアンスを掴むことができません。
失礼な英語を気づかないうちに使ってしまっていて相手を不愉快にさせてしまうのは避けたいところですよね。
最初は判断に難しくなってしまうのではないかと思いますが、きっとよりスムーズなコミュニケーションが取れるようになりますので、ぜひ今回紹介した「わからない」の使い方を活用してみてください。
英語での会話も実践あるのみです。
ぜひ”I don’t know” や “I don’t understand”ではなくさらに優しく伝わりやすい表現を習得し、会話をさらに楽しんでいければ、相手とのさらに良いコミュニケーションにつながるのではないかと思います。