カラスは英語でなんて言う?カラスの群れの表現や「カラスを食べる」の意味と例文
魔法使いの使い魔としておなじみのカラスですが、英語では何というのでしょうか。
今回の記事では、カラスにまつわる英語表現をご紹介します。
英語圏でも古来から身近な存在だっただけに、カラスを食べるといった言い回しやカラスの群れを表す驚きの単語などユニークな表現もあります。この機会にマスターしてしまいましょう!
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カラス(烏・鴉)は英語でなんて言う?読み方は?
日本語のカラスという言葉は、黒から来たとも、鳴き声から来たともいわれています。
漢字も烏と鴉の2つがありますが、漢字のなりたちもかなりユニーク。烏は鳥という漢字から作られた象形文字です。
カラスは真っ黒で目がどこにあるかわからないため、漢字の鳥から目を表す横線を取って烏とし、カラスを表現しているのです。鴉の方は、意味と音を表す文字を組み合わせた形声文字で、牙(ガ)は鳴き声を表しています。
日本語と同じく英語にも、カラスを表す単語は2つあります。それぞれの単語と意味の違いについて詳しく見てみましょう。
カタカナでクロウ・発音とカラス以外の意味
カラスの総称として用いられる単語がcrowです。
カタカナ表記のクロウは見たことがある方も多いかもしれませんね。
crow
ちなみに、種類別で、
ハシブトガラス:jungle crow
イエガラス:house crow
チャガシラガラス:brown-headed crow
クビワガラス:collared crow
このように、それぞれの特徴を冠した名前がついています。crowにはカラスという意味のほかに雄鶏の鳴き声という意味もあり、雄鶏が鳴く・時を告げるという動詞としても使われます。
カタカナでレイブン・発音とカラス以外の意味
カラスを表すもうひとつの単語はravenです。crowよりも大型のものを指し、大ガラス・ワタリガラスと訳されることもあります。カタカナ表記はレイブンまたはレイヴンで、こちらも聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。
raven
ravenにも種類があり、
オオハシガラス:thick-billed raven
シロエリガラス:white-necked raven
など、特徴を冠した名前がついているのはcrowと同じですね。
ravenも動詞として使われることがありますが、その意味は略奪する・荒らし回る・むさぼり食うなどで、あまりいいイメージがありません。
日本のカラスはどっち?crowとravenの違い
日本でよく見かけるカラスは主にハシブトガラスとハシボソガラスの2種類で、ハシブトガラスは全長約56cm、ハシボソガラスは約50cm。これに対してワタリガラスは一回り大きい約60cmなので、日本に棲息しているカラスが小柄であることがわかります。
大型のカラスがravenですから、小柄な日本のカラスはcrowということになります。
大鴉のravenといえば、大人気のファンタジー小説「ハリー・ポッター」シリーズを思い出す方も多いかもしれませんね。主人公のハリーが入学したホグワーツ魔法学校には生徒が入る寮が4つあり、そのなかの1つがravenclawでした。カタカナ表記ではレイブンクローで、ravenは大鴉、clawは鉤爪を意味します。
カラスの複数形
カラスを意味する単語の複数形はどちらも可算名詞なので、末尾にsをつけます。これは簡単なので覚えやすいですね。
crows
ravens
カラスの群れの英語表現
複数形はsをつけるだけですが、カラスの群れという場合には英語独特の言い回しがあります。それがa murder of crowsです。murderは殺人ですから何とも奇妙な表現ですが、カラスの群れがぎゃあぎゃあと鳴きながら死肉を漁るさまが殺人現場をイメージさせるのかもしれませんね。
もっともa murder of crowsは文学作品などで用いられる詩的な表現で、一般的には鳥の群れを表すflockを使ったa flock of crowsということが多いようです。カラスに限らず動物の群れを表す単語を集合名詞といいます。
a school of fishという言い方もあり、魚の群れを魚の学校に見立てているわけです。複数の魚がいないと学校とはいえませんから、これはわかりやすい表現ですね。ライオンの群れはa pride of lions。誇り高いライオンのイメージとつながりますよね。
a band of gorillasはゴリラの群れです。ゴリラが胸を叩くことをドラミングといいます。ドラミングは、鳴き声以外の方法で動物が音を出す動作を指しますが、ドラムの演奏という意味もあります。胸をたたくゴリラ=ドラムの演奏=バンドとなったのでしょうね。
カラスの鳴き声は英語で何?
カラスの鳴き声は日本語ではカァカァですが、英語では何と言うのでしょう?
正解はcawです。
caw
発音が日本語のカァと似ているのは面白いですね。
cawはカラスがカァカァ鳴くという意味で動詞としても使えます。
英語では動物が鳴くという際、dogはbark、lionはroarのように異なる単語を用いることがあります。集合名詞同様、日本語にはない表現なので覚えておきましょう。
カラスを含む例文
それではカラスを使った例文をご紹介します。
ユニークな表現もあるので、覚えて使ってみてくださいね。
ことわざ「闇夜に烏(カラス)雪に鷺(サギ)」
暗がりで黒豚を追うのは難儀だ。
It is ill to drive black hogs in the dark.
日本には、周りに溶け込んでいて区別が付きにくい様子から、判別しにくいことのたとえとして、闇夜に烏(カラス)雪に鷺(サギ)ということわざがあります。
似た意味のことわざに暗がりから牛を引き出すというものもあり、これらを英訳する際はIt is ill to drive black hogs in the dark.がよく使われます。
英語のことわざではカラスではなくblack hogs、黒豚が登場するのです。闇夜に溶け込む真っ黒な生き物として日本語ではカラスが使われていますが、英語では黒豚となるのは面白いですね。
カラスに襲われる
私の子供は登校中にカラスに襲われた。
My child was attacked by a crow on the way to school.
カラスは賢く、意地悪をした人間に仕返しをすることがあるといいますね。
カラスに襲われてしまった時は、be attacked by a crowを使います。カラスにアタックされるというわけですね。
on the way to schoolは通学中にという意味です。
カラスの巣
電柱の上にカラスの巣があります。
There’s a crow’s nest on the utility pole.
カラスの巣はcrow’s nestです。nestは巣を意味します。
電柱はutility poleです。utilityは実用・有用という意味で、電気や水道といった公益事業を表す際にも使われます。poleは竿や柱で、カタカナ表記のポールは日本語でもおなじみですね。
カラスを食べる?
社長は自分の過ちを認めるべきだと思う。
I think that my boss should eat crow.
eat crowは直訳するとカラスを食べるとなりますが、失敗や敗北を認める・苦汁を飲まされるという意味で使われるイディオム。由来は定かではありませんが、戦争に負けた兵が無理矢理カラスを食べさせられたことから生まれたとする説もあるようです。
crowは加算名詞ですが、このフレーズでは複数形のsも冠詞もついていません。これはこの場合のcrowがカラスの肉を意味しているからで、a crowならカラスを丸ごと1羽食べるという意味になってしまいます。
ちなみに南オーストラリア人をcrow eaterというスラングで呼ぶことがあります。
これは初期の入植者が食糧が不足した時にカラスを食べていたことに由来しています。
直線距離
東京から大阪まで直線距離で約400kmあります。
It’s about 400 kilometers from Tokyo to Osaka as the crow flies.
as the crow fliesは直線距離でと翻訳されます。
曲がりくねった道をたどるのではなく、二点間をカラスが真っ直ぐ飛んでいったとしてといっているわけです。これは、ねぐらと餌場を往復するとき、行きも帰りも寄り道せずにまっすぐ飛んでいくというカラスの習性から生まれたそう。なかなかユニークな表現ですね。
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鳥の英語表現
最後に日本語でもおなじみの鳥を表す英語表現を少しだけご紹介します。
意外に知っている単語も多いのではないでしょうか。知らない単語はこの機会に覚えてくださいね。
ツバメ(燕)
swallow
カタカナ表記するとスワローです。プロ野球のスワローズでおなじみの単語ですね。
スズメ(雀)
sparrow
カタカナ表記だとスパローです。映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の主人公ジャック・スパロウ(英語名: Jack Sparrow)船長の名前として知っている方が多いかもしれませんね。
ハト(鳩)
鳩を表す単語は2つあります。
pigeon
dove
pigeonはピジョンで飼い鳩、doveはドーブで野鳩を意味します。
pigeon droppingsといえば、鳩の落とし物という意味ですが、要するに鳩のフンのことで、基本的に複数形で使われます。
フクロウ(梟)
owl
owlはオウルとカタカナ表記されることが多いですが、音声を聞いていただくとわかるようにアォゥの方が近いです。
オウルといえば、くまのプーさんの仲間のフクロウの名前としてお馴染みですね。
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まとめ
イソップ寓話やアニメーション映画など、動物を擬人化した物語が英語圏には少なくありませんが、動物に関する表現も独特なものがたくさんあります。
社会人になると動物に関する単語を学ぶ機会はなかなかありませんが、機会を見つけて覚えていきましょう。
子ども向けの言語学習用オーディオブックの英語版やイラスト付き電子書籍などを利用するのもおすすめです。きいろいとり文庫のThe Vain Jackdaw(おしゃれなカラス・英語版)などを、イラスト満載のページをめくりつつ、ナレーターがお話してくれるストーリーに耳を傾けつつ、童心に返って楽しんでみましょう。子供向けのナレーションは聞き取りやすいものが多いので、繰り返し再生すればヒアリングの練習になります。
最近は英語版コンテンツも充実しているので英語学習用商品のKindle版だけでなく、幅広く探してみるといいでしょう。より楽しく取り組めるよう好きな著者の作品を選ぶのもよいですし、口コミの総合評価が高いものから選ぶのも手です。
さまざまな表現や用語を学ぶにはやはり英和辞典は欠かせません。多忙な人には出先でも検索表示できるオンライン辞書や辞書アプリがおすすめです。Weblio英和辞典・和英辞典なら、EDR日英対訳辞書やWeblio英和対訳辞書、日英・英日専門用語辞書など、種類も豊富に揃っているので、自分に合ったものを見つけましょう。英辞郎on the WEB Proのように無料版が用意されているものもあるので、まずは使い勝手を試してみるといいかもしれませんね。例文帳に登録できる機能付きのものもありますよ。何事も、好きこそものの上手なれです。英語力を上げるなら、楽しみもセットになる方法でブラッシュアップしていきましょう!