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英語圏での「羊」のイメージは?「羊」の英語表現からイメージの違いを学ぼう!

あなたは「羊」にどんなイメージを持っていますか?

ふわふわ
やわらかい
かわいいい
やさしい
おとなしい

こんな印象を持っている人が多いのではないでしょうか。

私たちの生活の中でも、干支や歌など羊に関する言葉は多くあり、誰もが知っている身近な動物です。

キリスト教の聖書の中にも羊に関するフレーズがたびたび登場しますが、実は日本とは全く違う意味やイメージで使われていることがよくあります。

さまざまな「羊」の英語表現を知れば、日本と海外、それぞれのイメージや意味合いの違いにも気づけるでしょう。

今回は英語圏でよく使われる「羊」に関するフレーズを紹介します!

「羊」は“sheep”だけじゃない!

羊全般を表す英単語は“sheep”と学校の英語の授業でも習いましたよね。

実はネイティブは“sheep”の他にオスの羊、メスの羊、子羊(の肉)、羊の肉を区別して、それぞれ別の表現を使います。

Sheep:羊

Ram:オスの羊

Ewe:メスの羊

Lamb:子羊(の肉)

Mutton:羊の肉

“sheep”不可算名詞のため、単数でも複数でも“sheep”です。

そのため複数形の+「s」は使いません。

「羊」を使った表現は聖書由来!

よく間違えられたり、比較されることの多い羊と山羊ですが、それは聖書に書かれている羊と山羊の話が大きく影響しています。

ちなみに山羊は英語で“goat”といって、

可算名詞であるため、複数形の場合は“goats”「s」をつける必要があります。

羊と山羊は真逆の存在?

羊と山羊はなんと善と悪の象徴になっています。日本にはない捉え方ですよね。この考え方は、聖書に由来しています。

善と悪を区別する
tell the sheep from the goats

→善が羊、悪が山羊、という表現です。

良い人と悪い人を分ける
separate the sheep from the goats

「羊」=「良い人」、「山羊」=「悪い人」、「有能な人と無能な人を分ける」という意味でも使われます。

“separate”,”tell”,

“divide”,

“sort”

これらの単語はお互いに言い換えることが可能です。

羊には良いイメージがあることがわかりますが、山羊は、古くから好色、罪や悪のイメージが強く、悪魔がヤギの姿で現われることもしばしばです。

また、羊は「気の弱い臆病者」という意味で使われる場合があります。

羊飼い

日本では、「アルプスの少女ハイジ」に出てくるペーターの仕事として覚えている人が多いのではないでしょうか?

職業としての羊飼いは、英語では次の単語を使用します。

shepherd:男性の羊飼い

shepherdess:女性の羊飼い

そしてもうひとつ。聖書ではたびたび、神を「羊飼い」に、大衆を「羊の群れ」にたとえます。

Jesus Christ:イエス・キリスト

善き牧者(良い羊飼い)
→The Good Shepherd:

神に導かれる大衆

迷える羊(眠り羊)
→Sleep sheep:

キリスト教文化圏では羊のイメージでキリスト教の世界全体を表現しようとしていました。

羊は信者のシンボル、羊飼いは信者の保護をつとめとする聖職者であり、キリストのシンボルでした。

子羊

聖書の中で、イエスは「神の小羊」と呼ばれています。

イエスこそ罪のための完全な最後のいけにえである、という意味合いを含んでいます。

メシア(救い主)であるイエス
→the Lamb of God:神の子羊

羊にまつわる色々な英語表現

羊の鳴き声

日本語では「メーメー(メェメェ)」、英語では「baa baa(バー バー)」という表現をします。

子羊(lamb)の鳴き声は「maa」とも表現されます。

イギリスの古い童謡:
Nursery Rhymesの1つに

(メェメェ黒羊さん)
「Baa Baa Black Sheep」

という歌もあります。

ひつじ年

ひつじ年:
the year of the sheep

干支や十二支の中のひとつで西洋にはない概念です。

干支:Chinese zodiac、

Japanese zodiac、

Oriental Zodiac など

Oriental:東洋の
Zodiac:黄道帯

十二支:twelve zodiac signs

今年は未(ひつじ)年です。
This is the year of the sheep.:

あなたの干支はひつじです。
Your Chinese zodiac sign is the sheep.:

羊毛

羊の毛:wool

セーターなどによく使われている素材です。

手製の羊毛フェルトのマスコット:
Handmade woolen felt doll.

メリーさんの羊

童謡で有名なメリーさんの羊は、英語では“Mary Had a Little Lamb”です。

あなたも子どものころに歌ったことがあるのではないでしょうか。

歌詞は以下の通り。曲に合わせてぜひ歌ってみてください!

メリーさんの羊
Mary had a little lamb

メエメエ ひつじ
little lamb, little lamb,

メリーさんの羊
Mary had a little lamb

まっ白ね
Its fleece was white as snow

羊を数えて眠れたことありますか?

眠れない時の定番、羊が1匹、羊が2匹と数える方法、試されたことはありますか?

(眠れないときに)羊を数える
count sheep:

頭の中で羊が柵を越えていく様子を想像しながら、という英語表現になります。

“one sheep, two sheep・・・”

なぜ「羊」を数えるのでしょうか?

羊は英語で“sheep”ですが、“sleep”(眠る)と似ていることから採用されたと言われています。ある種、言葉遊びですね。

更に、英語圏では“one sheep, two sheep, three sheep‥‥”と数えますが、この「シープ」の発音で自然と息を吐くことができ、それによってリラックスして眠れる、ということです。

日本語で羊が一匹・・・と数えるよりも、英語で“one sheep,・・・”と数えた方が眠れる可能性が高いですね。

羊を使った英語のことわざや慣用句

さまざまな、人間のちょっと複雑な部分を表現するのに、「羊」がよく使われます。

直訳すると、ちょっとコワい表現もありますよ。羊のイメージが変わっていきそうです。

羊の皮をかぶった狼

「偽善者」「良い人のふりをした悪い人」
a wolf in sheep’s clothing:

(直訳すると、日本語にもある「羊の皮をかぶった狼」)「おとなしく無害なフリをしていて、実は危険な人」を指す英語表現です。

“a wolf in a lamb’s skin”

と言い換えることもできます。

私はあなたが偽善者だってことを知っている
I know that you are a wolf in sheep’s clothing.

「黒い羊」は厄介者

厄介な人物(直訳すると「黒い羊」)
black sheep:

白い毛の色の羊が多いため、黒い毛の色が羊は群れの中にいるととても目立ちます。

グループの中で目立つ厄介者や家族の中で一家の恥となる行為をした人をそれに例え、と呼ぶことがあります。

“black sheep”

彼は家族の中でトラブルばかり起こす。私の父は彼を厄介者と見ている
My younger brother is a troublemaker in my family. My father calls him the black sheep.

彼女を厄介者のように扱うのはやめてください
Don’t treat her like the black sheep.

毒を食らわば皿まで

どうせ(主に悪いことを)するなら、とことんやったほうが良い
may as well be hanged for a sheep as a lamb:

(直訳:子羊を盗んでも絞首刑になるのなら羊を盗んだほうがましだ)

“may”の代わりに、”might”を使うことも可能です。

イギリスで使われる古いことわざです。1820年代のイギリスでは、羊を盗むと絞首刑でした。

どうせ同じ罰を受けるなら、子羊(lamb)だけでなく羊(sheep)も盗んだほうがいい、という意味。当時の時代背景が、このような格言を作り上げてしまうのでしょうか。

日本語のことわざの「毒を食らわば皿まで」と英語のことわざの(ペニーを手に入れたのならポンドも手に入れろ)と同じ意味になります。
「In for a penny, in for a pound.」

彼は、どうせならとことんやってやると思っている
He thinks he might as well be hung for a sheep as for a lamb.

羊の目は「色目」?

~に色目を使うという意味です。
cast a sheep’s eye at:

羊の目が大きく潤んで見えることからできた言葉です。

私は、彼が私の友達に色目を使っているのを見た。
I saw he casted a sheep’s eye at my friend.

その老いた女性は、私に対して色目を使い続けている
That old girl continues to cast a sheep’s eye at me.

羊の目玉を飲み込む?

思い切ったことをする
swallow a sheep’s eyeball:

(直訳すると「羊の目玉を飲み込む!!」)

Swallow:飲み込む
Eyeball:目玉

日常にはまずない光景、文字通りに想像するとぞっとします・・・

本論に戻る

return to one’s muttons:本論に戻る

Let us return to our muttons.:本論に戻ろうじゃないか

“return”の代わりに、”get back“、”muttons”を”sheep“と言い換えてもOKです。

お金を巻き上げる

(金を)使わせる,有り金を巻き上げる
lamb down:

「(金を)すっかり使ってしまう」というオーストラリアとニュージーランドで使われる英語表現です。

おとなしい

とてもおとなしい
(as) quiet as a lamb:

子羊のように静かなことを意味する英語表現です。

赤ちゃんはとてもおとなしく、ぐっすり眠っている。
A baby sleeps soundly, quiet as a lamb.

とてもおだやかな
(as) gentle as a lamb:
サトシはとてもおとなしいので、誰かを傷つけることはしないでしょう。
Satoshi is as gentle as a lamb and wouldn’t hurt anyone.

“quiet”は静かな状況を表し、“gentle”はおだやかな性格を表しています。

おとなしく従う

(羊のように)おとなしく従う,盲従する、という意味。
follow like sheep:

子どもたちはおとなしく私たちの後についてきた。
Our children followed us around like sheep.

英語の“sheep”は、「従順な人」という意味で使われることもあります。

若作りする女性

セクシーに見せようと若作りしている女性
mutton dressed (up) as lamb:

イギリスで使われる英語表現です。

直訳すると子羊にドレスアップしている大人の羊という感じでしょうか。

Mutton:成長した羊の肉
Lamb:子羊

君のおばあさんはセクシーに見せようと若作りをしているな。
Your grandmother is mutton dressed up as lamb.

たちまち

羊がしっぽを2振りする間を、「たちまち」ととらえています。
in two shakes of a lamb’s tail:たちまち

いますぐあなたのところへ行くわ。
I’ll be with you in two shakes of a lamb’s tail.

“in two shakes of a duck’s tail”

と表現することも可能です。

平和と友好

平和が訪れる、友好的になる
The lion lies down with the lamb.:

(直訳すると「ライオンが子羊と一緒に横たわっている」)

想像してください。ライオンと羊が一緒にいるなんて、確かにとても平和な状況。ほっこりしますね。

英語圏での「羊」のイメージは?「羊」の英語表現からイメージの違いを学ぼう!まとめ

いかがでしたでしょうか?

ふわふわかわいいイメージだったですが、実際にあることわざや格言など、随分とイメージが違うことに驚きを隠せません。

聖書、歴史など、時代背景が日本とは全く違うことも、激しい表現が確立されてきた要因のひとつなのでしょう。

歴史が文化を作り、文化が歴史を変えていく。互いに影響し合って、現在のような多種多様な国家が存在することになったのですね。

だからこそ異国との交流が、新鮮で楽しく感じられるのかもしれません。にしても、お金や若作りだったり、羊の目を・・・、なんて表現はちょっときつかったなあ。