助動詞couldには6つの意味がある?英会話での使い方や活用法について
ネイティブスピーカーはcouldが大好きで、頻繁に会話の中に出てきます。
couldといえば、中学の英語教育で助動詞canの過去形と習った方は多いかもしれません。
でも実はネイティブの間ではあまりその使い方はしないため、日本人が戸惑うことが多い単語の一つです。
couldにはさまざまな意味があるので、覚えておくと便利なフレーズも多いです。
今回はcouldの使い方について詳しくご紹介しますので、この機会にマスターしてしまいましょう!
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couldはcanの過去形だけではない
確かにcouldはcanの過去形です。
しかし実際に日常英会話で使われる際、canの過去形はwas(were)able toと置き換えられるケースがほとんどです。
なぜなら、couldにはcanの過去形以外の意味があり、それと区別するためです。
例えば
I can run.
私は走れます。を過去形で言おうとすれば
I was able to run.
私は走れました。となるわけです。次の章で詳しく述べますが、これは
I could run.
だと違う意味になってしまうからです。
ではどのような場面でcanの過去形couldが使われるかといえば、それは時制の一致が必要な時です。
I think I can run.
私は走れると思います。を過去形にする場合、
I thought I could run.
私は走れると思いました。となります。この一文においてはI thinkが主節で、I can runが従属節です。
主節が過去形になる時、従属節も過去形にする必要があります。これを時制の一致といいます。
もしI thoughtがなければI could run.は違う意味になってしまいます。そのため走れたと言いたい場合は
I was able to run.
と言い換えるわけですね。
つまり昔ながらの言い回しや決まり文句以外で、couldがcanの過去形として使われるのは時制の一致の場合のみということになります。
では、それ以外にどのような使い方をするのでしょうか。次の章で詳しく見ていきましょう。
couldに関する英語表現はこちらの記事も参考になります。
couldの6つの意味
助動詞couldには6つの意味があります。
- 推量
- 仮定
- 丁寧な依頼
- 願望
- 後悔
- 強い否定
一つの単語でこれだけ多くのことが伝えられるわけですから、英語ネイティブが好んで使うのもわかる気がしますね。
とても便利な言葉なので、自分の英語表現に取り入れてしまいましょう。
推量
couldには推量の意味があります。
たぶん~だろう、~かもしれないといった表現パターンですね。
もしかしたら「推量はmightと習ったよ」という方もいるかもしれません。実は助動詞には推量の意味を持つものが多いです。
しかしそれぞれにニュアンスは異なります。
違いはその確信度にあり、かなりの確信を持っておそらく~に違いないと言いたい時はmustが使われます。主な助動詞を確信度順に並べると以下のようになります。
【確信度が高い】
⇓ must
⇓ will
⇓ would
⇓ ought to
⇓ should
⇓ can
⇓ may
⇓ might
⇓ could
【確信度が低い】
ご覧の通りcouldの確信度はかなり低く、不確実な推量の際にcouldが使われるということになります。
確信は持てないけど、何となくそうなんじゃないかなあと言いたい時にはcouldを使いましょう。
仮定
couldは仮定の表現としてよく使われます。仮定とは、未確定のことに関する仮の想定や事実とは異なる想定のことです。
もし~なら、…だろうと訳されるものが仮定です。
もし~ならに当たる部分を条件節といいます。
英語だとIf~ですね。例えばもしお金があれば海外旅行に行くのにという仮定であれば、
If I had money, I could travel abroad.
となります。
Ifを使った条件節で注目していただきたいのは動詞です。
I had moneyとhaveが過去形hadになっていますよね。仮定は過去の話ではありませんが、現在存在している事実でもありません。そういう場合には過去形を使います。
couldも過去のことを言っているわけではありませんが、仮定の表現としてcanの過去形を用い、could+原形動詞となっています。
では、この仮定が過去の話だったらどうなるのでしょう?その場合は過去完了形を使うことになります。
もしその時お金があれば海外旅行に行けたのにと言う場合、
If I had had money then,I could have traveled abroad.
と過去完了形になるわけです。
つまり仮定のcouldには2種類あります。現在の時間軸での仮定(もし~なら、…なのに)の場合は仮定法過去、過去の時間軸での過程(もしあの時~なら、…だったのに)の場合は仮定法過去完了です。
丁寧な依頼
英語にも敬語がありますが、その一つがcouldです。丁寧な依頼をしたい時にはcouldを使いましょう。
特にビジネス英会話ではよく使われるので覚えておくと便利です。
もともとcanができるという可能を表す言葉であることを念頭に置いておくとわかりやすいかもしれません。何かを依頼するということは、あなたはそれができますかと尋ねていることになるからです。
そのため疑問文の
Can you pass it?
(それ取ってもらえる?)でも依頼の意味になります。
couldだとより丁寧な表現になります。
Could you pass it?
とすればそれを取っていただけますか?になります。
特にビジネスシーンで頻繁に出てくるのがCould you please~?です。
Could you please confirm?
といえば確認していただけますかと言っているわけです。
相手に丁寧に依頼し、許可をもらう表現となります。
願望
couldは願望を表すこともできます。現時点では叶っていないことを~できたらいいなあと言いたい時に使えます。
I wish I could fly.
といえば、飛べたらいいなあです。
現時点では空を飛ぶことができないから願望のcouldが使われているわけです。
I wish I could speak English.
といえば、英語が話せたらなあとなります。
ネイティブスピーカーであれば言わない言葉ですよね。
英語を話す能力が低いからこそ、願望としてだったらいいなという表現になります。
後悔
仮定のところで出てきたcould + have + 過去分詞を使うことで後悔を表すこともできます。
仮定と同じ例文でご説明しましょう。
If I had had money then,I could have traveled abroad.
という英文はもしその時お金があれば海外旅行に行けたのにという意味でした。
これは仮定ですが、もし海外旅行に行きたいという明確な思いがあった場合、実際は行けなかった過去を振り返って後悔している表現としても使えます。
現実とは違う過去を漠然とイメージしている分には仮定の表現といえますが、そう願っていたにも関わらず実現しなかった過去に対する仮定であれば、それは後悔となるわけです。
強い否定(couldn’t)
否定形のcouldn’tの場合、まさか~のはずがないという強い否定の表現となります。
It couldn’t be true.
といえばそれが本当のわけがないだろうという意味になります。
ただしcouldn’tには少しひねった使い方があります。この点は注意しておきましょう。
例えば、
I couldn’t be happier.は、
文字通り訳せばより幸せになれるはずがないです。つまり最高に幸せだ!と言いたいときに使います。
couldn’tに形容詞の比較級を組み合わせると、それ以上ないほど程度が高いことを表現できるのです。
否定文なのでついネガティブな意味だと考えがちですが、そう思い込むと意味がわからなくなります。こういう使い方もあることを頭の片隅に置いておきましょう。
「could」「would」「should」の使い方を勉強したい方はこちらの記事がおすすめ。
couldを使った例文
さまざまなcouldの使い方についてご説明してきましたが、ここでは具体的な例文を見てみましょう。
彼が言ってたのは本当かもしれない。
What he said could be true.
彼が言ったことの確実性が不明な場合の表現です。couldを使うことで、真実の可能性もあるが確実ではないニュアンスを伝えています。
この場合のwhatは関係代名詞でWhat he saidで名詞節となっています。便利な使い方なので覚えておきましょう。
もし親がお金持ちだったら私もバレエを習えるのに。
If my parents were rich, I could learn ballet.
Ifの条件節がついた仮定法の表現です。実際は親がお金持ちではないためにバレエを習えない現実があることが窺えます。
現在の話ですが、仮定のためwereと過去形になっていますね。
今週の月曜の相談会にご出席頂けることで間違いございませんか?
Could you confirm that you will be attending the consultation this Monday?
丁寧な依頼としてcouldが使われている表現です。
confirmは
確認する、確かめるです。
attendは
出席する、
consultationは
会議です。
いずれもビジネス英語では比較的よく使われる単語なので覚えておきましょう。
泳げたらなあ。
I wish I could swim.
この文章は願望を表すI wishを使った表現です。現時点で泳げないからこそ願望のcouldが使われていますね。
もっと英語を勉強できただろうに。
I could have studied English.
後悔を表すcould+have+過去分詞が使われています。過去においてやろうと思えばできたのにやらなかった、ということを意味しています。
最高だ!
It couldn’t be better!
couldn’tのひねった表現の例文で、比較級betterとともに使われています。直訳するとこれよりよくなるはずがないですが、実は最高だ!となります。
腹ペコだ。
I could eat a horse.
※慣用表現
仮定のcouldが使われている表現です。直訳すると馬一頭丸ごと食べてしまえるだろうとなります。つまりそれだけ腹ペコだという意味です。
頭をひとひねりする必要がある慣用表現の一つです。
大賛成だ。
I couldn’t agree more.
※慣用表現
頭をもうひとひねりしてみましょう。couldn’t ~比較級です。agreeは賛成する、同意するです。
直訳するとこれ以上賛成はできないだろうとなり、大賛成だ!という意味を表す慣用表現です。
いろんな場面で使えるフレーズなので丸暗記してしまいましょう。
英語のさまざまなフレーズについてはこちらでもご紹介しています。
まとめ
ネイティブスピーカーが好んで使うcouldですが、canの過去形として使われることはほとんどありません。
いろいろな使い方ができるcouldだけに、どの意味で使われているのか、前後の状況から判断することが大切です。
ひねった慣用表現もあり、辞書で調べて英語翻訳しても何を言いたいのかわからないこともあります。
今回ご紹介した例文一覧を丸暗記してしまうのも一つの手。英会話スクールや日常でもさまざまな意味で使われるcouldだけに、一度覚えてしまえば、いろんな状況で応用できます。
使い方をマスターして、より豊かな英語表現を楽しみましょう!