仮定法「If…」が分かる英文法解説!どんな時にどんな風に使うのか
高校英語で習った仮定法ですが、きちんと覚えているでしょうか?
なんとなくifを使う事は覚えていても、実際にどんな時にどう使えばいいのかわからない人が多く、日本人が苦手としている文法の一つです。
今回の記事では仮定法の基礎知識と、ifとwouldを使ってどんな風に英文を作るのかを詳しく紹介します。
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実現不可能なことを表現する仮定法
「そもそも仮定法ってどんな時に使うの?」という質問に対する簡潔な答えは、たとえば
もし私が英語ネイティブだったら…
もしあの時に〇〇していたら…
というように、不可能なことや起こりえないことを前提として話す時に使います。
不可能なことを前提とする=仮定をしているので仮定法と呼ばれるんですね。
不可能なんだけど、出来ないのはわかってるんだけど、もし〇〇だったら…、というニュアンスを伝えたい時は、かならず仮定法を使用します。
仮定法の基本:現実でないことには一つ前の時制を使う
では例文を使って仮定法の基本を解説していきましょう。
私が鳥だったら、飛んでいくだろう。
If I were a bird, I would fly.
説明したように、仮定法は基本的に、不可能なことや起こりえないことを前提とする時に使用します。
この例文のif節では
If I were a bird,
つまり、もし私が鳥だったら、と仮定していますが、人間が鳥になることはできないため実現不可能です。
このように実際には起こりえないことを頭の中で想像して話す際に、仮定法を使用します。
さて、ここで注目するべきは時制です。
英文では過去形を使っていますが、日本語訳では現在形になっていますよね。
実はこれが仮定法の重要ポイントで、あくまで現実とは異なることを話しているんだと相手に伝えるために、実際よりも一つ前の時制を使います。
わかりやすくまとめると次のようになります。
過去の話→現在完了形を使う
現在の話→過去形を使う
ただし未来を表す仮定法のみ、ちょっと特殊な形の構文を使います
未来の話→were to 動詞の原形+過去形を使う
例えば、
椅子をほんの少し右に動かしていただければ、私たち全員が座れるのですが。
If you were to move your chair a bit to the right, we could all sit down.
というようになります。
また、一つの文で使える時制は一つだけなので、if節で過去形を使う場合は主節の動詞も過去形になることをきちんと覚えておいてください。
仮定法のif節ではbe動詞の過去形wereを使う!
ところで、先ほどの例文を見て「あれ?」と思いませんでしたか?
主語がIなのに、続くbe動詞がwereでしたよね。
通常であればI was~.
となるはずですが、仮定法の場合はこれが正解なんです。
実はこれは仮定法の元となった古い文法に由来している特殊ルールで、
仮定法を使う場合は主語が何であっても
were
を使う決まりとなっています。
そのためIやhe、she、itなどのwasを使うべき主語であってもwereを使うのだと覚えておきましょう。
日常会話では
If I was~.
と言う人も増えてきているようですが、正しい表現は
If I were~.
ですし、文章を書く際には必ずwereを使わなければならないので、正しい文法を身につけておいてくださいね。
主節で使うのはwould
If節に続く主節では、仮定した内容が真実だった時にどうなるのかを伝えます。
先に挙げた例文をもう一度見てみましょう。
私が鳥だったら、飛んでいくだろう。
If I were a bird, I would fly.
ここではもしも自分が鳥だったら、という非現実的な仮定に対して飛んでいくだろうという予想を提示しています。
そもそも鳥だったら、という仮定があり得ない妄想なので、その後に続く表現は、必ず~だろうという予想の形になります。
予想を表す助動詞と言えば、
will
や
would
ですね。
仮定法の主節では基本的に過去形wouldを使用するため、基本的な仮定法の構文として、
If 過去形, I would ~.
の形を覚えてください。
もしも宝くじに当たったら……
仮定法に慣れるために、ちょっとしたエクササイズをしてみましょう。
日常会話でも時々出てくるのが、もし宝くじに当たったら〇〇するだろうという話題です。
そもそも宝くじはそうそう当たるものでないですし、それが当たったら~するだろうって話は、基本的には妄想ですよね。
こんな会話をする時こそ、仮定法が大活躍します!
まず妄想や願望の元となる、もしも宝くじに当たったらの部分を英語に直すと次のようになります。
もしも宝くじに当たったら、
If I won the lottery,
宝くじは英語でlottery、当たるを意味する動詞はwin
ですが、仮定法なので過去形のwonを使っています。
この後に続く主節で〇〇したいを表現します。
家を買うでしょう。
I would buy a house.
仕事を辞めるでしょう。
I would quit my job.
世界中を旅するでしょう。
I would go around the world.
他にも仮定法の練習には、
もし私がタイムトラベル出来たら、
If I could travel through time,
という、SF映画やSF小説に出てきそうな妄想も楽しそうですよね。
もし私がタイムトラベル出来たら、おばあちゃんに会いにいくでしょう。
If I could travel through time, I would go see my grandma.
もし私がタイムトラベル出来たら、本物の恐竜を見に行くでしょう。
If I could travel through time, I would go to see real dinosaurs.
また、ネイティブがよく使う仮定法の表現にはこんなものがあります。
もし私があなただったら、私は~。
If I were you, I would~.
これは何かを相談されたとき、自分が相手の立場・状況だったらと仮定してアドバイスする際に使用します。
もし私があなただったら、彼とは二度とデートしないでしょう。
If I were you, I would not go out with him again.
もし私があなただったら、上司にその件について相談しに行くでしょう。
If I were you, I would go to the boss and discuss the matter.
この表現はいろいろな場面で使えるので、ぜひ覚えて活用してくださいね!
if構文=仮定法ではありません!
さて、これまで解説してきたように、仮定法は話し手が現実とは異なる話をする時に使います。
それでは次の文はどのように訳すればいいでしょうか?
If you studied harder, you could pass the exam.
仮定法であれば、君がもっと勉強すれば、試験に受かるだろうです。
この場合、試験はまだ先で、話し手は相手が勉強するとは思っていません。
ですがもし、ここで話題となっている試験が既に終わっている場合はどうでしょうか?
この場合は直説法となり君がもっと勉強していれば、試験に受かっていたはずだとなり、話し手が相手がもっと努力していればちゃんと試験に受かっていたはずだと信じている、というニュアンスになります。
また、もう一つ別の例を挙げてみましょう。
遠距離恋愛をしている友人が、次の休暇に恋人が会いに来てくれるかどうか心配しているときに、彼があなたを愛しているのなら会いに来るはずだと言いたい場合、次のどちらの文を使うのが正解でしょうか?
If he loves you, he will come!
If he loved you, he would come!
答えは直説法を使っている前者です。
どちらも日本語訳としては同じですが、前者だと話し手は彼が彼女を愛していると信じているニュアンスを持ちますが、後者の仮定法の文だと彼が彼女を愛しているとは思わないからきっと来ないだろうというニュアンスになってしまうのです!
現在を表すIf構文では必ず過去形がくると思い込んでいると、こんなとんでもない間違いをして友達を怒らせたり悲しませたりしてする可能性があります。
うっかりミスで大事な友達と喧嘩したくはないですよね。
ちょっとした違いが大きな違いにつながるため、if構文を使う際には時制に気をつけてください。
まとめ
どんな時にどんな風に使えばいいのかわかりづらいため、日本人が敬遠しがちな仮定法。
非現実的な、もしくは実現しないだろうことを仮定して話す時に使います。
この考え方とIf 過去形, 主語 would~.の構文をしっかり覚えておけば、そんなに難しくはありません。
文法としてはあまりパターンがないため、よく使うIf I were you, I would~.などの表現を丸ごと覚えておくといいでしょう。
また、仮定法の過去形でbe動詞を使う際には、主語の人称が何であっても必ずwereを使うということもきちんと押さえておいてください。
日常生活で仮定法を使う場面はあまり多くはないですが、表現の幅を広げるためにも文法を含めて覚えておくとよいでしょう。
一度文法を覚えてしまえば、センテンスも簡単に作ることができます。
色々な表現ができるようになると、ネイティブとの会話ももっと楽しくなっていきますよ。
動画でおさらい
仮定法「If…」が分かる英文法解説!どんな時にどんな風に使うのかを、もう一度、動画でおさらいしてみましょう。