英語多読の効果を100万語で実感!多読の方法と無料で読めるアプリを紹介
英語の長文を見ると、そのボリュームに圧倒され「全部読み通すのは無理…」と諦めていませんか?そのような悩みは、英文を大量に読む英語多読で解決できます。
この記事を読んで英語多読に取り組めば、少なくとも3つの効果が期待できます。
・長文に抵抗感がなくなり、英語を英語のまま理解できるようになる
・文章の中でよく使われる自然な単語の組み合わせをマスターできる
・英語の理解スピードが上がり、リスニング力がつく
しかし、多読の進め方にはルールがあり、そのルールに従わないと効果が半減したり、挫折しやすくなるので注意が必要です。この記事では多読の効果と方法、無料で読めるアプリの紹介をしていきます。
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英語多読とは
英語多読とは、英文をたくさん読む学習法のことです。辞書なしで分かるレベルの英文をできるだけ多く読み、自分の理解度に合わせて徐々に難しいものにチャレンジしていきます。
精読との違い
リーディングの勉強法として、精読を知っている方もいるかと思います。精読は分からない単語や文法を調べながら、一文ずつ丁寧に読んでいく勉強方法です。後で詳しく解説しますが、分からない単語が出てきても、辞書を引かずに類推(るいすい)して読み進める多読とは異なります。
多読と精読、どちらが大事?
では、多読と精読どちらの勉強法を進めればいいのか、という疑問を持つかもしれません。リーディングの勉強には多読・精読の両方が大事になります。
おすすめのコツは、多読をメインで進めながら、時々精読をする方法。精読した英文を1カ月後など時間をあけて多読として読むのも、一度精読でしっかり読み込んだ内容を多読で復習する形となり効果的です。
英語多読の4つの効果
英文の多読を続けるとどんな効果があるのでしょうか。ここでは主な4つの効果を解説します。
1.英文を読むスピードが速くなる
英語多読が進んでいくと、ある時点で英文を読む速度が上がっていることに気づくと思います。英語を日本語に訳さず、英語のまま理解できるようになるので、その分速く読めるようになります。
2.リスニング力がアップする
英語多読を行うときには、止まったり戻ったりせずに左から右へと英文を読んでいきます。実はこの読み方は、英文を聞いている時と同じ状態です。頭から英文を理解する力がつくので、自然にリスニング力も伸びていきます。
3.コロケーションをマスターできる
大量に英文を読むことで、何度も出てくる定型表現を覚えるようになります。英語には、相性の良い単語の組み合わせ(コロケーション)があり、正しいコロケーションの英文は、日本語の感覚で考えているうちはなかなか身につきません。このコロケーションも英語多読で少しずつ学ぶことができます。
4.教養が身につく
英語多読を継続し読解力がついてくると、上級者向けと言われる英字新聞や洋書も読むことができるようになります。読書で自分が体験したことがない世界も知ることができますが、日本語と英語の両方で読書をすれば、さらにスキルや学問を身につけることが可能です。
英文多読の効果が現れる時期
どのくらい英文を読めば効果を実感できるのか、という点が気になる方も多いと思います。個人差はありますが100万語(I am a student.で4語とカウント)程度で、効果を感じることができます。
100万語と聞くと遠い道のりに思うかもしれませんが、1分間100語の読書スピードで1日30分多読に取り組むと1年間で達成できる計算です。100万語達成までは何も変化がない、というわけではなく、30万語あたりで多くの人が英文を読むスピードが明らかに速くなった、理解力が上がったなどの効果が出てきたことに気づき始めます。
英語多読の方法
では実際にどのように英語多読を進めればいいのか、多読の方法と守るべきルールを解説していきます。
本を選ぶ
タイトルを見て、おもしろそうと感じる本を選べばよいのですが、必ず英文の難易度を確かめるようにしてください。辞書なしで95%以上理解できる本であれば合格です。4〜5文読んでみて、5語以上知らない単語が出てくる本は、今は実力と本のレベルが合っていないので選ばないようにしましょう。現在の英語力より1〜2レベル下げた内容を選ぶことをおすすめします。
3つのルールを守って多読スタート
1. 返り読みをせず、英文を頭から読んでいく
I have a friend who works as an English teacher at a high school.という一文を読むときに、高校で英語の先生として働いている(who works as an English teacher at a high school)と後ろの部分を読んでから、友達がいます(I have a friend)と前に戻って英文を読むのではなく、私には友達がいます(I have a friend)→英語の先生として働いている(who works as an English teacher)→高校で(at a high school)と英語と同じ順番で読んでいきます。
最初は情報を継ぎ足すような形で英語を読んでいきますが、次第に語順に慣れて「高校で英語教師として働いている友人」が瞬時にイメージできるようになります。
2. 分からない単語・文章があっても辞書は引かない
分からない単語が少ない本を選んでいても、知らない単語が出てくることはあります。そんな時はつい調べたくなりますが、ここは辞書を使わないようにしてください。前後の文から推測する。それでも分からなければ飛ばして読み進めるようにします。
読み飛ばす回数が多くて、内容が理解できない、ということであれば、その本は今の自分のレベルに合っていない本です。一旦読むのを止めて、数カ月後に再チャレンジしてみましょう。
3. 読んでいておもしろくない本は読むのを止める
タイトルを見て「おもしろそう」と思い本を読み始めたけど、実際に読んでみたら自分の好みの内容ではなかった、という経験はありませんか?英語多読でも同じことがあります。興味の持てない本を読み続けることで、多読が苦痛になってしまっては本末転倒です。潔く諦めて新しい本を探してみましょう。
あわせて読みたい
無料で多読を進めるには
メリットの多い英語多読ですが、1点だけデメリットを挙げるとすれば、大量の英文を読むために本代がかかる、という点です。地域や学校の図書館に多読向けの英語本が置いてあることもありますが、図書館に置いていない場合は無料アプリを活用してみましょう。
英語多読100万語を達成できた、レベルアップして洋書を読んでみたいという中・上級レベルの方には、無料で洋書を読むことができるサイトを紹介します。海外のサイトなのですべて英語になりますが、これまでの力試しとしてぜひチャレンジしてみてください。
多読初心者にもおすすめ!無料アプリ4選
1. ざっくり英語ニュースSTUDY NOW
(Android / iOS)
1記事のボリュームが3段落程度と少なめのため、読むことに慣れていない人におすすめです。まずはこのアプリで英文を読む習慣を身につけ、徐々に長い文章が読めるようにしていきましょう。
2. English News in Levels
(Android / iOS)
1つのニュースを3つの難易度の英語で紹介しています。自分のレベルに合わせて簡単な英文で読みたい人におすすめです。レベル1の記事が問題なく読めるようになったら、レベル2、3にも挑戦してみましょう。
3. レシピー
(Android / iOS)
有料版もありますが、リーディングは無料で利用することができます。幅広いジャンルから好きな記事を選んで読むことが可能。記事ごとにリーディングの難易度があるので、自分のレベルに合った記事を探すことができます。
4. スマートニュース
(Android / iOS)
ニュースアプリという印象が強いスマートニュースですが、アプリ内に英語学習チャンネルがあります。最新ニュースが随時更新されているため、多読向き。英語学習以外にもCNNやBBCなどの海外のニュースチャンネルもあります。
中上級者向け無料サイトで洋書にチャレンジ
1. Amazon Kindle
実はAmazon Kindleでも無料で洋書などが読めます。Kindle端末なしでも無料のKindleアプリをインストールすれば、PCでもスマホでも読むことが可能。
マーケティング戦略の一環として0円で提供している本もあるので、版権が切れた古典とは違う本を見つけることもできる点がおすすめポイントです。
2. Project Gutenberg
6万冊以上の本が無料で読めるサイトです。オンライン上で読むこともできますが、ダウンロードすればオフラインでも読むことができます。
冊数が多すぎて、どれを選べば分からない場合は、上段のSerch and BrowseからBook Searchを選び、人気順に紹介しているPopularをクリックして出てきたものから選んでみましょう。
3. Manybooks
5万冊以上の無料本を紹介しているManybooks。こちらのサイトもオンライン・ダウンロードの両方で利用することができます。
トップページには、ミステリー・SF・歴史などのジャンル分けがあるので、興味のある本を見つけやすくなっているのが特徴です。
初心者でも楽しめるおすすめ英語多読本
多読に慣れてきたのでアプリではなくて本に挑戦してみたい、ニュース以外の内容を読んでみたいと思った方には、レベル分けされた多読用書籍をおすすめします。
ラダーシリーズ
TOEIC300点以上のレベル1からTOEIC470点以上のレベル5まで5段階に分けた多読用リーダー本。ジャンルも親しみやすい日本文学の英語版や現代で活躍する偉人のストーリーなど、100以上のタイトルから選ぶことができます。
グレーデッド・リーダーズ
グレーテッド・リーダーズ (Graded Readers)とは、主に英語圏の出版社から発売されている学習者向け多読教材。英語が母国語でない人たちを対象にレベル別に書かれた内容となっています。
名作古典が充実したOxford Bookworms、カラーイラストや写真が豊富なPenguin Readersなど様々なシリーズがあるので、興味のある本をぜひ入手してみてください。
まとめ
英語多読を進めれば、英文を英文のまま理解するスキルが身につき、英文を読むスピードだけでなくリスニングの聞き取り力もアップします。
大量の英文を読んでいると何度も出てくる自然な英語表現をマスターできるといった、嬉しい進歩も感じることも。自分に合ったレベルで、興味が持てる内容の本を手に取り、英語多読ライフをスタートさせてください。
A journey of a thousand miles begins with a single step.(千里の道も一歩から)
早速その一歩を歩み始めましょう。