「貸す」英語での使い分け8選|lend/rent/leaseそれぞれの意味や覚え方を例文で解説
lend、rent、lease、日本語ではどれも一括りに「貸す」と訳される英単語。
ではどうやって使い分ければいいのでしょうか?
同じ「貸す」であっても無料で貸したり、有料で貸したり。また、期間が決まっていたり、決まっていなかったり、一言で貸すと言ってもいろいろなシチュエーションがあります。また、単語によっては貸すの反義語であるはずの「借りる」の意味も存在したりと、使い方次第ではとんでもない間違いにつながってしまうことも。
今回は、それぞれの「貸す」を表現する単語に込められた意味を、例文とともに解説していきます。
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無料で貸すときは、lend / loan / use
まずは、無料で「貸す」という単語から見ていきましょう。
お金を払わずに何かを貸すときには、lend / loan / useを使います。
①移動できるものを貸すときには、lend
何かを貸すときに、一番広く使われるのがlendです。
lendは、本やCDなど持ち歩けるような移動できるものを無料で貸すときに使います。
lendの活用形は、次のとおり。
不規則動詞で過去形と過去分詞形が同じ形なことに注意しましょう。
・原形:lend
・三人称単数形:lends
・現在分詞形:lending
・過去形:lent
・過去分詞形:lent
私の自転車を彼に貸しました。
I lent my bicycle to him.
ただし、lendは貸すという動作のみを指します。そのため、日本語の「貸りたい」という表現をするときは、英語ではあまりlendを使わず、以下のように言うことが多いです。
この本を貸してもらえますか?(本を借りて家まで持ち帰るイメージ)
Can you lend me this book?
この本を貸してもらえますか?(その場で見せてもらうイメージ)
Can I have a look at this book?
②lendよりフォーマルな単語がloan
loanは、lendよりフォーマルな単語です。日本語でローンというと、住宅ローンのように大きな買い物をするときに利子のつく分割払いを指しますが、英語では日本語より幅広く使えます。
loanの活用形は、次のとおりです。
・原形:loan
・三人称単数形:loans
・現在分詞形:loaning
・過去形:loaned
・過去分詞形:loaned
その道具を貸してもらえますか。
Could you loan me the tool?
loanは、アメリカではお金を貸すときに使われることが多く、イギリスでは高価なものを博物館などに貸し出すときに使われることが多いという違いもあります。
母が私に100ドル貸してくれた。
My mother loaned me $100.
彼女は自分のコレクションを博物館に貸し出した。
She loaned the museum her collection.
動詞で使われることも多いloanですが、名詞としても使われています。
カメラを貸してくれてありがとう。
Thank you for the loan of your camera.
③移動できないものを貸すときには、let+目的語+use
実は、移動できないものを貸すときに使う単語はありません。
そのため、useと使役動詞のletを組み合わせて「使わせてあげる」という意味にして、let + 目的語 + useという表現を使います。
電話(固定電話)を貸してもらえますか。
Can you let me use your phone?
この場合は、借りる=使う、という表現を見ると分かりやすいですよ。
電話(固定電話)を貸してもらえますか。
Can I use your phone?
「使わせてあげる」という日本語訳からも分かるとおり、移動できないものだけではなく、移動できるものにも幅広く使えます。
彼は、私に車を貸してくれた。
He let me use his car.
④お金を貸すときは、lend / loan
お金を貸すときにもlendやloanを使います。お金は持ち歩いたり移動できるもの。そこでlendやloanが使われると考えれば覚えやすいですね。
loanの章でアメリカでは主にお金を貸すときに使うことを説明しましたが、lendはイギリスなど幅広く使われます。
銀行は低金利でお金を貸してくれた。
The bank lent us the money at cheap rates.
住宅ローンについてはmortgageという単語があることに気をつけましょう(カジュアルな場面では、home loanということもあります)。
彼は30年ローンを組んだ。
He took out a 30-year mortgage.
名詞のloanには、日本語と同様に銀行などから借りるローンの意味があります。
ローンの支払期間は、5年です。
The loan repayment period is 5 years.
有料で貸すときには、rent / lease / hire out
何かを貸すのにお金の支払いが発生するときには、rent / lease / hire outを使います。「借りる」という意味もあるので、リーディングでは文脈に注意して読みましょう。
⑤有料で期間を決めないときにはrent
日本語でレンタルCDやレンタカーというと期間限定で借りるイメージですが、英語では期間を決めずに貸し出すときに使います。
rentの活用形は、次のとおり。
・原形:rent
・三人称単数形:rents
・現在分詞形:renting
・過去形:rented
・過去分詞形:rented
ただしrentは、以下のように同じ文章でも反対の意味を併せ持つことがあります。そのような場合は文脈を読んで判断するしかありません。
あの農家は、彼に土地を貸している。
あの農家は、彼に土地を借りている。
That farmer rents him the land.
このように、entは貸すときと借りるときの両方で使いますが、rent outもしくはrent toにすることで貸しだすの意味になり、違いを明確にすることができます。
彼は、農家に土地を貸している。
He rents out the land to that farmer.
あの農家は、彼に土地を借りている。
That farmer rents the land from him.
⑥有料で期間を決めて貸すときにはlease
leaseは契約を結んで期間を決めて貸すときに使います。日本語でもリースで貸す(借りる)ときには、契約を結んで期間を決めていますよね。それと同じだと覚えておきましょう。
leaseもrentと同様に借りるときにも使いますが、lease outとoutを使うと貸し出すという意味に限定できます。
leaseの活用形は、次のとおり。
・原形:lease
・三人称単数形:leases
・現在分詞形:leasing
・過去形:leased
・過去分詞形:leased
彼は現地企業にビルを貸したいと思っている。
He hopes to lease the building to local companies
⑦有料で短期間だけ貸すときにはhire out
hireは人を雇うという単語のイメージが強いかもしれませんが、hire outになると有料で短期間だけ物を貸す、という意味になります。これは、主にイギリスで使われる表現です。
hireの活用形は、次のとおりです。
・原形:hire
・三人称単数形:hires
・現在分詞形:hiring
・過去形:hired
・過去分詞形:hired
そのお店は、機械工具を貸し出している。
The shop hires out mechanical tools.
⑧家を貸すときにはrent / let
家を貸すときにもrentを使います。日本でもビルに「for rent」と賃貸募集の張り紙を見たことがある人も多いのではないでしょうか。rentは、動詞でも名詞でも使えるのです。
また、イギリス独特の言い方としてletを使うこともあります。
letの活用形は、次のとおり。
・原形:let
・三人称単数形:lets
・現在分詞形:letting
・過去形:let
・過去分詞形:let
彼らは部屋を学生に貸した。
They let the room to a student.
まとめ
紛らわしいくらい沢山ある「貸す」という英語表現ですが、それぞれ意味が違うので使い分けが重要です。間違って使うと、有料で貸したつもりが無償になっていた、なんて悲しいことが起きかねません。
何かを貸すときに、まず思い出したい単語はlend。ただし、お金を貸すときには要注意!lendは無料で貸すことになってしまいますよ。loanもlendと似た意味ですが、フォーマル度が少し上がります。
有料で貸したり、土地や建物を貸すときに使えるのがrent やlease。この2つの違いは、契約を結んでいるかどうかです。たくさんあって難しく感じるかもしれませんが、基本を押さえながら自分で使える表現を増やしていきましょう!
状況別に説明してくれているので、よくわかりました。