discuss aboutは間違い?他動詞discuss withの正しい使い方
私たち日本人を含む多くの英語を母国語としない人たちにとって、間違いやすかったり勘違いしていたりする英語表現は多々あります。
今回はその内の一つ、discuss aboutについて取り上げます。
そうなんです。discuss aboutという英語表現は間違いなのです。今まで使っていた、正しいと思っていたという方は、これを機に正しい英語表現を学びましょう。
この記事では、なぜdiscuss aboutが間違いなのか、正しくはどう表現すればいいのか。また、discuss withやdiscuss on、discussion aboutは正しいのか?間違っているか?などを解説します。
ここでしっかりとdiscussの正しい使い方をマスターして、ストレスのない英会話を楽しみましょう!
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discuss aboutは間違い?
冒頭でもお伝えしたように、discuss aboutという表現は間違いです。多くの人が間違えて使うことがあります。
discuss about ~で、~について話し合うということを言いたいということは察しがつきます。しかし、discuss aboutとしてしまうと、~について~について話し合う…と、~についてが重複していることになってしまいます。
というのも、discussの意味は、~について話し合うだからです。about(~について)がない状態で、~についてという意味が含まれているのです。
つまり、discuss(~について話し合う)には、aboutはいらない!aboutはつけてはいけない!のです。
また、~についてと言う意味が含まれている以上、discussの後ろには、必ず、~にあたる事柄(目的語)を述べなければいけません。
以下、正しい例文と間違っている例文を通してdiscussの使い方を確認しましょう。
私たちはそれについて話し合う必要があります。
× We need to discuss about it.
(前置詞aboutは不要!)
× We need to discuss.
(discussの後ろには必ず、話し合う事柄である「目的語」が必要!)
〇 We need to discuss it.
(itがdiscussの目的語としてあるのでOK!)
〇This is the issue need to be discussed.
(the issueがdiscussの目的語としてあるのでOK!)
※be動詞+過去分詞で「議論される」という意味になります。
mention aboutやexplain aboutは間違い?
discussのように、動詞の後に必ず目的語が必要な動詞を他動詞と言います。
他にも、mention(~について述べる)やexplain(~について説明する)も他動詞なので、mention aboutは間違い。explain aboutも間違いです。
mention aboutもexplain aboutもdiscuss aboutと同じく、よく間違えるNG表現なので、ここで合わせて使い方を確認しましょう。
私たちはそれについて述べる必要があります。
× We need to mention about it.
× We need to mention.
〇 We need to mention it.
私たちはそれについて説明する必要があります。
× We need to explain about it.
× We need to explain.
〇 We need to explain it.
なお、他動詞については、こちらの記事で詳しく解説しているので、あわせて確認することをおすすめします。
discuss+前置詞は間違い?
discuss onやdiscuss withなどはどうでしょう?聞いたことがあるような、普通に使っているような…気がしますよね。ここで、discussの後ろに前置詞をつけるパターンに関して確認しましょう。
discuss with
discuss withは間違いです。~(人)と話し合うと言いたい場合には、discuss ~ with 人の形にします。前述の通り、~の部分(discussの後ろ)には、何について話し合うかという目的語を入れます。
その件についてあなたのお母さんと話し合いたいです。
I want to discuss the matter with your mother.(the matterが目的語)
上司とその計画について話し合いました。
I discussed the plan with my boss.(the planが目的語)
discuss on
discuss onも間違いです。onはaboutと同じような使われ方(~について)をする場合が多いため、discuss about=discuss onで、~について話し合うと表現できると勘違いされることがあります。
しかしながら、discuss onもdiscuss aboutと同じく文法的に間違った表現です。
私たちはあの件について話し合う必要があります。
× We need to discuss on that.
〇 We need to discuss that.
以下のようにdiscuss + 目的語の後にonが来ることはあります。
環境への影響について考えてみましょう。
Let’s discuss the effects on the environment.
discuss over
discuss overも間違いです。talk over(~について話し合う)という表現はありますが、discuss overはNG。混同しないように気をつけましょう。
私たちはあの件について話し合う必要があります。
× We need to discuss over it.
〇 We need to discuss it.
〇 We need to talk over it.
discuss + 目的語の後にoverが来ることはあります。
ランチしながらそのリスクについて話し合えますか?
Can we discuss the risks over lunch?
私たちはその問題について電話越しに話し合わなければいけません。
We have to discuss the issue over the phone.
discussion aboutも間違い?
では、discussの名詞discussionの場合はどうでしょう?
名詞discussionの意味は、話し合いや議論です。他動詞discussと違って、~についてという意味は含まれていません。
そのため、名詞discussionを使って、~について話し合うと言いたい場合は、have/hold a discussion about ~とします。aboutの代わりにof やonを使うこともあります。
また、他動詞discussのように、discussionの後ろに必ず目的語を取らなくてはいけないということもありません。
以下でdiscussionの使い方を確認しましょう。
議論は終わりました。
The discussion is over.
彼らは政治についての議論を望んでいません。
They don’t want a discussion about politics.
そのプランについて多くの議論の末、彼らはそれを受け入れました。
After much discussion of the plan, they accepted it.
私たちはその問題について話し合いました。
We had a discussion on the problem.
間違いを恐れずに!ネイティブも実は…?
ここまでdiscuss aboutは間違い!discuss onも間違い!などと、英語表現の文法的な間違いをダメ出ししてきました。
ただ、ダメ出しされると人は、ミスをしてはいけない…と縮こまってしまう傾向がありますよね。正しい英語に固執しすぎて、実際の英会話において自由に伸び伸びと発言できなくなってしまっては、せっかくの英語学習が無駄になってしまいます。
ネイティブがdiscuss aboutと言ってしまうことは少ないでしょう。
しかし、誰かがdiscuss aboutと言ったからといって、その間違いを笑ったりけなしたりするネイティブはいません。(中にはいるかもしれませんが、それは人格的な問題です…。)
また、世界中にはネイティブ以外で第2外国語として英語を使う人口はとても多いです。そして、discuss aboutをはじめ間違ったまま使われている英語表現は、他にもたくさんあります。中にはネイティブが間違えて使っているケースすらあります。
間違った英語を気にせずに使ってください!という意味ではありません。
間違いを恐れずに、積極的に英語を使ってください!大切なのは英語でコミュニケーションをとろうという積極的な気持ちです。
ミスはしてもいい!気づいたときに正しい方向へと修正すればいいだけの話です。
まとめ
discussは、~について話し合うという意味の他動詞です。そのため、~についてを意味するaboutを伴ったdiscuss aboutという表現は間違いです。
discussの後ろには前置詞ではなく、何について話し合うかという目的語がきます。つまり、discuss itで、それについて話し合うという意味になるのです。
ただしdiscussionは、議論という意味の名詞なので、~についての議論と言いたい場合にはaboutやof、onを伴います。つまりdiscussion about itで、それについての議論という表現になるということです。
慣れるまでは混乱することもあるかと思いますが、ミスは恐れず積極的に使うことが、上達への近道です。思ったことを伝える気持ちを大切に、英語でのコミュニケーションを楽しみましょう!