TOEICスコアの履歴書への正しい書き方を伝授!有効期限や点数の目安は?
新卒組、中途採用組に関わらず、就活生を評価するにあたって日本の多くの企業が参考にするのがTOEIC。高得点を取れば就職活動や転職活動に有利だと聞くし、受けて損はないから自分も受験します、という人もたくさんいるでしょう。
しかし、いくら良いスコアを取得しても、履歴書でしっかりとアピールしなくては意味がありません。
では、自身のTOEICの点数をどう記入すれば良いでしょうか。
実は、TOEICスコアの書き方はパターン化されています。
この記事では、TOEICスコアの履歴書への正しい書き方に加え、TOEICスコア2年説は本当!?履歴書へは何点から書ける?などの疑問への解説など、幅広く説明していきます。
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TOEICの基礎知識|TOEIC L&RテストやIPテストって?
国際コミュニケーション英語能力テスト(Test of English for International Communication)の通称であるTOEIC。
日本語だとトーイックもしくはトイックと呼び、英語でのコミュニケーションとビジネス英語能力を測る検定試験です。TOEICの満点は990点で、リスニングセクション495点とリーディングセクション495点のトータルから成ります。
この章では本記事の理解をより深めるため、最低限知っておきたい情報を紹介します。
TOEIC L&Rテスト=公開テスト
TOEIC L&Rテストという名称を聞いたことがあります?一般的に認知されており受験生の大半が受けるTOEICテストがこれで、正式名称はTOEIC Listening & Reading Testです。
日本語ではTOEIC公開テストと呼ばれます。ここで勘の鋭い人はListening & Reading があるならSpeaking & Writingもあるのでは?と思うでしょう。
実際に、TOEIC Speaking & Writing(通称TOEIC S&Wテスト)という資格試験があります。L&Rと比べても若干知名度が低いですが、TOEIC L&RとS&W両方で高スコアを持っていれば、英語の4技能をバランスよく磨いていることをアピールすることができます。なお、この記事全体でTOEICの点数(スコア)について説明する時は、TOEIC L&Rテスト(公開テスト)を指しています。
公開テストとIPテストの違いは?
TOEIC IP(International Program)テストという名称を聞いたことがある人も多いでしょう。TOEIC公開テストとTOEIC IPテストの大きな違いは個人(公開テスト)か団体(IPテスト)か、という手続き面にあり、基本的に難易度は同等です。
そしてもう1つの重要な点は、公式認定証(Official Score Certificate)が発行されるか否かです。IPテストは公式認定証ではなく、スコアレポート(個人成績表)という形での発行になります。
平均スコアはどのくらい?
公開テストの実施回数は年間10回と定められており、毎回平均点は微妙に異なりますが、概ねトータル580点付近を推移しています。
2020年3月現在、最新の情報として公式に発表されているのは2020年1月(第247回)の情報で、その際の平均点は581.2でした。それ以前の平均スコアやスコア分布、標準偏差も気になる人は、下記公式ページも参考にしてみてくださいね。
TOEIC® Listening & Reading Test 公式データ・資料
TOEICスコアを履歴書に記入する際のポイント
さてここで本題に入って、日本語版と英語版で、TOEICスコアを履歴書の資格欄に書く際の記入例を見ていきましょう。
日本語での書き方例
TOEIC700点を、2020年1月の試験で取得した場合
2020年1月 TOEIC公開テスト スコア700点取得
※TOEIC公開テストスコア700点取得、と繋げてもOK
※リスニングとリーディングを分けずに総合スコアを記入
※西暦部分を年号(昭和、平成、令和)にしても良いが、履歴書全体は西暦か年号どちらかで統一する
大切なのは冒頭の年月の記載及び、スコアと取得の文言を忘れない事です。つまり、TOEIC公開テスト700点、のみの表記は正しくないということです。また、TOEIC Speaking & Writingのスコアを書く場合は、TOEIC公開テストの代わりにTOEIC SWと記載しましょう。
2020年1月 TOEIC SW スコア340点取得
※TOEIC Speaking & Writingの満点は、スピーキングセクション200点とリーディングセクション200点の合計で400点になります。
英語での書き方例
上記と同じ内容で記載します。英語はパターンが1つだけなのでシンプルです。
TOEIC Score 700, January 2020
TOEIC SW Score 340, January 2020
日本語と異なり、日付が後ろになることだけ注意してください。
嘘は絶対に書かない!受験予定の場合はその旨を記載しよう
履歴書に、実際より高めのスコアを記載してごまかそうとする人がたまにいます。モラルの問題からしても当たり前ですが、公式認定証の提出を求められていないからといって、このような不正行為はしないでくださいね。
仮にそこから面接へ進み、晴れて採用となっても、入社後にバレてしまったらその会社に居づらくなるだけでなく、解雇という最悪のケースも考えられます。
また、TOEICの受験に向けて学習中だけど履歴書提出時期までに間に合わない、という人にも朗報があります。求人の募集要項にTOEIC〇〇点以上、英語力があれば尚良しなどと明記されている場合、TOEIC受験前であってもその旨を記入すると、相手側に良い印象を残せる場合があります。
履歴書なので、TOEIC750点を目指して勉強中(です)、と簡潔に書きましょう。もちろんこの場合も受験する予定がないのに嘘を書くと、後々トラブルになることがあるので止めましょう。
最新のスコアを書かなきゃだめ?→そうとは限りません
例えば6月の試験では650点だったけれど翌年3月に受けたら600点に下がってしまったとします。この場合は6月のスコア650点を履歴書に記載しても、全く問題ありません。過去に自分が獲得したスコアの最高得点を引用できますよ。
英語の履歴書を作成するには、こちらの記事も参考になります。
意外に知らなかった!よくある疑問にお答えします
2年以上前のTOEICスコアは無効!?
TOEICのスコアを持っているけれど、履歴書には何年前のスコアから記入できる?
結論としては、TOEICのスコアに有効期限はありません。
求人情報に〜年以内に受験したものに限る、といった文言がない限りは大丈夫です。しかし、ほとんどの場合、企業側は応募者の現在の英語力を知りたい訳ですから、レベルが下がっているにも関わらず5年も6年も前のスコアを記入するのはあまり好ましくなく、その点で約2年というのはある意味基準になります。
またもう1つの注意点は、公式認定証についてです。履歴書上のスコアが本物かどうかを判断するために公式認定証の提出を課す会社がありますが、その場合、公式認定証の再発行は試験日から2年以内と指定されているので、紛失の際には気をつけてくださいね。
履歴書に書けるスコアは何点から?
このスコアから書いて良いよ、という明確な点数はありません。ただ、先程平均スコアが580点前後という話をしましたが、あなたの実力が他者よりも優れていることをアピールしたいわけですから、平均スコアより高いほうが良いですよね。つまりトータル600点が最低ラインと考えます。
英語を日常業務で使わない会社への応募や、募集要項に英語力について明記されていない場合は、500点から記載しても問題ないでしょう。それ以下は書いてもあまり意味がないため、書かない方が無難です。
企業が求める点数は何点?
まず、大前提として、求められる点数はあくまで企業や部署によります。しかしグローバル化が進んだ現在では、期待される点数は以前と比べて上がっています。
TOEICを採用基準にしている会社が国内企業の場合、やはり最低600点は欲しいところです。外資系企業及び、楽天などの英語を公用語としている会社は800点以上が目安となります。興味のある企業があれば、まずはその会社が求めるスコアをチェックしてみましょう。
IPテストの点数も履歴書に記載してOK?
企業や学校で団体として受験するIPテスト。この点数はスコアレポートという形で団体を通して各応募者に配布されます。このレポートも公開テストの公式認定証同様正式かつ有効な書類なので、履歴書へのスコア記載はOKです。その際は下記のように書きます。
日本語:2020年1月 TOEIC-IP スコア700点取得
英語:TOEIC-IP Score 700, January 2020
しかし、通常履歴書に記載するスコアは、認知度の高いTOEIC公開テストと見なされるので、IPテストの点数を書いて良いかどうかは事前に先方へ確認すると良いでしょう。
一部、公開テストの公式認定証のみを考慮する企業などもあるので注意が必要です。そのように考えると、IPテストより公開テストを受験した方が汎用性が高いと言えるでしょう。決してIPテストが駄目と言っている訳ではないので、あなたの環境に合ったテスト形式を選択してくださいね。
600点を目指しているけれど勉強のコツが分からないという人には、こちらの記事が参考になります。
他の英語資格も持っていれば記入しよう!
企業に評価されやすい英語資格として最も有名なのはTOEICですが、仮にTOEIC以外の資格を取得している場合は、それを記入することで採用担当者の興味を引くことができるかもしれません。
TOEICのスコアも有している場合は両方あわせて書くと良いです。最近注目が集まっている資格3選を見てみましょう。
英検
小学生から大人までが幅広く受験し、TOEICと同じくらい広く知られている英検。
5級や4級だから履歴書に書けないとは言いませんが、英検にもおおまかな基準があり、通常2級(高校卒業程度)からが評価されるボーダーラインと言えます。
なお、英検は通称なので、履歴書へ記入する際は正式名称を使います。取得時期は、年月ではなく年のみの記入でOKです。
日本語:
2019年 実用英語技能検定2級 取得
英語:
Passed EIKEN Grade 2 in 2019
CASEC(キャセック)
英検の主催団体(公益財団法人 日本英語検定協会)による、オンラインで受験できる英語テストです。インターネットが繋がる環境さえあれば、どこでも24時間受験することができ、終了後すぐに結果も表示されます。
ちなみにTOEICはオンラインで結果が出るまで3週間、公式認定証の発行まで4週間かかるので、CASECは、TOEICの結果はまだ出ていないけれど、履歴書に何か英語関連資格を記載したい、という人にはうってつけのテストです。平均試験時間も約40分〜50分と短く、回答者のレベルに合わせて問題の難易度が変化する形式を取っているので、短時間で実力が判定できます。
CASECの履歴書への書き方は下記を参考にしてみてください。650点以上が目安になります。
日本語:
令和2年1月20日 CASECスコア650点 取得
英語:
CASEC Score 650, January 20th, 2020
IELTS(アイエルツ)
ここ数年で日本での受験者が増えているのがIELTS(International English Language Testing System)です。
海外の大学や大学院への留学、移住申請に際し求められる英語運用能力を判定するテストで、世界140ヶ国で受験することができます。4技能全てを判定し、スコアは1.0〜9.0まで0.5ポイント刻みになります。
またIELTSには、初日の筆記試験の実施日が能力証明の基準日になる、点数は合計点(Overall)を書く、アカデミック(Academic)とジェネラル(General)の2種類があるなどの細かいルールがあるため、もっと知りたい人は日本の運営元の公式HPを覗いてみてくださいね。
IELTSの履歴書への書き方は下記を参考にしてみてください。
日本語:
令和2年1月20日 IELTS (Academic) 6.5点 取得
英語:
IELTS (Academic) 6.5, January 20th, 2020
まとめ
昨今、企業の採用時だけでなく昇進時にも英語力が求められる時代になっており、多くの大手企業でも採用基準としてTOEICのスコアを取り入れています。
点数が大事なのはもちろんですが、もう1つ重要なのが、その先に進んだ面接などで、自己の英語力をいかにアピールできるかということです。
TOEICスコアは高得点なのに、実際に話すと上手くコミュニケーションが取れない人がいる、というのはよく聞く話ですが、できるだけそうならないよう、TOEICをその先の英語学習の足がかりのように捉えられると、更に勉強意欲が湧いてきますよ。
英語ぷらすでは、他にもTOEIC関連の記事を取り扱っているので、あなたの学習の参考にぜひ色々と読んでみてくださいね。
※全ての情報は記事執筆当時(2020年3月)のものです。