英語で「おしり=hip」じゃない?子供の可愛いお尻からスラングの読み方まで細かい使い方を例文で解説
おしりを英語で表現しようとすると、真っ先にヒップという言葉が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
確かに国語辞典でヒップを調べると、しり(尻)と出ています。
ところがこれは日本語のヒップの話。実は英語のhipは、おしりではないんです。
英語のhipは、腰、腰骨という意味で、より具体的には、腰骨あたりの盛り上がった部分のこと。両側にあるので通例hipsと複数形で表記されます。
ですので、「おしりが垂れてきたからヒップアップしないと」などと日本語でよく言ったりしますが、実はヒップアップは和製英語であり、英語としては通じません。
ちなみに、put hands on hipsという英語の慣用句は、そのまま日本語にすると、ヒップに手を置くですが、これをGoogleで画像検索してみると、おしりに手をあてているのではなく、腰のくびれの少し下あたりに両手を置いている写真がたくさん出てきます。
では英語でおしりは何と言うのか……、そこで今回はおしりに関するいろいろな英語表現をスラングを含め紹介します。
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おしりを表現する英単語
まずは、一般的に使われる、おしりを表す単語から説明しましょう。
buttock
通常、複数形buttocksとなり、片方のおしりだけを指す場合は単数形で使われます。
彼はしりもちをつきました。
He fell on his buttocks.
左側の臀部が痛いです。
I have pain in my left buttock.
haunch
こちらも通例、haunchesと複数形で表記されます。
私はおしりをついて座った。
I sat on my haunches.
私の右のおしりにはアザがあります。
There’s a bruise on my right haunch.
bottom
bottomには、底、下部、下の方などのほかに、おしり、という意味もあります。
おしりが痛いです。
My bottom hurts.
赤ちゃんのオムツ替えの時など、小さい子どもに対してもよく使われます。
いい子でちゅね〜、さあ、おしりを拭きましょうね〜。
Good boy! Let’s wipe your bottom!
posterior
後部という意味のposteriorも、おしりを表現する時に用いられます。
左側のおしりにインフルエンザの注射をされました。
I got a flu shot on my left posterior.
rump
rumpもおしりのことを言います。ちなみに牛肉のランプステーキは、牛の臀部の肉を指し、rump steakと書きます。
とても長い間座っていたので、お尻が痛かったです。
My rump was sore from sitting for so long.
behind
behindは前置詞や副詞の場合、背後に、後ろに、などの意味になります。ところが名詞になると、おしりという意味になります。
そのネコは彼のおしりを叩いた。
That cat smacked on his behind.
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スラングでおしりは?
おしりという意味のスラングはたくさんあります。おしりというより、けつ、という訳し方がぴったりくる場合も。
butt
タバコの吸いがらや銃の台座などのことをbuttと言いますが、アメリカ英語のスラングではおしりの意味。映画やテレビドラマにも頻繁に登場し、日常的に使われています。
このパンツはおしりまわりがきつすぎると思います。
I think these pants are too tight around my butt.
cheek
顔の頬を表すcheekには、おしり、という意味もあり、片方だとcheek、両方だとcheeksと複数形になります。
顔の頬と区別してわかりやすくするために、おしりのことをblind cheek、つまり目のない頬、という言い方をすることも。
また前述のbuttと組み合わせたbutt cheekという表現も見かけます。
おしりの右側をイヌに噛まれた。
I had a dog bite on my right blind cheek.
rear end
元々は自動車などの後部について言いますが、人間のおしりにも使われることがあります。
エクササイズしないと。最近、おしりが下がってきたの。
I have to exercise. My rear end has started to drop recently.
booty
主にアメリカ英語で使われています。
その犬はかわいいおしりをしています。
That dog has a cute booty.
ass/arse
assはアメリカ英語で、arseがイギリス英語。
かなり下品な言葉なので使わない方がいいでしょう。他の語と組み合わせて慣用句になっている場合もありますが、オススメできない表現です。
いいかげんにしろ!
Kiss my ass!
bum
イギリス英語でおしりを表すスラングです。
bum bumと2回繰り返して、子どもに話しかけたりします。
さあ、おしりキレイキレイにしようね〜。
Let me wipe your bum bum.
ちなみに、おしり拭き、を英語ではbaby wipesやdiaper wipesなどと言います。baby wipesは、おしりだけでなく、赤ちゃん用ウエットティッシュつまり、赤ちゃんの手や足を拭くもの、という意味でも使えますよ。
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おしりに関連するその他のスラング表現
ここではおしりそのものではなく、おしりに関連したちょっと面白いスラングを紹介します。
moon
動詞として使われ、おしりを出す、という意味。特に、ズボンと下着を下ろし、膝をまげておしりを突き出して人に見せるいたずらをすることを指します。
moonという単語が使われているのは、白いおしりが月のように見えるということからです。
学生たちはその犬におしりを見せた。
The college students mooned the dog.
banana rolls
おしりがたるんでいる状態。たるんだ部分がバナナの形に似ていることからこのような言い方になっています。
rollsと複数形なのは、たるみが片方だけということはあまりなく、両側に出現することが多いからです。片方だけの場合は、banana rollと単数形になります。
ジムに行かないと。バナナロールを取り除かなくちゃだわ。
I need to go to the gym. I have to get rid of my banana rolls.
butt-dial
スマートフォンをおしりのポケットに入れていて、知らないうちにおしりの圧で電話をかけてしまうことです。butt-callとも言います。
あら!またおしりが電話しちゃった。
Ooops! I butt-dialed again.
おしりを使った日本語の慣用表現を英語に
日本語にもおしりを使った慣用表現がたくさんあります。
たとえば、しりに敷く、けつの穴が小さい、けつをまくる、などがそれです。他にもいろいろありますが、ここではよく聞くこの3つをどう英語で表現するか見てみます。
しりに敷く
しりに敷くは、妻が夫を軽んじて、自分勝手にふるまうことを指します。
男性が女性の言いなりになっているという意味のhenpeckedという単語を使って言い表せます。
トムは女房のしりに敷かれているなあ。
Tom is a henpecked husband.
けつの穴が小さい
けつの穴が小さい、は気が小さく臆病であったり、心の広さがなく他人の言うことなどを受け入れることができないという意味です。
そこで、気が小さくて臆病という意味のcowardlyや、度量が狭いという意味のnarrow-mindedなどで言い表すことができます。
彼はけつの穴が小さい。
He is cowardly.
あなたはけつの穴が小さい人だ。
You are a narrow-minded person.
けつをまくる
けつをまくるは、最近では単に逃げるという意味で使われることが多いようですが、本来は、追い詰められて逆に脅すような態度をとったり、居直ってけんか腰になるような行動をとることです。
そこで、けんか腰になる、という意味のturn defiantやtake a defiant attitudeを使うことができます。
彼はけつをまくった。
He turned defiant.
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まとめ
今回はおしりに関するいろいろな表現を紹介しました。
スラングも含め、さまざまな言い方があることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
体の部位に関する言葉は、多彩で面白いものが多くあります。状況に応じて上手に使い分けてくださいね。