mayとの違いは?mightの意味や使い方を理解して英語力UP!
「~してもよい」「~するかもしれない」を表す助動詞は、
may
と学校で教わった方は多いのではないでしょうか?
mayの過去形が
might
とも習ったはず。しかし、実はmightはそれ以外の用途で使われることの方が多いのをご存知でしょうか?
例えば、
He said she might go there.
という場合のmightはmayの過去形です。過去形の動詞saidと時制を一致させるためにmayが過去形になっています。
しかし、会話の中で
She might go there.
と言われたら?一致させる時制がないので、過去形として使われているわけではないと推測できますよね。ではどう理解すべきなのでしょうか?
そこで今回は、mightの正しい意味や使い方について詳しく説明いたします。
>英語が上達する1日3分の無料メール講座<
よく使う英語「might」の意味・使い方
「~かもしれない」を表す単語としてアメリカ人がもっともよく使う助動詞はmightだといわれています。
どのような場面でどういうニュアンスで使われるのでしょうか?mightの意味と使い方について見てみましょう。
推量
mightは過去に起こったことに対する推量として使われることがあり、この場合、might+have+動詞の過去分詞の形をとります。
mightの代わりにmayを使用しても同じ意味ですが、mightを使う方が一般的です。
彼女はその時聞いていたかもしれない。
She might have heard it then.
もし彼に会わなければ別の人生を歩んでいたかもしれない。
I might have lived a different life if I had not met him.
提案
mightは、~してはどうだろうか、といった提案として使われることもあります。
ニュアンスとして、~してみるのも悪くないといった意味になります。
ミーティングを始めてはいかがでしょう。
We might start a meeting.
ワインはどうかしら。
You might like the wine.
命令(※強制ではなく強めの提案に近い)
mightは軽い命令としても使われます。
~すべきだ、といった断固たる意志を示す命令ではなく、~してくれないか、~してもいいんじゃないか。といった強めの提案に近い表現です。この場合、
might as well
のフレーズを使うことが多いです。
手伝う気がないのならお茶を入れるくらいしてもいいんじゃない?
If you are not going to help,you might as well make some tea.
もう諦めたらどうだ。
You might as well give up.
可能性(※~かもしれない)
そういう可能性があるかもしれない、といった意味合いでもmightは使われます。
mayでも同様の意味がありますが、後述のとおりニュアンスが微妙に違うため、使い分けるとよいでしょう。
もしかしたらそれは本当かもしれない。
It might be true.
もしかしたら明日彼に会うかもしれない。
I might see him tomorrow.
今晩は雨が降るかもしれない。
It might rain tonight.
また、可能性がないかもしれないという意味で否定文としても使われます。
彼女は家にいないのかもしれない。
She might not be home.
雪は降らないかもしれない。
It might not snow.
間接話法
間接話法で時制を一致させるために使われることがあります。
この場合、直接話法「may+動詞の原形」の代わりに、過去形「might+動詞の原形」が使用されます。
直接話法
「それは本当かもしれない」と彼は言った。
He said,”It may be true.”
間接話法
それは本当かもしれないと彼は言った。
He said it might be true.
こちらの英語表現も参考になります。
mayとmightの違いは?
mightはmayの過去形。
間接話法では、mayの過去形として使われることはすでにご説明したとおりです。
しかし、
It might be true.
の意味を翻訳すると、もしかしたらそれは本当かもしれないとなり、あくまでも過去ではなく現在の話になります。
mightとmayのいずれも、~かもしれないといった可能性や推量の表現として用いられます。
では、このふたつはどう使い分けたらよいのでしょうか。
ここでは、mayとmightの違いについて見ていきましょう。
確信度の違い
mayとmightの顕著な違いは、確信度です。
可能性や推量を述べる際、mayの方がmightよりも確信度が高くなります。
明日そこに行くかもしれないと言う場合、
I might go there tomorrow.
よりも
I may go there tomorrow.
の方が「そこへ行く」可能性が高い表現となります。
mayが、たぶん行くと思うよといったニュアンスだとすれば、mightにすることでもしかしたら行くんじゃないかなあ程度に確率が下がるわけです。
そのため、遠回しに行かないかもしれないことを匂わせたい時は、mightを使うのがおすすめです。
couldとの違いは?
~かもしれないを意味する助動詞にcouldもあります。
couldの場合はさらに確信度が下がります。
確信度でいえば、may>might>couldです。
「それは本当かもしれない」という英文を見てみましょう。
- It may be true.
- It might be true.
- It could be true.
この場合、下に行くにつれて確信度は下がります。
couldはあまりに確信度が低いため、「私」が主語の場合はあまり使われません。
ちなみにmayとcanの違いは?
mayは、~してよいという許可を与える意味で使われることがあり、canも同様です。
例えば、
You can go now.
といえば、あなたはもう行ってよろしいという意味になります。
では、mayとcanがどう違うかといえば、mayの方が上から目線のニュアンスがある点です。
そのため上下関係がない相手にmayを使うと、横柄な印象を与えてしまうので注意が必要です。日常会話ではcanを使うようにしましょう。
知っておきたい!mightを使った慣用表現
mightはネイティブの会話でもよく使われる助動詞です。
ここまでご紹介したものも含め、よく使われる慣用表現をまとめてみました。
might as well(~した方がよい)
強めの提案に近い、軽い命令の意味で使われるのが、might as wellです。
1-3.でご紹介しましたが、ネイティブがよく使う表現なので押さえておきましょう。
日本人にはas wellの意味がピンと来ないかもしれませんが、言外に何かとの比較が行われていると考えるとわかりやすいかもしれません。
as wellには、次項の3-2で触れるmight as well~as…(…するくらいなら~する方がましだ)が前提にあります。
他の選択肢と比べるとベターだ、あるいは他に選択肢がないという隠れた前提があって「~した方がよい」という命令に近い積極的な提案が行われていると考えると意味が取りやすくなるでしょう。
might as well~as…(…するくらいなら~する方がましだ)
as ~ as …は比較です。
「~する方がましだ」という和文からもわかるとおり、ネガティブな比較が行われています。
どちらも積極的に評価はできないけれど、こちらの方がまだましか、ということですね。
might as well △ as〇.なら、△の方がましかもしれないというニュアンスです。
例えば、
One might as well be hanged for a sheep as a lamb.
という英語のことわざがあります。
意味は「子羊を盗んでも大人の羊を盗んでも縛り首になるなら大人の羊の方がまし」です。
△の方がましだという結論から、△の方がよいかもしれないという表現として使われているのです。
might have been(過去にあったらよかったのにと思うこと)
1-1でご紹介した過去に関する推量としての表現で、might+have+be動詞の形をとっています。
仮定法として、そうだったらよかったのにというニュアンスですから、発生する可能性があったものの実際には起こらなかったことが前提となります。
~だったらよかったのになあ、と言いたい時に使えるフレーズですね。
mightを使った例文
mightの意味や使い方について見てきましたが、実際の会話の中ではどのように使われるのでしょうか。
ここではmightを使った例文で、日常的に使えそうなものをピックアップしました。
ぜひ、あなたの英語表現に取り入れてみてくださいね。
家に鍵を忘れてきたかもしれない。
I might have left my key at home.
過去の推量の例文です。leftは
leave
の過去分詞。
忘れ物をしたことを表現する場合、その場に置いたまま立ち去るイメージを持つleaveは便利です。
忘れるというと
forget
を思いつく方が多いかもしれません。
鍵を忘れたというだけならforgetでも問題ありませんが、忘れた場所についての言及があるならleaveを使うのが一般的です。
彼女は今東京に着いているかも。
She might be in Tokyo by now.
こちらは推量の例文です。シンプルに、might+動詞で、~かもしれないを表します。応用できる場面が多い表現なので積極的に使いましょう。
勉強したら?
You might want to study.
強めの提案としての軽い命令の例文です。学生さんには耳が痛い言い回しですね。
疑問形ではないですが、提案として相手のリアクションが期待されることも多いため、疑問文で日本語訳されることがあります。
来週会えるかも、と彼は言っていた。
He told me I might see him next week.
間接話法の例文です。
toldが過去形なので、それに合わせて会話文のmayが過去形のmightになっています。
他人が過去に言った言葉を述べる際は時制の一致を意識しましょう。
mightに関する記事も参考になります。
まとめ
mightといえばmayの過去形というイメージが強い方が多いでしょう。
文法的にはその通りですが、リアルな日常会話では文法的な意味に囚われず、幅広い使い方がされています。
学校で学ぶ英語学習では、英文法や辞書的な意味の学習が中心となりますが、それはあくまで基本です。
英和辞典に表示されている意味のみでテキストの文章を追っているのでは、理解できない英語表現に出くわすことも珍しくはありません。
ビジネスシーンでは英文契約書用語が頻出することがあるでしょうし、時にはメール英語例文辞書のような専門辞書まで必要になることもあるでしょう。
日本語表現と同様に、英語表現も多様なのです。
そのため、英語での表現力を豊かにするにはシーン別の英語表現を身に付ける必要があります。
ネイティブが好んで使う助動詞mightも、その表現パターンや用法を知ることでリアルな英語表現ができるようになります。
類義語辞典などを参考に、ニュアンスの異なる表現に触れ、積極的に取り入れて英語力をパワーアップさせていきましょう!