英語スラングain’tの意味と使い方|ain’t noは否定の強調表現

I ain’t ..
That ain’t ..
エイント? エイン?
映画や海外ドラマ、洋楽の歌詞などで、ain’tという表現を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか?
ain’tは、英語のスラングでインフォーマルな表現のため、学校の教科書や単語帳には載っていません。しかし、若者を中心に多くのネイティブがain’tを常習的に使っています。
つまり、ain’tは、映画やドラマ、音楽といったエンターテイメントの世界だけではなく、日常生活でもよく耳にするスラングなのです。
いざain’tに遭遇した際に????やエイント?エイン?とならないためにも、意味と使い方、発音をしっかりと把握しておきましょう!
ain’tの意味と発音
ain’tは、be動詞(is, am, are)+ not、助動詞have(has)+ notの短縮形として使われているスラングです。最近では助動詞do(does)+ notの短縮形としても使われるようになりました。
意味としては、~でない、あるいは、~ではなかった。過去形などの時制を気にすることなく使われます。
では、実際の発音を確認しておきましょう。
~でない、~ではなかった
ain’t
カタカナで表記するとエィン(トゥ)と言った感じでしょうか。Tの発音(トゥ)の箇所はほとんど聞こえませんね。
ain’tの2つのニュアンスー過去と現在
ain’tの意味と発音を確認したところで、このスラングのニュアンスを紹介しましょう。
実は、現在広く使われているain’tの意味合いは、もともとの意味合いと大きく違ってきています。
ain’tが使われ始めた当初、ain’tは荒々しいイメージでした。
ain’tは、もとは黒人英語から来たスラングで、教養の無い人が使う荒々しく下品なイメージがある表現だったのです。このイメージからくる訳語としては、〜じゃねえ、〜じゃん、~だぜという感じです。なんとなくぶっきらぼうで荒っぽい感じが伝わるでしょうか。
もともとはイギリスでもアメリカでも地方を中心にこのニュアンスで使われていました。
しかし、今の時代の使い方は少し様子が違ってきています。
今ではain’tは、注目を集めたり、意味を強調したり、あるいは単に砕けた口調という感じで、口語(話し言葉)だけではなく文語(書き言葉)としても広く使われています。
ラップやR&B、ロックなどの歌詞では、韻律を持たせたり意味を強調したり、口語では打ち解けたトーンを表すといった傾向で、元の荒々しいニュアンスは影を潜め、現在ではどちらかというとカッコイイ表現として使われています。
ただし、ain’tはあくまでもスラングです。英英辞書などでも、ain’tという表現は多くの人にとって正しい英語だとはみなされていない、といった注意書きがあるくらい。
以前のようにain’tに荒々しいニュアンスは無いといっても、フォーマルな場面にはふさわしくありません。使用するのは親しい仲間内に限定しましょう。
I bet.もよく使われているスラングの一つ。詳しくはこちらの記事で確認しましょう。
ain’tの使い方
それでは、ain’tの例文を通して使い方をみてみましょう。
私は行かないよ。
I ain’t going.
彼はここに来ないよ。
He ain’t coming here.
自由の国でしょう?
It’s a free country, ain’t it?
君はきっとこれを好きにならないよ。
You ain’t gonna like this.
※gonnaはgoing toの短縮形です。とても砕けた表現になります。
日本語翻訳に関しては、元々の荒々しいニュアンスではなく、現在広く使われている砕けた口調にしました。友人間で使うフランクな口調のイメージです。
gonnaの意味や使い方に関してはこちらの記事が参考になります。
ain’t nobodyってどういう意味?
ain’tといえば、アメリカのR&B歌手Chaka Khan(チャカ・カーン)の曲名Ain’t nobodyが思い浮かぶ人も多いでしょう。
ain’tはbe動詞や助動詞の否定形ですが、さらにnoなどの否定語を伴って二重否定(否定をさらに否定する文章)の形をとることも多い表現です。一般的な二重否定は肯定を意味するのに対し、ain’t noは否定を貫きます。ain’t noは二重否定本来の意味は持たず、むしろ否定を強調するのです。なんだか頭が混乱しますね。例文で確認しましょう。
私は何も悪い事してないよ。
I ain’t done nothing wrong.
私は全然お金が無いのよ。
I ain’t got no money.
あなたは何も知らないね。
You ain’t know nothing.
君はまだ何も見ていないよ。
You ain’t seen nothing yet.
※こんなのはまだ序の口だ、すごいのはこれからだという意味の定番フレーズとしてよく使われます。
例文を通してみると、スッキリとain’t noの意味と使い方が理解できたのではないでしょうか。念のため、再度確認です。ain’t noは否定の強調形ですよ!
それでは、冒頭に出た曲名Ain’t nobodyの意味を考えてみましょう。
ain’t nobodyは、There ain’t nobody.の主語thereを省略したものです。二重否定ですが、ain’tの場合は否定を強調するだけでしたね。つまり、Ain’t nobody=誰もいないという意味になります。
ちなみに歌詞は、このように続きます。
Ain’t nobody
Loves me better than you
あなた以上に私を愛してくれる人は誰もいない…ジーンとくる歌詞ですね。
二重否定の代表的なフレーズNever say never!に関してはこちらの記事が参考になります。
まとめ
ain’tの意味と使い方を紹介しました。
ain’tはイギリスやアメリカなどの英語圏で、かなり広く使われているスラングの一つです。
主語も時制も気にすることなく使えて、簡単便利!是非使いたい!と思うかもしれませんが、あくまでスラングはスラング。フォーマルな場や目上の人には決して使ってはいけません。使う際は、親しい友人や仲間に限定して使いましょう。
今回紹介した内容があなたの英語学習の助けになりますように!
有るアメリカのユーチュバーに少し長めのコメントしたら次の様な返信が来ました。
Ain’t nobody reading all that
よく意味が分からずグーグルその他で翻訳したら全く正反対の訳なのでこのサイトで調べました。
結論。
”そんなの全部読んでるものは誰もいねぇよ。”位でいいのでしょうか?
コメントありがとうございます。
> ”そんなの全部読んでるものは誰もいねぇよ。”位でいいのでしょうか?
その通りです!
Aint nobody=誰もいないという意味で、否定を強調する言い回しです。
よく理解されていますね。素晴らしいです!