talk toの意味と使い方|talk withとの違いを例文で比較

Can I talk to you now?これは、今話してもいい?と聞く際の一般的なフレーズです。では、talk toをtalk withに変えたCan I talk with you now?は、どういう意味になるのでしょうか?
実はCan I talk with you now?も同じく、今話してもいい?という意味のフレーズです。
しかしながら、これら2つのフレーズでは、話してもいいかと聞いている人物の「気持ち」に大きな違いがあります。
今回は、talk toの意味と使い方を、talk withとの違いに触れながら紹介します。言い換えが可能な場合と使い分けが必要な場合、それぞれ例文と共にしっかりと学んでいきましょう!
>英語が上達する1日3分の無料メール講座<
talk toの意味
talk toには2つの意味があります。
1つは、~に話しかけるという「一方的に」話すという意味です。
もう1つは、~と話すという「互いに」話し合うという意味です。
メインの使われ方は「一方的に話す」ですが、「互いに話し合う」という意味でも使われることがあるため、状況によって判断する必要があります。
それでは、それぞれの意味での使い方を例文とともに見ていきましょう。
①~に話しかけるtalk toの使い方&例文
~に話しかけるという意味のtalk toは、話し手が一方的に話すケースです。talk toのメインとなる使い方で、自分が相手に何かを伝えたい時や、話し手と聞き手の役割がはっきりしている場合に使われます。
イメージとしては、このような感じです。
A(話し手)→B(聞き手)
聞き手であるBは、頷いたり軽く相槌を打ったりするのみで、Aの話をただ聞いてるだけ。場合によっては、Bはその話を聞きたいとすら思っていないことも考えられます。上司が部下に指示する際や、親が子どもに説教するシーン、お店のスタッフにクレームをするシーンなど、さまざまなシーンが思い浮かびますね。
マネージャーとお話したいのですが。
I’d like to talk to the manager.
あなたに話があります。
I need to talk to you.
話をさせて。
Let me talk to you.
②~と話すtalk toの使い方&例文
~と話すという意味のtalk toは、互いにまたは複数人で話し合うケースです。talk toのメインの使われ方ではありませんが、この意味で使われることもあります。
同僚たちと業務の相談をしたり、親子で高校の進学先について話し合ったり、お互いが発言し、会話のキャッチボールをする際に使われます。
いつでも話しかけてね。
You can talk to me anytime you want.
昨日、義理の母との会話を楽しみました。
I enjoyed talking to my mother in law yesterday.
Talk to the hand!の意味は「手と話す」?
talk toを使ったイディオムで、Talk to the handというものがあります。これは直訳すると、手に話しかけるまたは手と話すとなります。しかし、これでは意味が通じませんよね。
talk to the handは、これ以上話したくない、もう話はおしまい、やめてという意味のイディオム。自分の手のひらを相手に向けて、話を終わらせたい時に使います。
恋人との口喧嘩や親からのお説教、しつこくナンパしてくる人に対してなど、使えるシーンはたくさんありそうですね!
talk toとtalk withとの違い
冒頭でのCan I talk to you now?と、Can I talk with you now?の違いを解明すべく、talk toとtalk withの違いを見ていきましょう。
talk withは、~と話すという意味で、互いにまたは複数人で話し合う際に使われます。talk toの②の用法と同じなので、この場合は、talk toとtalk withは言い換えが可能です。
しかし、talk withにはtalk toの①の用法(一方的に話しかける)という意味はありません。
つまり、talk toとtalk withの違いは、talk withにはtalk toの①「一方的に話しかける」用法はないという点です。
talk toとtalk withの言い換えが可能なケース
互いにまたは複数人で話し合うという意味で使うのであれば、talk toとtalk withは言い換えが可能です。
監督と私の映画について話したいです。
I want to talk with the director about my film.
=I want to talk to the director about my film.
ケリーと電話で話しました。
I talked with Kelly on the phone.
=I talked to Kelly on the phone.
ただし、基本的にtalk toは「一方的に話しかける」という意味合いがメインであるため、はっきりと「互いに話し合う」というニュアンスで伝えたいのであれば、talk withを使うことをおすすめします。
talk toとtalk withの言い換えができないケース
talk toとtalk withの言い換えができない、または不自然となるケースを例文で確認しましょう。
私はぬいぐるみに話しかけます。
〇 I talk to my stuffy.
× I talk with my stuffy.
(一般的に)ぬいぐるみとは話し合うことができないので、talk toを用います。
〇 He is talking to himself.
× He is talking with himself.
talk to oneselfで独り言を言うという熟語なので、talk withは使えません。
Can I talk to you now?とCan I talk with you now?の違い
talk toとtalk withの違いは理解できたでしょうか?ここでまとめをしながら、冒頭の課題Can I talk to you now?とCan I talk with you now?の違いを確認していきましょう。
【talk toの意味と使い方】
- 一方的に話しかけるという意味がメイン
- 話し手と聞き手の役割がはっきりしている場合に使う
- 互いに話し合うという意味で使うこともある
【talk withの意味と使い方】
- 互いに話し合うという意味
つまり、Can I talk to you now?と言われた場合は、相手が一方的に自分に話したい気持ちが強く、Can I talk with you now?と言われた場合は、相手は自分と一緒に会話をしたい気持ちがあるということ。これが2つの違いの基本です。
ネイティブにも明確に使い分けをしない人もいますが、基本は基本としてしっかりと理解しておきましょう。
talk toとspeak toとの違い
speak toは、~に話しかけるという意味で、talk toの①の用法(一方的に話しかける)と同じです。talk toの②の用法(互いに話し合う)という意味はありません。
また、どちらかというとtalk toは知り合いに話しかける際によく使われ、speak toは、よく知らない人に話しかけたり、ビジネスシーンや公式な場で話しかける際に使われる傾向があります。
ただ、これに関してはネイティブも意識している人は少ないので、そこまで厳密に使い分けを意識する必要はありません。では、talk toとspeak toの言い換えができるケースとできないケースを例文で確認しましょう。
あの子と話してみたいな。
〇 I want to talk to that girl.
× I want to speak to that girl.
誰かと会話を繰り広げたい、交流したいという際には、speak toは使えません。talk toを用います。
彼は独り言を言っています。
〇 He is talking to himself.
〇 He is speaking himself.
talk to oneselfまたは、speak to oneselfで独り言を言うという熟語です。
まとめ
talk toは基本的に、「一方的に話しかける」、「話し手と聞き手の役割がはっきりしている」場合に使います。ただ、talk withと同じく、「互いに話し合う」意味もあるため、複数人で会話をするという場面で使われることもあります。
ただし、talk toは一方的に話しかけるニュアンスが強い言い回しなので、はっきりと「互いに話し合う」というニュアンスで伝えたいのであれば、talk withを使うといいでしょう。
talk toとtalk withは、toとwithのたった一つの前置詞の違いで、伝わるニュアンスが変わってくる面白い表現です。こうした基本をおさえることで、コミュニケーション力は大きく変わってきます。小さな違いでも見過ごさず、しっかりと理解し使いこなせるようになるといいですね!