鯛の英語「sea bream」は海外では通じない?鯛料理やことわざ完全網羅16選
日本でめでたいものの象徴としてお祝い事の際に食されている魚といえば何でしょう?
そうです、鯛(タイ)ですよね。
さて、鯛は英語でどう表現するのでしょうか?
今回は鯛の英語表現だけでなく、鯛を使った料理名、鯛を使ったことわざの英語表現を紹介します。
また、なぜ日本で鯛はめでたい縁起物とされているのかを解説しながら、海外でも鯛は縁起物なのか?を検証していきます。
鯛の英語表現だけでなく、海外の魚情報も満載。楽しく読んで知識を広げましょう!
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鯛の英語表現
まずは、鯛の英語表現から紹介していきます。
鯛といっても真鯛に金目鯛などさまざまな種類がありますよね。なんと、鯛と名前に入っている魚は200種類以上も存在するそうです。
全て紹介したいところですが…今回は、代表的な4種類の鯛の英語表現を紹介します。
①真鯛
鯛といえば、真鯛(マダイ)ですよね。鯛の中でも最も有名な高級魚で、お祝い事の席に食される真っ赤な鯛です。
真鯛は英語で、
sea bream
といいます。
なお、鯛の尾頭付きは、
whole grilled sea bream
と表現できます。
郷土料理のひとつでもある鯛めし(たいめし)は次のように説明できます。
鯛めしは、炊き込みご飯に鯛のそぼろを散らした郷土料理の一つです。
Tai Meshi is one of the local dishes served with seasoned sea bream powder on top of mixed rice.
②金目鯛
煮付けにすることが多い金目鯛は、大きな金色の目と真っ赤な体色が特徴の深海魚です。
金目鯛は英語で、
red bream
といいます。
金目鯛の煮付けは、
simmered whole red bream
と表現できます。
③黒鯛
釣り好きな人の間ではチヌの名前で呼ばれている黒鯛。名前の通り体色が黒い鯛です。
黒鯛は英語で、
black porgy
といいます。
④甘鯛
鱗も食べる事ができる甘鯛は、焼き魚や煮付けに干物、鍋料理までどんな料理にも向いています。
甘鯛は英語で、
tilefish
といいます。
また、まるでバターのように脂が乗っていることから、
butterfish
とよばれることもあります。
イカの英語も一つじゃない!イカの英語表現に関してはこちらの記事が参考になります。
red snapperは鯛じゃない?
日本人にとって魚は身近な食材であり、鯛といっても真鯛に黒鯛などそれぞれの名称を細かく認識している人が多いですよね。
ただ、魚専門店ではない限りtuna(まぐろ)やsalmon(サーモン)、tilapia(ティラピア)くらいしか売っていないアメリカや、普段から魚をあまり食さない人たちにとって鯛はSushi(寿司ネタ)で初めて知ったという人がたくさんいます。
そんな外国人に鯛は英語でなんて言うの?と聞くと、
red snapper
もしくは単にsnapperという回答が返ってきます。
実際に海外の多くのお寿司屋さんやレストランのメニューで、鯛はred snapperと表記されています。
ちなみにsnapperは、見た目は真鯛に似ているもののタイ科ではなくフエダイ科で魚種が違います。名前にタイの文字が入っていてもタイ科とは別物のいわゆるあやかりダイと呼ばれているものです。
真鯛や黒鯛とは近縁でも何でもありません。
では海外のお寿司屋さんやレストランで実際にred snapperを使っているのでしょうか?それとも真鯛(sea bream)を使っているのでしょうか…?
そこまではわかりませんが、海外のお寿司屋さんやレストランで鯛を食べたい時には、red snapperまたはsnapperとオーダーするのが無難なようです。
なお、tilapia(ティラピア)は、淡水魚で見た目が鯛に似ているので、淡水の鯛、イズミダイとよばれています。これもいわゆるあやかりダイですね。
紫陽花も正式名称ではなく俗称で呼ばれることがありますよ。こちらの記事が参考になります。
鯛はめでたいのは日本だけ?
さて、日本では鯛はめでたい縁起物のひとつですが、海外ではどうなのでしょう?
結論から言うと、鯛がめでたいのは日本だけの文化。その理由を日本と海外を比較しながら解説します。
日本語では…、
語呂合わせでめでたい。
英語や他の言語では…、
語呂合わせが成り立たない。
日本では…、
赤い色は縁起が良い色。
西洋文化では…、
赤色は不吉な色。
日本では…、
鯛は淡白な味で上品とされる。
海外では…、
鯛のような淡白な味を美味しいとする傾向がない。
日本では…、
鯛は泳ぎの力強さがある
海外では…、
鯛の他にカジキマグロなどもっともっと力強い魚はいくらでもいる
日本では…、
鯛は希少価値がある。
海外では…、
鯛は別に珍しくないもしくは逆に全然いない。
特に欧米圏では魚の目を気持ち悪いと思う人が多く、目の大きな鯛というのはめでたいどころか嫌なもののひとつといっても過言ではありません。
日本と共通点が多い中国文化でさえ、鯛はめでたくないそうです。
鯛がめでたいのは日本独特の文化のひとつなんですね。
日本独自の文化を英語で紹介!こちらの記事が参考になります。
鯛を使ったことわざを英語で
日本では鯛は食すだけでなく、ことわざにも登場します。
ここでは、鯛を使ったことわざ3つを英語で表現してみます。
①腐っても鯛
まずは腐っても鯛(くさってもたい)の英語表現から紹介します。
腐っても鯛とは、優れたものは状態が落ちても価値を失わないという意味です。
この意味を含んだ英語のことわざフレーズは3通り。
腐っても鯛
A rose is still a rose.
直訳:バラはいつもバラ。
腐っても鯛
A good horse becomes never a jade
直訳:駿馬は決して駄馬にはならない。
腐っても鯛
An old eagle is better than a young crow.
直訳:老いた鷲(ワシ)は若いカラスよりもまし。
②海老で鯛を釣る
次は海老で鯛を釣る(えびでたいをつる)。
海老で鯛を釣るとは、小さな元手で大きな利益を得るという意味です。
この意味を含んだ英語のことわざフレーズは3通り。
海老で鯛を釣る
Use a sprat to catch a mackerel.
直訳:鯖を捕らえるには小魚を使え。
海老で鯛を釣る
Throw a sprat to catch a whale.
直訳:クジラを捕まえるために小魚をまけ。
海老で鯛を釣る
A small gift brings often a great reward.
直訳:小さなプレゼントは大抵より大きな報酬をもたらす。
③鯛の尾より鰯の頭
最後は鯛の尾より鰯の頭(たいのおよりいわしのあたま)。
鯛の尾より鰯の頭とは、大きい団体で人の後に従うよりは、小さな団体でもそのトップとなるほうがいいということです。
この意味を含んだ英語のことわざフレーズは2通り。
鯛の尾より鰯の頭
Better be the head of a dog than the tail of a lion.
直訳:ライオンの尻尾になるより犬の頭となる方がいい。
鯛の尾より鰯の頭
Better be the head of the yeomanry than the tail of the gentry.
直訳:地主階級の下働きでいるより、自由農民の頭でいるほうがいい。
英語にも多々あることわざを知ろう!こちらの記事が参考になります。
まとめ
鯛の英語表現はいかがでしたか?
日本人ほど魚の細かい種類にこだわりのない外国人にとって、鯛(sea bream)とは、フエダイ(red snapper / snapper)を表すという驚愕の事実がわかりましたね。
つまり、お寿司屋さんやレストランで鯛を食べたい時には、鯛の英語の正式名称であるsea breamではなく、red snapperまたはsnapperと言わなくては通じない恐れがあるということです。
このように辞書に載っている正式な英単語と、各地域での呼称や俗称が異なるということは鯛に限りません。
人とのコミュニケーションにおいて、辞書に載っている正式な表現を使うことが、必ずしもスムーズな会話を成立させるというわけではありません。
それぞれ地域の文化を反映した生きた英語を使えるようにしておきましょう!