書籍レビュー：イラストでわかる！ネイティブの句動詞 (アスク出版)
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『イラストでわかる！ネイティブの句動詞 (アスク出版)』は、カジュアルで気持ちを伝えやすい句動詞表現を、短期間でストレスなくマスターするためのガイドブックです。
生き生きした句動詞を身に着けて会話の幅をもっと広げたい人、なんとなく句動詞に苦手意識を持っている人、ネイティブの語感や発想を一早く理解したい人は必見です。
そもそも「句動詞」とは、「動詞＋前置詞・副詞」がセットの句になって1つの動詞のように使われているもので「Phrasal verb」と言います。
シンプルな単語の組み合わせなので、一見覚えやすそうですが、フォーマルで難解な一般動詞よりも暗記に苦労するのはなぜでしょうか？
それは、恐らくそのシンプルさゆえに、あらかじめ前置詞や副詞のコアイメージをしっかり掴んでおかないと、フレーズ全体の意味がちんぷんかんぷんになってしまうせいかもしれません。
そんな訳でちょっと厄介な句動詞ですが、ひとたび前置詞・副詞のコアイメージをマスターしてしまえば、頭をひねらなくても自然な英語が口から飛び出すようになります。
もちろん、既に知っている基本動詞のパワーを最大限活用して句動詞を作るので、毎日忙しい社会人も学生も、労力の無駄なく短期間で英語の表現力を磨き上げることができます。
まずPart1「整理して覚える最重要動詞23」では、31の前置詞・副詞のイメージと350のフレーズが非常に分かりやすいイラストで表現されています。
複数の意味を持つ句動詞についても、それぞれ親しみやすいイラストがついているので、細かいところまで至れり尽せりの仕様です。
また、一対のダイアローグが添えられているので、句動詞が実際の会話でどのように使われるのか、リアルに理解することができるでしょう。
【例 Part1】
break：何らかの形で「壊す」「折る」「割る」「破れる」など、力を加えて1つだった物を複数の物にバラバラにするイメージが強い。
break down
「壊して＋動かなくなる・止まる」
⇒車が故障する、交渉が決裂する、泣き崩れる
break in
「壊して+入る」
⇒押し入る、（話に）割り込む、（靴や服）を慣らす
break into
「壊して+入る」
⇒押し入る、突然始める
break off
「壊して+止まる」
⇒（話を）中断する・中止する、関係を破棄する
breakout
「壊して+外に出る」
⇒（突然）発生する・勃発する、（肌に発疹・しみや汗が）出る
break up
「壊して+終わる」
⇒関係を終える、（争い等を）止める
次にPart2「会話に頻出重要句動詞AtoZ」では、英会話の即戦力になる句動詞フレーズがアルファベット順に掲載されています。
また、Part3「前置詞・副詞別500フレーズ」では、Part1とPart2の500フレーズを前置詞別・副詞別に列挙しているので、頭の中を整理するのに大変役立ちます。
【例 Part2】
account for
説明する
act as
～の務めを果たす
act on
～に従って行動する
add up to
合計～になる
aim at
ターゲットにする
allow for
考慮する
amount to
～になる、意味する
appeal to
訴える
apply to
適用する
ask for
求める、依頼する
ask out
（デート等に）誘う
【例 Part3】
about：「話題の中心のすぐそば」というイメージ⇒その話題に密着して「～について」、その中心の範囲を「あちこち」、その中心の値に近いので「およそ～」というニュアンス。
bring about a change
変化をもたらす
come about by accident
偶然に起こる
set about laying the tables
テーブルを置き始める
hear about her mother’s death
彼女の母親が亡くなったことを耳にする
ネイティブは句動詞を巧みに用いて話しているので、彼らがどのような感覚で動詞・前置詞・副詞を捉えているのが分かれば、おのずとナチュラルな会話ができるようになります。
句動詞学習の利点は、1つの動詞を軸にして表現の幅が一気に何倍にも増えることです。
近ごろ英語学習に疲れてしまって諦めかけている人でも、本書をめくれば、モチベーションが上がること間違いありません。
動詞と前置詞・副詞の二方向からのアプローチによって、さまざまな場面で使えるフレーズがするすると頭に入ります。
日々の雑事の合間に、通勤・通学電車のひとときに、一日たったの15分～20分の時間を割くだけで絶大な効果があります。
思い立ったが吉日、あれこれ迷わずに、ピンときたら今すぐに始めましょう。
『イラストでわかる！ネイティブの句動詞 (アスク出版)』は、これから英語学習を始めようと思っている方には最高の師匠となり、試験はできるけれども実はカジュアルな英語表現は苦手という方には頼れる相棒となるでしょう。