won’tの意味はdon’tと違う!wantとの発音の違いもチェック
海外ドラマや洋楽の歌詞によく登場するwon’t。
中学英語でwill notの短縮形と習ったのを覚えている方も多いでしょう。
willだから未来形と思いがちですが、それ以外の場面でも使われるので注意が必要です。
今回の記事では、won’tとdon’tの違いと、あわせてwantとの発音の違いなどもご紹介します。
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wantやwonと違う!won’tの発音
日常英会話でwon’tだと思って聞いていた単語が実はwantだった、またwonだと思っていたらwon’tだったということがよくあります。まずは日本人泣かせの発音の違いを押さえておきましょう。
wantとの違い
wantは動詞で~がほしいという意味の英単語です。
won’tとwantは、どちらもカタカナ表記はウォントとなるだけに聞き分けるのは大変ですが、間違えてしまうと意味が全く違ってしまいます。
はじめに、発音記号を見ながら音声を聞き比べてみましょう。
won’t〔wóʊnt〕
want〔wάnt〕
発音記号を見てもわかりますが、won’tは母音が2つある二重母音であるのに対し、wantは1つだけです。音声でもwon’tはオウと聞こえるのに対し、wantは1音で聞こえたはずです。
母音の違いを意識しながら繰り返し聞いてみてくださいね。
wontとの違い
won’tと発音もスペルも似ている単語にはもう一つ、wontがあります。
やや古風な単語なので使う機会はあまりないと思いますが、ネイティブとの会話で出てこないとも限りません。こういう単語があることを覚えておいて損はないでしょう。
wontは形容詞で~し慣れて、~を常としてという意味で、be wont to doの形で使われます。名詞では習慣・風習という意味です。
こちらも発音記号と音声をwon’tと比べてみましょう。
won’t〔wóʊnt〕
wont〔wˈɔːnt〕
母音の数が違うのが聞き分けられるでしょう。wontは単母音を伸ばす発音です。
あまり出てこないと思いますが、発音が単調だなぁと思ったらwontかもしれないと疑ってみてくださいね。
wonとの違い
won’tと紛らわしい単語がもう一つあります。それがwinの過去形wonです。
winは勝つという意味の動詞です。過去形のwonの音声もwon’tと聞き比べてみましょう。
won’t〔wóʊnt〕
won〔wˈʌn〕
あれ?と思った人も多いのではないでしょうか。実際に聞いてみるとあまり似ていないですよね。
なぜwonがwon’tと間違われやすいのかというと、wonをウォンと発音すると思い込んでいる人が多いからなんです。
実際の発音はカタカナ表記ならワンが近いです。正しい発音を理解しておけば、won’tが出てきた時にwonと間違うことはなくなります。
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助動詞willの意味とwon’tの使い方と例文
助動詞willは学校英語でも早い段階で習うため、覚えている方は多いでしょう。
willといえば未来形ですが、その用法には大きく分けて、自然未来(単純未来)、意思未来、依頼、推量の4つがあります。
ここでは助動詞willの意味と、あわせてwon’tの使い方を例文を交えてご紹介します。
自然未来(単純未来)のwill
時間経過とともに未来の時間軸で起こるであろうことを表すのが、自然未来あるいは単純未来のwillです。
Tomorrow will be Sunday.といった、ごく単純な未来ですね。
未来形のwillというと、このイメージを思い浮かべる人は多いでしょう。逆にこれ以外の使い方はなかなかピンと来ないかもしれません。
それでは、他の3つの用法についても見てみましょう。
意志未来のwill
willには名詞の意味もあるのですが、どんな意味かご存じですか?
答えは意志です。もともとwillという単語は意志という基本イメージを持つ言葉なのです。
それがなぜ未来を表すようになったかといえば、意思決定したことが実行されるのは常に未来だからです。それが意志未来のwillで、意図や意欲を表す用法ということになります。
たとえばI will go there.の場合、そこへ行く意思があるわけで、日本語では~するつもりだと訳されます。
依頼のwill
willの基本イメージは意志だと説明しましたが、他人の意志を問う場合にもwillは使われます。
単純に相手の未来の予定を尋ねる場合もありますが、何かをしてほしいという場合もあります。日本語でいえば、~してくれるつもりはありますか?といった尋ね方です。
それは言い換えると、~してくれませんか?というお願いです。つまり依頼のwillとなるわけです。
推量のwill
自分の意志は決定でき、相手の意志は確認できます。では、その場にいない第三者の意志はどうなるでしょう?
直接問うことはできませんから、~なんじゃないかなと想像することになります。これが推量のwillです。
第三者の意志は推量によって語られるわけですね。
won’tにするとwillの意味の否定
won’tは最初に述べた通り、willの否定の短縮形です。won’tの意味も当然、willの意味の否定となります。
まずは下の例文を見てみましょう。
明日は雨は降らないだろう。
It won’t rain tomorrow.
天気に関することなので、自然未来(単純未来)のwillの否定形ですね。これはわかりやすいでしょう。では次の例文です。
きみが走らないなら、公園へ連れて行かないよ。
If you won’t run, I won’t take you to the park.
この例文を理解する上で一つ思い出していただきたいのが、副詞節の時制です。
副詞節では未来のことでもwillを使わずに現在形を使うと習ったと思います。
だとしたら、副詞節であるif節ではwon’tではなく、you don’t runとなるはずです。
しかし、この例文ではyou won’t runとなっています。これは一体なぜでしょう?
実は、副詞節で使えないwillというのは、自然未来(単純未来)のwillだけなのです。
先の例文のように天気に関することなら自然未来なのでwon’tは使えず、If it isn’t rain tomorrow,となります。
If you won’t run,の場合は、あなたは走るつもりがあるという意思未来のwillです。なのでwon’tが使えるのです。
willは用法によってif節で使えたり使えなかったりします。4つの用法があることをぜひ覚えておいてくださいね。
強い拒絶を表す場合も
won’tの使い方としてもう一つ覚えておきたいのが強い拒絶を表す用法です。
まずは例文を見てみましょう。
あの金庫どうしても開かないんだ。
That safety box won’t open.
この例文の大きなポイントは、そもそも未来の話ではないという点です。金庫が開かないだろうと推測しているのではなく、現時点ですでに開かない状況にあることを表しています。
金庫は物ですが、絶対開いてやるもんかといった金庫の断固たる意志があると考えるとわかりやすいかもしれません。
強い拒絶としてwillの否定形won’tが使われるのは、willの基本イメージが意志だからだと考えましょう。
日本人にとっては未来のイメージが強いwillですが、それに囚われると強い拒絶のwon’tを理解できなくなってしまいます。未来だけでなく意志のイメージがあることも意識しておきましょう。
ちなみにsafety boxは直訳すると安全な箱という意味で、金庫を表す際に使います。safetyのカタカナ表記であるセーフティは日本語でも安全という意味でお馴染みですね。
won’tとdon’tの違い
won’tは未来形以外でも使われると説明しましたが、そうなるとwon’tとdon’tの違いが気になるところです。
下の2つの例文を見てみましょう。
I don’t cry.
I won’t cry.
どちらも直訳すれば「私は泣かない」です。
don’tの場合は一種の自己紹介のようなもので、私は泣かない人間ですよという意味になります。泣いたりするようなメンタルの人間じゃないよといっているわけです。
これに対し、won’tの場合は個人の意志が含まれてきます。泣いたりなんかしないぞという強い拒絶で、たいてい何らかの条件が存在します。たとえばみんなは泣くかもしれないけれど自分は泣いたりしないぞといった条件です。
don’tだと常に泣かない自分を表しますが、won’tだと普段はどうあれ特定の場面では絶対泣かないと言っていることになります。
ニュアンスの違いを含ませて和訳すると、以下のようになるでしょう。
私は泣くような人間じゃないよ。
I don’t cry.
泣いたりなんかしないぞ。
I won’t cry.
否定疑問文のwon’t
won’tは疑問文でも使われます。ここでは否定疑問文のwon’tについて説明します。
will you~?とwon’t you~?の違い
willの疑問文の否定がwon’tの疑問文ですが、どのようなニュアンスの違いがあるのでしょうか。
2つの例文を比べてみましょう。
私と一緒にいてくれる?
Will you stay with me?
私と一緒にいてくれないの?
Won’t you stay with me?
和訳ですでにニュアンスの違いに気づいた方もいると思いますが、willだとストレートなお願いになるのに対し、won’tになるとお願いする側の気持ちが強く滲んだ表現になります。
一緒にいてほしいという欲求を垣間見せながら探りを入れるニュアンスを出すこともできるのです。
恋の歌や恋愛ドラマのセリフにwon’tがよく登場するのも、このニュアンスゆえと考えるとわかりやすいかもしれませんね。
相手にお願いしたいことがたくさんあるのに、断られるのが怖くて、ストレートにお願いできないという言葉にできない恋心を匂わすこともできるのです。
恋する気持ちを扱った例文も見ておきましょう。
結婚してくれるよね?
Will you marry me?
結婚してくれないかなぁ?
Won’t you marry me?
willの方は一般的なプロポーズのセリフです。疑問文の形を取っていますが、断られることはほぼ想定していない表現で、結婚しよう!といったニュアンスです。
これに対してwon’tにすると結婚してほしい欲求がありながら、希望とは遠い現実のなかでの願望という裏側の気持ちのニュアンスを醸すこともできます。
ちなみに否定疑問文の返事は、日本語とは逆になることが多いので注意しましょう。
Will you marry me?なら、承諾はYesなので、日本語のハイと同じで問題ありません。
しかし否定疑問文のWon’t you marry me?の場合、結婚しないの?という問いかけに対して日本語の「ハイ結婚しません」は、英語ではNoになります。
YesかNoかは否定notに呼応するため、結婚しないならNoになるわけです。とはいえ、ネイティブでも混乱して言い間違えることはあるようです。誤解を避けるにはYesかNoかだけではなく、肯定文や否定文を用いて、きちんと内容まで伝えた方が安心です。
勧誘のWon’t youはもう古い!
人を勧誘する際にはWon’t you〜?を使うと、学校英語で習った人も多いでしょう。
例えば、Won’t you have dinner with us?は直訳すると、あなたは私たちと一緒にディナーしないの?という質問です。しかし、実際は勧誘のフレーズで、一緒にディナーしましょうと誘っているのです。
もっともこの表現は英語圏では古くなりつつあります。
最近よく使われるのは、Why don’t we have dinner?です。
直訳すると、なぜ私たちはディナーしないの?となります。もちろんしない理由なんてないので、一緒にしましょうよ!という反語になっているわけです。
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won’tを含む曲タイトルと意味
won’tはさまざまな洋楽にも使われています。
最後に、洋楽や邦楽の曲タイトルに使われたwon’tとその意味についてご紹介します。
won’tが持つニュアンスがわかると、歌詞に秘められた意味がより一層理解できるでしょう。言葉に滲むイメージを思い浮かべながら、洋楽を楽しんでみてくださいね。
You Won’t See Me
“You Won’t See Me”は、1965年にリリースされたThe Beatlesのアルバム収録曲です。ポール・マッカートニーの実体験がモチーフになっていることはご存知の方も多いかもしれませんね。
タイトルのWon’t Seeからは、会おうともしない恋人の強い拒絶がうかがわれ、何とも切ない限りです。うまくいかない恋人との関係を綴った歌詞に共感する人は多いのではないでしょうか。時代を超えて多くの人に支持され続けている曲には、人を惹きつけるものがあります。
Baby, Won’t You Please Come Home
1919年に発表された“Baby, Won’t You Please Come Home”は、数多くのアーティストによってカバーされ、長年歌い継がれてきたジャズのスタンダードです。作者はCharles WarfieldとClarence Williamsといわれています。
家に帰ってくれないか?と訳されることが多い曲タイトルですが、和訳からもわかる通り、戻らないだろうことは予想できるものの、できれば戻ってほしいという気持ちがこめられています。Pleaseも入っていて切実さが伝わる英語表現です。
won’t be long
1990年にミリオンヒットを飛ばしたバブルガム・ブラザーズの”won’t be long”。
2006年にEXILE&倖田來未によってカバーされたので、ご存じの方も多いでしょう。
won’t be longは、will not be longです。not be longで長くないという意味ですね。
willがついているので、長くないだろう、長くかけるつもりはない、ということになり、もうすぐだ、そろそろだという意味で使われます。
英語圏ではすぐにという意味で用いられているフレーズで、待ち合わせの時などに彼女はそろそろ来ると言いたい時は、She won’t be long.といいます。
まとめ
基礎英語で習う助動詞willは未来形とだけ覚えている人も多いでしょう。しかし、基本イメージを理解できていないと、意味が正しく理解できないこともあります。
このページも参考に覚えてしまいましょう。
単語の基本イメージは英語学習辞書などにも記載されているので、英和辞典で今一度確認しておきましょう。
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