the otherの意味・使い方!another・other・othersとの違い
2021年に放送された日本沈没―希望のひと―のスピンオフドラマ、最愛のひと〜The other side of 日本沈没〜をご覧になった方もいるでしょう。
ところでThe other side of、ひいてはthe otherの意味はご存じでしょうか。
今回の記事ではthe otherの意味や使い方、another・other・othersとの違いをご説明します。
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the otherの意味
the otherとはもう1つやもう片方という意味で、他人という意味合いで使われることもあります。
不定代名詞の1つですが、名詞を修飾する形容詞的用法もあり、the other〜でもう1つの〜という意味になります。
the otherを理解する上で重要なのは、冠詞theがついているという点。
冠詞のあるなしによっても意味は変わってきますが、冠詞にもaとtheがあり、aが不特定のものを対象としているのに対し、theは特定のものを対象としています。
つまり、the otherは特定されるもう一つを指しているということです。
違いは?the otherと混同しがちな表現
先に述べたように、the otherは不定代名詞であり、形容詞としても使えますが、似た表現でニュアンスが異なるものがいろいろあります。
ここではthe otherと混同しがちな表現をピックアップして、違いをまとめてみました。
one
oneは数字の1であると同時に、1人、1つを表す代名詞です。また1人の、1つのを意味する形容詞としても使うことができます。
oneとthe otherの違いは、oneは最初の1つという点です。もちろん1つきりの場合もあり、他の何かがある場合もあります。
oneがあって、もう1つ何かがあれば、そのもう1つがthe otherです。the otherの場合、そこにはoneに該当するものがあるはずなので、必ず2つは何かがあるということになります。
another
anotherは、もう1つの別のもの(人)という意味で、こちらも代名詞のほか名詞を修飾する形容詞として使えます。
anotherという言葉の構成はan+otherなので、冠詞や所有代名詞はつきません。
anがついていると考えると、単数形のみを修飾するのではと思いがちですが、複数形を修飾する場合もあります。その場合は複数形を1つの集合と認識しているということになります。
other
otherは他のや別のという意味の形容詞で、代名詞として使うにはtheをつけるか、sをつけて複数形にする必要があります。
つまり、otherだけでは形容詞としてのみ使えるということになります。
others
otherは形容詞で、複数形othersにすると代名詞として使えると先に説明しました。
ですが、逆に名詞になることで形容詞としての役割は失われます。
othersは他のもの・他の人という意味で、名詞を修飾することはできないというわけです。
the others
the othersは他の全てという意味になります。
特定のoneがあり、それに対するもう1つがthe otherと説明しましたが、otherにsがつくと、one以外の残りすべてがthe othersということになります。
othersと同じく、the othersも代名詞としての用法のみで、形容詞には使えません。
sがついて複数形になった時点で名詞扱いになると考えると、わかりやすいかもしれませんね。
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the otherを含む熟語の使い方や例文
不定代名詞の基本をおさえたところで、the otherを含む熟語の使い方を例文とともに見ていきましょう。
the other way aroundの意味が逆なのはなぜ?
私は彼女に嘘をついていないわ。その逆よ。
I don’t lie to her. It’s the other way around.
the other way aroundは逆にや反対に、あべこべにという意味のフレーズです。
単語だけを見るとさかさまという意味は出てこないと思うかもしれませんね。
それは一見関係なさそうな、ぐるっと回るという意味を持つaroundが入っているせいもあるでしょう。
ですが、the other wayはもう1つの方向、これにaroundがついて、もう1つの方向へぐるっと回ると考えると、逆方向に、反対にというニュアンスになるのもわかりますよね。
the other day
先日、新しい携帯電話を買った。
I bought a new cell phone the other day.
the other dayで先日です。昨日はyesterday、最近はlatelyだけど、先日は何だったっけ?と思い出せないことは意外と多いのではないでしょうか。先日はthe other dayです。覚えておきましょう。
the other person
彼は相手の言うことを注意深く聞くことができる。
He can carefully listen to what the other person says.
the other personは相手の英訳として使われることがよくあります。
文脈によって相手と訳される表現にはpartnerやrivalもありますが、partnerは恋愛の相手、rivalは競争相手など使うシーンを選びます。
一般的な相手の意味で使えるのはthe other personと覚えておきましょう。
one after the other
父と母が交互に車を運転した。
My father and mother drove the car one after the other.
one after the otherは交互に、交替で、代わるがわるという意味です。
もっとも交互にというニュアンスなのは2つや2人の場合で、特定数を前提とした3つや3人以上の場合は順々にといった意味になります。例文では父と母の2人ですから、交互にと訳されているわけですね。
彼の友人達は次々に帰宅した。
His friends got home one after the other.
こちらの例文ではone after the otherが次々にと訳されています。
このように次々にや順々にといった意味でもone after the otherは使うことができます。
彼女の鞄から次々に私の物が出てきた。
My stuff appeared from her bag one after another.
one after the otherに似た表現にone after anotherがありますが、こちらも次々にという意味です。もっともone after anotherの方には2人や2つが交互にという意味はなく、特定数が順々にというニュアンスもありません。つまり、
・one after the otherは2人や2つが交互に、あるいはそれ以上の特定数の人やものが次々と
・one after anotherは不特定多数が次々と
となるわけですね。微妙な違いですが、2人が交互にという時はまずthe otherを使うと覚えておきましょう。
the other side
その建物はこの通りの向こう側にある。
The building is on the other side of this street.
the other sideは片方やもう一面です。this streetのもう片方ですから、通りの反対側、向こう側となるわけですね。
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歌詞が気になる!the other sideを含む曲タイトル
さまざまな場面で使われるthe otherですが、音楽シーンではthe other sideというフレーズがよく登場します。現実とは違う、もう片方の魅力的な世界として描かれることが多いようです。最後に、the other sideを含む曲タイトルをご紹介します。
気になる曲があれば、どのような歌詞なのか調べつつ聴いてみてくださいね。
Jason Deruo(ジェイソン・デルーロ)のThe Other Side
アメリカのシンガーソングライターJason Deruo(ジェイソン・デルーロ)が出したシングルには、そのままずばりThe Other Sideという曲があります。
the other sideに連れていってほしいと繰り返される歌ですが、別の世界と翻訳されることが多いようです。恋のドキドキ感が爽やかな歌声に乗って流れてきます。
Bruno Mars(ブルーノ・マーズ)のThe Other Side
人気アーティストBruno Mars(ブルーノ・マーズ)にも同じく、The Other Sideという歌があります。デビューアルバムの収録曲でCee Lo Green(シーロー・グリーン) とB.o.Bとのコラボ曲です。
こちらも同じく、こちらではないあちら側という意味で、違う世界を表しています。
あちら側で待ってるぞと歌いますが、どうもきな臭い世界らしいことが歌詞からわかります。
Conan Gray(コナン・グレイ)のThe Other Side
英語圏の人のThe Other Sideに対する憧れはとても強いようで、Conan Gray(コナン・グレイ)の歌にもThe Other Sideという歌があります。
この楽曲では、別世界ならうまくいくかな、うまくやりたいなと歌っています。
映画・The Greatest Showman(グレイテスト・ショーマン)のThe Other Side
映画The Greatest Showman(グレイテスト・ショーマン)にもThe Other Sideという歌があります。
ここで歌われているのも、向こう側の世界です。ありきたりじゃない向こう側の世界に行こうよと誘います。日常から抜け出すことがエンターテインメントの役目なのかもしれませんね。
坂本龍一 featuring Sister MのThe Other Side Of Love
邦楽でもThe Other Sideをテーマにした楽曲はあります。
坂本龍一 featuring Sister MとしてリリースされたのがThe Other Side Of Loveです。翻訳すると愛の向こう側でしょうか。
1997年の作品ですが、ドラマの主題歌になったのでご存じの方も多いかもしれませんね。
ちなみにSister Mは坂本龍一さんのご息女である坂本美雨さんです。
TVアニメ・プリンセス・プリンシパルのThe Other Side of the Wall
The Other Side of the WallはTVアニメプリンセス・プリンシパルのOPテーマ曲です。
東西に分裂したロンドンを舞台に少女たちが繰り広げる本格スパイアクションで、the Wall(壁)の向こう側というタイトルは作品世界を象徴しています。
まとめ
otherは中学校の英語学習に登場しますが、難しいと感じた方が多いのではないでしょうか。実際に冠詞がついたり複数形になったりすることで、微妙にニュアンスが変わるため、混乱しやすいかもしれません。
しかし、このページの情報も参考にポイントを1つずつおさえていけば、きっとなるほどと納得できるはずです。
英語学習には英文法も大切ですが、やはり基礎となるのは語彙力です。ビジネス英会話だと専門用語などが必要になってきますが、日常英会話なら中学高校で習った英単語だけでも十分に成立します。語彙を増やしていく前に学校で習った単語を今一度おさらいしておきましょう。
忙しくて時間がない人には辞書アプリやオンライン辞書がおすすめです。スマホやタブレットがあれば、いつでもどこでもアクセスできるので、移動時間などのすきま時間を英語の勉強に当てられます。英辞郎on the WEB ProやEDR日英対訳辞書など種類もいろいろあるので、レビューなどを参考にしながら自分にあったものを見つけましょう。
覚えた単語は実際に使ってみることが大切です。英会話スクールに通えれば一番ですが、難しい場合はオンライン英会話という手もあります。英会話文法などについても質問したい場合はマンツーマン英会話コースを選ぶといいでしょう。無料体験レッスンを利用できるところもあるので、まずは試してみてはいかがでしょうか。
英語表現は覚える→使う→おさらいするのループで少しずつ身についていくものです。
自分が話すことも大切ですが、ネイティブが話すのを聞いているだけでも使用頻度の高い単語やフレーズはわかってきます。また、どのような場面で使うかも、聞いているうちに自然と掴めてくるはずです。使い方がわかったら次はネイティブの表現を真似してみましょう。日本語もそうやって身に付けてきたはずですよね。
語彙力がないから英語が話せないのではなく、英語を話さないから語彙力が身に付かないのです。とくに中学高校で学んだ英単語はすでに勉強済みですから、覚える段階が終了しているものは多いはずです。だとしたら次は使う段階です。ぜひ英会話に挑戦してみてくださいね。