「ラフな感じ」は英語でroughは使わない?意味と使い方から言い換えまで
服装はラフな感じでOKです。
ラフに行こう!
ラフなデザインでもいい?
「ラフ」という表現を使ったことがある、耳にしたことがあるという人は多いでしょう。
しかし「ラフ」の意味や使い方に関しては、「なんとなく分かっている気がするけど、正確な意味や使い方がわからない」「日本語なのか英語なのか…?」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「ラフ」という日本語に相当する英語表現を探求し、それぞれの意味や使い方について詳しく解説します。
「ラフ」の語源を知って、日本語の「ラフ」と英語の「ラフ」を正しく使い分けましょう!
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ラフは英語?
「ラフな服装」や「ラフに行く」など、カタカナ語の「ラフ」の語源となっているのは、英語のroughです。
roughの発音は「rˈʌf」で、まさにそのまま「ラフ」です。
rough
「フ」にあたる綴り(つづり)は、F ではなくGHである点に注意しましょう。
「ラフ」と発音する英語には、laughもあります。laughに関しては、こちらの記事で解説しています。
日本語の「ラフ」の意味
カタカナ語の「ラフ」という表現には、複数の意味があるのを知っていますか?
まずは、日本語の「ラフ」の意味を確認していきましょう。
使用例 | 意味・言い換え表現 |
ラフな感じ ラフな服装 | カジュアルな 形式ばらず気取らない 気取らない |
ラフなスケッチ ラフなアイデア | ざっくりとした 大まかな 大雑把な |
表面がラフ | 荒い ザラザラしている |
ゴルフ用語の「ラフ」 | コース内にあるフェアウェイ(整備された芝生地帯)から外れた雑草が茂る未整備の地域 |
「ラフ」には複数の意味があることを確認した上で、この日本語「ラフ」に相当する英語表現を確認していきましょう。
英語のroughの意味
まずは、語源とされる英語のroughの意味を見ていきましょう。
roughは、「ざらざらした」「(天候や海が)荒い」「辛い」「大雑把」など多くの意味を持ちます。それぞれの意味を詳しく説明していきます。
roughの意味①ざらざらした
英語のroughは、物質の質感や表面の状態がざらざらしていることを表現する際に使われることが多いです。
この意味のroughは、日本語の「ラフ」の意味にもありますね。
岩の表面はラフで、指で触るとザラザラしています。
The surface of the rock is rough, and it feels rough to the touch.
ペンキが剥がれていて、壁の表面がラフな感じです。
The paint has peeled off, giving the wall’s surface a rough texture.
roughの意味②大雑把
roughには、日本語「ラフ」と同じで、「大まかな」「おおよその」という意味もあります。アイデアや計画などがまだ詳細には定まっていない段階であることを示します。
プレゼンテーションはラフなスケッチから始めましょう。
Let’s start the presentation with a rough sketch.
ラフなアイデアが、驚くほど素晴らしい成果につながることがあります。
Rough ideas can lead to surprisingly wonderful results.
roughの意味③(ゴルフ用語)ラフ
通常、the roughの形で、ゴルフ用語で芝生や雑草などが刈り込まれていないフェアウェーに接するエリアを指します。
ボールがフェアウェイからラフに入ってしまいました。
The ball ended up in the rough from the fairway.
ラフの中からのショットは力が必要です。
Shots from the rough require strength.
日本語では単に「ラフ」ですが、英語ではthe roughとなる点に注意しましょう。
roughの意味④(天候や海が)荒い
roughは、海や天候が穏やかでなく、波立っていたり不安定な状態を指します。
一般的にこの意味は、日本語の「ラフ」としては使われていません。
荒れた海が航海を難しくしました。
The rough sea made sailing difficult.
roughの意味⑤辛い
roughは、困難な状況や試練に直面していることを示し、「辛い」「苦しい」といったニュアンスも表します。
この意味も、日本語の「ラフ」としては使われていません。
彼は試験中つらい時間を過ごしました。
He had a rough time during the exam.
「ラフな感じ」を英語で
「ラフ」と「rough」では、共通している意味もありましたね。
しかし、日本語として最もよく使われる「ラフな感じ」や「ラフな服装」という使い方はroughにはありません。
では、服装や外見がカジュアルな印象であることを示す日本語の「ラフ」は英語ではどう表現するのでしょうか?
この場合、「ラフな」を言い換えた「カジュアルな」や、「くつろげる雰囲気」から英文を考え、casualやrelaxなどを使って表現できます。
明日はラフな服装でOKです。
Tomorrow, you can dress casually.
Tomorrow, feel free to go for a relaxed outfit.
新しいカフェは、ラフな雰囲気でくつろげる場所です。
The new cafe is a place where you can relax in a casual atmosphere.
The new cafe provides a laid-back atmosphere for relaxation.
※laid-back atmosphereは、「くつろいだ雰囲気」「のんびりした雰囲気」という意味で、緊張感やストレスが少なく、リラックスした状態や雰囲気を表現します。
また、いい意味での「気取らない」というニュアンスでの「ラフな」は、effortlessやunpretentiousという単語を使って表現できます。
effortlessは、「無理なく行われる」という意味で、何かをする際に努力や無理がなく、自然な流れで行われる状態やスタイルを表します。
unpretentiousは、「気取らない」「偽りのない」と、人や物が自然体であり、見栄を張らずにいる状態を表現します。
彼女はラフなスタイルで自信を持って歩いている。
She confidently walks with an effortless style.
She walks confidently in an unpretentious manner.
「ラフ スケッチ」とは?
デザイン用語に「ラフスケッチ」という言葉があります。これは、英語のrough sketchに対応するカタカナ語で、デザインやアート、建築などの分野で一般的に使われています。
初期の段階での大まかなスケッチや草案を指します。
彼女はささっと夢の家のラフスケッチを描いた。
She quickly drew a rough sketch of her dream house.
デザイナーはロゴのコンセプトのラフなスケッチを提示した。
The designer presented a rough sketch of the logo concept.
まとめ
「ラフ」という日本語の意味や語源を探求しました。
英語のroughは多くの点で「ラフ」と意味が共通しているため、「ラフ」のルーツはroughにあると考えられます。
しかし、「ラフな感じ」や「ラフな服装」に代表される「形式ばらず気取らない様子やスタイル」を意味する使い方は、roughにはありません。そのため、「ラフ=rough」とは言えません。
「ラフな感じ」など、roughの意味にはない「ラフ」を英語にする際には、「ラフ」を別の言葉に言い換えて、それを英訳する必要があります。
「ラフ」とrough、それぞれの正しい用法を理解し、誤解のないスムーズなコミュニケーションを楽しみましょう。