jerkの意味って悪口?本来の意味から使用注意のスラング用法まで解説!
海外の映画やドラマで、He is a jerk!(あいつってホント最低!)といったセリフに出てくるjerk。侮蔑や軽蔑といったスラング表現が目立ってしまい、悪口の表現としてすっかり有名になっていますよね。
ですが、本来の意味を知っていますか?
jerkのもともとの意味は悪口ではなく、日常生活で使える熟語表現もたくさんあります。
ということで今回のテーマはjerk。
jerkをよくわからずに使うと、ひどい悪口となって相手を激怒させたり、まさかの下ネタ用語になってしまったりして、思わぬところで恥をかくかもしれません。そうならないためにも、この機会にjerkの意味や用法をチェックしておきましょう。
記事を最後まで読んでもらえれば、jerkの本来の意味や注意すべきスラング表現について、理解が深まりますよ。
>英語が上達する1日3分の無料メール講座<
jerkの本来の意味
スラングで使われることの多いこの単語、スラングでの意味は「嫌なやつ」を表します。
喧嘩のシーンで聞くことが多いので、なんとなく単語の意味はわかっていなくても、そんな感じだなとは想像できますよね。
ですが、実はjerkの本来の意味は、瞬間的で急な動きを表したいときに用いられる単語。
品詞としては主に名詞や動詞として使用されます。詳しくみていきましょう。
基本の表現:急な動き
jerkのもっとも基本的な意味は、急な動き。グイっと引く動作や、ガクンと止まる動作などであり、他動詞、自動詞、そして名詞として使うことができます。
彼はその窓をぐいと押し開けた。
He jerked the window open.
バスはガクンと止まった。
The bus jerked to a stop.
彼の頭はグイっと上がった。= 彼はさっと顔を上げた。
His head jerked up.
重量挙げ競技でも有名
jerkはその本来の意味から体を動かす表現が多く、スポーツや運動の場面でもよく耳にします。重量挙げ競技にはジャークという種目もありますよね。
重量挙げといえば、オリンピックの父娘メダリストとしても有名な、三宅宏実さんの活躍が有名です。重いバーベルをグイっと持ち上げる姿は、まさにjerkの動きそのものと言えるでしょう。
医学での表現:けいれん
医療用語などでは、体の部位+jerkで使われ、筋肉のけいれんを意味します。
おもしろいのはknee-jerkで、膝反射(ひざのお皿の下側をコンと叩くと、足がビクンと跳ね上がる反応:脚気の検査などに使用)を表すのですが、そこから派生して、条件反射的にやってしまうことや、よく考えずにやってしまうこと、いつも同じでワンパターン、といったものを皮肉るときにも使われるんですよ。
お決まりの行動ばかりの保守主義者
a knee‐jerk conservative
あわせて読みたい。
jerkの悪口としての意味・スラング表現
記事冒頭でも紹介したように、jerkはスラング表現によく登場し、悪口のイメージも強い単語です。人に対して使うときは注意が必要ですが、映画やドラマのセリフとしては、定番ともいえる単語です。
軽蔑表現としてはトップクラス
誰かに向けてjerkを使うと、軽蔑や侮蔑の意味としてはかなり強い表現になります。サイテーなやつ、クズ野郎といった訳になるでしょうか。
下の例文のように、追加で侮蔑的な形容詞を加えて使うことも多く、強く相手を非難するとき、軽蔑の気持ちを表すときに使用します。
あいつはマジで恥知らずのクズ野郎だ!
He’s such a shameless jerk!
あんたってホント、サイテーよ!出て行って!
You’re such a jerk! Get out!
jerk offには注意
jerk offには注意しましょう。主に男性の自慰行為(マスターベーション)を表すスラングになります。上で紹介したようなjerkの侮蔑的なニュアンスは、このjerk offのイメージから来ていると言われています。
また、jerkを含む表現の中には、jerk mateやjerk dollsのように、jerk offから派生した、性的なものを連想させるスラングがいくつか見られます。
あわせて読みたい。
jerkのその他の熟語表現
さて、jerkを使った悪口の表現を先に紹介してしまいましたが、日常生活で普通に使える熟語表現も存在しています。これから紹介する熟語は、ややスラング寄りではあるものの、侮蔑の意味や下品な意味は含まれません。
with a jerk
動作の説明としてwith a jerkを加えると、ビクンと(急に)のニュアンスを追加できます。
バスはがたっと揺れて動き出した。
The bus started with a jerk.
jerk around・jerk about
jerk aroundやjerk aboutは、時間を無駄に過ごす、ブラブラする、のような意味。
またjerk A aroundやjerk A aboutのように間に目的語を挟むと、話などをはぐらかす、人に時間を無駄遣いさせてイライラさせる、人をだます、のような意味としても使えます。
いやがらせをする
jerk someone around
jerk out
jerk outまたはjerk A outで、いきなり声をあげる、(声や意見を)突然口にする、の意味になります。jerk offに似ているため性的な表現と勘違いされやすいですが、jerk outには、特にそうした意味はありません。
ポケットからさっとハンカチを取り出す
jerk a handkerchief out of one’s pocket
tear-jerker
お涙頂戴もののメロドラマなどをtear-jerkerと表現することがあります。涙をグイっと無理やり引っ張り出すから、ということになるでしょうか。
この映画は本当に泣けるドラマだった。
This drama was a real tear-jerker.
jerkの同音異義語
最後は少し番外編になりますが、jerkのもう1つの意味・・・ではなく同音異義語として存在しているjerk(肉をそぎ切りにする)を紹介しておきます。
こちらは干し肉料理として有名なbeef jerky(ビーフジャーキー)のjerky(干し肉)の部分が動詞化したもの。
jerkが形容詞化しても同じつづりでjerky(ぎくしゃくした動きの~)になるため、ややこしいですね!
ジャマイカ料理では、鶏肉をスパイシーに仕上げたjerk chikenがあり、jerkはそのような肉の加工を意味することもあるようです。
もしjerkが、レシピの文面やお調理で使われていたら、急な動きでも悪口でもなく、こうした意味もあることを思い出しましょう。
あわせて読みたい。
まとめ
いかがでしたか?
これまでjerkを悪口用の単語だと思っていた人は、jerkの持つ本来の意味や、熟語表現の豊富さに驚いたかもしれませんね。医療用語やスポーツ、物理学の分野でもけっこう使われている単語なので、勉強中の学生さんなどはチェックしておきたい単語でもあります。
それでもやはり、jerkはスラングでの悪口イメージも強い単語です。うっかり下品な意味にならないように、注意して使ってくださいね。