助動詞ought toの意味と使い方!shouldやhad betterとの違い
高校英語文法ではさまざまな助動詞を習いますが、ought toもそのひとつです。
今回の記事では、助動詞ought toの意味・使い方と、shouldやhad betterとの違いについて詳しくご説明します。
使用頻度はさほど高くありませんが、いざ出てきたときに困らないよう、しっかりとおさらいしておきましょう。
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助動詞ought toの意味・使い方
to不定詞を伴うoughtは大きく分けて~すべきか~のはずのどちらかに訳されることが多いです。
まず最初に発音を確認しておきましょう。
アメリカ英語では【ˈɔːt】、イギリス英語では【ɔːt】です。実際に聞き比べてみましょう。
ought(アメリカ英語)
ought(イギリス英語)
to不定詞を伴った場合の発音は以下のようになります。
ought to(アメリカ英語)
ought to(イギリス英語)
発音が確認できたところで、ought toの意味と使い方について見ていきましょう。
~すべきだ
助動詞ought toは義務を表す際に用いられ、~すべきだと訳されます。
そうする義務があってそれが当然だから、~すべきという和訳になるわけです。
~のはずだ
oughtには~のはずだという推量・可能性の意味もあります。
そうすべきという基本イメージから、そうあることが正しいという認識が生まれ、そのはずだという推量の意味が派生してくるわけです。
ought to have 過去分詞で~だったのに
ought to have 過去分詞は過去への後悔を表し、~だったのにと訳されます。
過去においてこうあるべきことが叶わなかったということですね。
ought to、ought to haveの否定
ought toの否定の場合、notはoughtとtoの間に置きます。つまりought not toとなるわけです。ought to haveの場合も同様で、ought not to haveです。
willやcanといった助動詞の否定文は助動詞の後ろにnotを置きますよね。ought toは助動詞oughtがto不定詞を伴っている形ですから、助動詞oughtの後にnotが来るのです。
もっともネイティブはI don’t think someone ought to~.という否定文を使うことが多いようです。日本人にはこちらの方が理解しやすいかもしれませんね。
ought not toを使ったフレーズにwhat ought not to be doneがあります。これは文字通り、行うべきではないことという意味です。
that ought to do it meaning
海外ドラマや洋画のセリフで時折that ought to do it.といったフレーズが出てきますが、これはどういう意味なのでしょう。
フレーズの構成は、that(主語)+ought to+do it.に分かれます。
まずはdo itの意味ですが、You did it!がやった!に該当する言葉であるように、do itは何かをやり遂げるときに使われます。次にought toですが、先に述べた通り、義務と推量の用法があります。
つまりthat ought to do it.の場合、それで完了にすべきだ(義務)、それで完了になるはずだ(推量)となり、義務か推量かは文脈で判断することになります。
短縮形はoughtta
英語にはgoing toがgonnaになったり、want toがwannaになったりと、短縮形で使われることがあります。ought toも同様で、短縮形はoughttaといいます。
oughtta
もっとも短縮形を使うのは親しい相手との会話に限られ、ビジネスなどのフォーマルな席では失礼になる場合もあります。
TPOを考えて、その場に合った適切な言葉を使うよう心がけましょう。
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ought toの類似表現との違い
義務や推量の表現は、他にもいろいろあります。
ここではought toの類似表現と、その違いについて詳しくご紹介します。
shouldとの違い
〜すべきはshouldと覚えている人は多いと思いますが、shouldはought toと比べて柔らかい表現です。義務感もそれほど強くなく、〜した方がいいよと人に勧めるようなニュアンスがあります。
またought toが一般的なルールや常識に基づいた義務を表しているのに対し、shouldはもっと主観的で、そうした方がいいと自分が考えているニュアンスがあります。
とはいえ、そこまで明確に使い分けられているわけではなく、ほぼ同じ意味であることも少なくありません。
実際の会話ではshouldが使われることが多く、ought toは古い言葉となりつつあります。
had betterとの違い
had betterはペナルティを匂わせた表現です。
〜した方がいいという意味で習った人も多いと思いますが、このフレーズにはそうしないとまずい状況に陥るといったネガティブなメッセージが含まれています。
〜した方がいい(さもなくば〜)と言外にアドバイスに従わなかった場合のデメリットが潜んでいるわけですね。
例えば、母親が朝、天気予報を見ながら子どもに、You had better bring your umbrella today.と言った場合、
今日は傘を持って行った方がいいわよ(でないとびしょ濡れで帰ってくることになるからね)と暗にデメリットを示しているのです。
人からhad betterを使ったアドバイスを受けたとき、それに従わなかった場合のペナルティは何かを考えてみることで、災難から逃れられることがあるかもしれません。
ought to vs have to vs must
mustとhave toには〜しなければならないという意味があります。
mustには過去形がないため過去を表す際にはhad toを使うと習ったと思いますが、意味的にもmustとhave toには微妙な違いがあります。
mustには自分がそうしなければならないと感じているという主観が含まれますが、have toは客観的に考えてそういうことになっているというニュアンスで、話し手の心情はフォーカスされません。
義務感の強さでいえば、mustとhave toはought toやshouldよりも強く、have toとmustではmustの方が強いです。
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ought toの例文
それではought toの例文を見ながら、その用法をより具体的に見ていきましょう。
1.彼は毎日十分に睡眠を取るべきです。
He ought to get enough sleep everyday.
義務を表すought toを使った例文です。
get enough sleepで十分に睡眠を取るという意味です。
2.夫は弁護士になるべきだったのに。
My husband ought to have been a lawyer.
こちらの例文では後悔を表すought to haveが使われています。
lawyerは弁護士です。弁護士になるべきだったと奥さんが嘆いているわけですね。
3.あなたは彼女とお見合いしない方が良かった。
You ought not to have a matchmaking with her.
この例文では否定形のought not to haveが後悔の意味で使われています。先述したとおり、I don’t think you ought toを使ってもOKです。ought toの否定形はnotの位置に悩みがちですが、どこに置くんだっけ?と迷ったときは、I don’t thinkを使うといいでしょう。
お見合いはmatchmakingといいます。もっとも英語圏ではお見合いは馴染みのない風習です。友達などの仲介で面識のない相手とデートするblind dateはありますが、お見合いと違って特に結婚を意識したものではありません。日本でも友達に異性を紹介してもらうことがありますが、それと同じようなものですね。
4.先生は彼を怒ったはずです。
His teacher ought to have gotten mad at him.
ought to have 過去分詞には、~だったのにという意味があると説明しましたが、この例文のように推量で使われることもあります。日本語では、きっと怒ったはずだとなっていますね。
get mad at~は、~に怒るという意味です。madは狂ったという意味で、感情的に腹を立てているニュアンスのフレーズです。
5.いいプールでした。泳いだほうがいいですよ。
It was a good pool. You ought to swim it.
~した方がいいという意味でought toが使われています。主観的なニュアンスのあるshouldと比べて客観的なイメージが強いのがought toです。そのため、個人的なおすすめというよりも、これだけ素敵なプールなら誰だって泳ぐはずだし泳ぐべきだよといったイメージだと考えると、わかりやすいかもしれませんね。
まとめ
高校科目や中学科目で習う英語表現は長らく使わないでいると、その意味や使い方を忘れてしまうことがあります。どんな記憶でも放っておけば思い出せなくなってしまうので、折に触れておさらいするようにしましょう。
学生時代に使っていた研究社新和英中辞典などが手元に残っていれば、基本の意味を再チェックするといいでしょう。もし英和辞典がないなら、辞書アプリがおすすめです。
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気になる単語はピックアップして単語リストにまとめておけば、復習しやすく効率よく学べます。疑問点はまとめて書き出し、辞書で調べたりネイティブに質問したりしてその都度、解消していきましょう。問題が解決したら同じページにコメントを残していくことで、自分の苦手を網羅したオリジナルの勉強ノートを作ることができます。
単語をおさらいすると同時に、実際に英語に触れることも大切です。
英語学習用の商品はいろいろありますが、生きた英語を学ぼうと思ったら、洋画や洋楽などを参考にするのがおすすめです。映画のセリフやアーティストたちが書いた歌詞は文法を無視したフランクな英語だったり、時にはスラングだらけだったりしますが、それが現在進行形で使われているリアルな英語です。文法やフォーマルな言い回しを学ぶだけでなく、等身大の英語に触れておけば、ネイティブと会話する際に役立つでしょう。
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勉強と思えばそれだけで肩に力が入ってしまうものです。あまり堅苦しく考えず、楽しくやることが語学上達のポイントです。それはスペイン語でも中国語でも変わりません。
内容とともに、ぜひ英語を楽しんでくださいね。